コインチェックに預けたお金が戻ってこない理由


最近はどこに行ってもこの話題。

「コインチェックやっちゃったね」

ということ。

自分の周りにも被害にあった人がチラホラいて、コインチェック自体が、460億円の被害を日本円で弁済する。と言っているが、正直なところ、見通しは暗いと思う。

ネットのニュースでは、

「コインチェックの手数料収入は年間〇〇〇〇億円だから、賠償も出来る」

という論調が目立つが、保険という仕事上、多くの企業の売上と利益(それを節税したい。と相談されるので)を聞いてきた経験でいえば、これらの記事の多くは、

売上

ばかりが論点になっている。

しかし、今回の賠償金は「利益」から払うべきもので、売上が大きいからと言って、460億円もの大金はそう簡単に出せるものではない。

ちなみに、460億円前後の利益(経常利益)を出している企業は東証の「経常利益ランキング」で言えば200位前後にあたる。

このランキングの1位は当然「世界のトヨタ(2兆1938億円)」であるが、200位と言っても新生銀行や小田急などの有名企業が並ぶ。

これらの企業が1年間必死に事業をおこなって、それで残る利益が460億円なのだから、いくら仮想通貨のビジネスがボロいと言っても、新興のベンチャー企業が右から左に用意できる額ではないだろう。

rankiing

経営者の話を聞くと、いかに企業という「生き物」が金喰い虫なのかが分かる。

「なんだか良く分からないが、とにかくお金が入っては出ていく」

儲かっている企業の経営者であればあるほど、こういうことをおっしゃる。

特にイケイケの会社は、常に投資で設備や人にお金を振り分けるため、額面の売上や利益と実態が伴わないことが多い。

決算上の「数字」では大きな利益を上げていても、口座に金がない。

そんなことは珍しくないし、特に創業間もない頃は過去の蓄積もないため、そのような事態に陥りやすい。

ここで目先の利く経営者であれば、

「借りられる時に借りておこう」

と、銀行からの借入をおこして、手元に豊富なキャッシュを積み上げておくが、コインチェックはどうだったのだろうか?

流石にここまでのトラブルは想定していなかっただろうから、やはり

周りが思っているほどのキャッシュはない

のではないかと思う。

また、仮想通貨を飯の種にしているくらいだから、これだけのバブルを前に、自社で手を出していないわけがない。大量の自己売買もしているはずだ。

「自己売買」とは、例えば証券会社が自社の資金を使って、株を売買するような事例を指す。

余談だが、証券業界の場合には、この自己売買は規制されていて、会社の規模などによって取引できる量が決まっている。

自社の顧客に「A社の株が伸びる。買った方が良い。」などと煽り、裏では自社保有分を売っていた。というような利益相反が発生しやすいため、金融庁が目を光らせているのである。

しかし、仮想通貨の業界ではまだそんなルールは整備されていない。

だから、コインチェック自身が仮想通貨を自己売買していたことは容易に推測できるし、利益の大半がこれにつぎ込まれていたとしてもおかしくない。

そして、このような事態になれば、容易には現金化できないだろう。

そもそも彼らのシステムが止まっていることもあるが、やっていることは「ほぼ犯罪レベル」であることから、今後の金融庁の調査や、警察の捜査が終るまで、これらの資産には手がつけられないのではないか?

また、別の話として、過熱し過ぎの仮想通貨熱を冷ますため、また、悪質な業者を排除するための、

見せしめ

として金融庁がコインチェックを潰しにかかる可能性もあり、そうなると「破産」という最悪のシナリオも見えてくる。

一応は「正統派」な金融機関である生命保険会社に10年以上いて、金融庁の恐ろしさは骨身に沁みているから、個人的にはこれが一番リアルガチであり得るような気がする。

この国においては、ハッカーより、金融庁の方が怖い。

「兄さんが知らないわけないだろう」

degawa

そんなことも知らずに、人さまのお金を預かっていたとは。。。その罪は重い。

本日のコラムでした。

注:ちなみに、仮想通貨を売買せずに、ただ単にお金を入れておいた人たちは、近日中に引き出せるようになると思います。流石にその資金に手をつけたらアウトなので、すぐ返すのではないかと。。。。


2月 1st, 2018 by