この業界にいれば誰でも知っているスルガ銀行の正体


kabuka

山なりのギザギザ。

八ヶ岳あたりの標高図のようでもあるが、そうではない。

スルガ銀行の株価である。

一連の不正融資が発覚してから、下落が止まらない。

株主は涙ちょちょぎれだろう。

とは言え、

来るべき時が来たな

というのが、大方の意見。

一応は金融、FP業界で生きる者として、スルガの凄まじさはよく耳にする。

特に不動産投資ではその名が轟いていた。

他行が二の足を踏むような物件でも、スルガなら貸す

これは多くの関係者が口を揃えて言うことで、更には二重契約物件。通称オーバーローンにも応じてくれる。

オーバーローンとは、例えば5,000万円の物件を

1 偽の6,000万円の契約

2 本当の5,000万円の契約

の二つの契約を行い、6,000万円の方を銀行に出す。

銀行は6,000万円を貸し、借り手は「オーバー分」の1,000万円を自由に使える。

不動産を買う場合、頭金や仲介手数料、更に名義変更のための税金など、やたらと金がかかるが、オーバーローンをすることで、それらの費用まで銀行が用意してくれるので、投資家からすれば、

「一切持ち出しなし」

で物件が購入できるのである。

このあたりの事情は銀行側も知っていて、黙認する代わりに「得体の知れない手数料」が上乗せされたり、融資した一部を「強制定期預金」されたりする。

なお、これらの融資の金利は

3.5~4.5%程度

で、低金利下の現状ではあり得ないほど高い。

とは言え、借りたい人がいて、貸してくれる銀行があるのだから、当人たちが納得していれば別に問題ないし、他行が貸さないということはそれだけリスクがあるということ。

その分、金利や手数料が高くても仕方ないように思う。

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今回、事の発端となったシェアハウス販売の「かぼちゃの馬車(スマートデイズ社)」でも、スルガが多くの会員に融資をしていたが、審査が通るように年収や貯金を偽造してまでしていたそうで、これらはもちろん違法なのだが、貸してくれる方からすればありがたい話だ。

私なら「そこまでしてくれるのか!!」と感激する。

が、物事はそんなに上手くはいかない。

そもそも「かぼちゃの馬車」の事業モデルが成り立っていないので、当然予想されていた収益が上がらず、会社は破綻。残された会員には高金利が追い討ちをかけ「投資」は「負債」となった。

もちろん、一義的に悪いのは「詐欺まがい」の投資を勧めた奴らだが、少々厳しい言い方をすれば引っかかった方も悪い。

「不動産利回りが8.5%以上、しかも家賃保証付き。だから金利が3.5%でも十分まわる。」

というのが売り文句だったらしいが、10年前ならいざ知らず、今どきそんな物件はあり得ない。

近辺の家賃相場や、地元の不動産屋さんに話を聞けば「収支が成り立たない」ことはすぐ分かるはず。

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それでも「かぼちゃの馬車」に文句を言いたい気持ちは分かる。

しかし、金を貸した銀行に文句を言うのも筋が違う気がする。

書類まで偽装して危険な事業への投資を容認した。銀行としてモラルが欠如している!!」

という論旨らしいが、何を今更という感じだ。

資産運用とか投資をかじった人間であればスルガ銀行がロクな銀行でないことは知っている。

ある社長さんなどは、

「スルガ?えっ銀行じゃないでしょ?あそこは街金でしょ?笑」

と言っていた。

違法すれすれ(と言うか違法)のやり口と高金利。

まるで萬田銀次郎ではないか。

ミナミの帝王ならぬ、駿河の帝王。それがスルガ銀行なのだ。

 

だからこそ、今回の批判にもきっとこう言うだろう。

モラルなんて犬に食わせろ

と。

そんな奴がかぼちゃの馬車の前でお辞儀して、

「さあさあ、お乗り下さい」

と恭しく言ってくるわけだから「これは詐欺だ!!」とすぐに気づくべきだった。

basya

が、実はこんな銀行は他にも数多くある。

流石にここで名を出すわけにはいかないが、H銀行やS銀行など、怪しい不動産業者とか投資ブローカーと組んで高金利で金を貸している。

誠に厄介な存在なのだが、このような「悪徳銀行」は実はいないといないで困る。

例えば、こんな例。

ある不動産投資家が魅力的な不動産を見つける。

すぐに買いたいが、大手銀行に頼むと審査に1ヶ月程度時間がかかるので、その間によそに取られてしまう。

そんな時、このような銀行に案件を持ち込むとすぐに金を貸してくれる。

もちろん金利は高いが、物件は短期間で転売する予定なのでそれほど気にならない。

このような場面では「悪徳」も「頼れる銀行」に変わり、要は使い方次第で毒にも薬にもなるのである。

今回の件、被害者たちは物件を差し出すから借金を帳消しにしろ。と銀行に迫っているそうだが、正直なところそんな話は通らないだろう。

せいぜい金利を下げるくらいが関の山で、手元には「部屋が埋まらないシェアハウス」と莫大な借金だけが残る。

気の毒とは思うが、これが不動産投資。

結局は自己責任としか言いようがない。

本日のコラムでした。


9月 14th, 2018 by