人生100年計画がもたらすウォーキングデッドな未来


安倍首相が推進する「人生100年計画」

日本人の寿命が100歳を超える時代を見越して「人づくり革命」を推進する。というものですが、ファイナンシャルプランナー(以下FP)の私としては、

「冗談じゃない」

そう言わざるを得ません。

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私は主に生命保険という観点で、色々な方のファイナンシャルプランニングを組みますが、その際に「人生のゴール」として使用する基準には平均年齢を用います。

現在のところ、男性81歳、女性87歳というのがスタンダードですが、この基準でも「まったく問題なし」となる方は稀で、実際の感覚では10世帯に1つあるかないか。という印象です。

ほとんどのご家庭では、

「今の貯金を1.5倍から2倍程度にして、何とか平均寿命までもつ」

というもので、残念ながら

「何をどうやっても破綻するのが確実。それを避けるには死ぬまで働くしかない」

という世帯もあり、こちらも10世帯の中で一つ。と言ったところです。

 

まずは簡単に試算してみましょう。

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現在の年金制度が今後も何十年にわたって「続く」と仮定すれば、年収800万円の方の場合、将来受け取れる年金は月17万円程度(65歳から)になります。

ここから保険料や税金を差し引くと手取りは15万円前後。これが「収入」です。

対して、老後の「支出」は生命保険文化センターの「老後の生活費」調査によれば、

最低限の生活   毎月22万円

ゆとりのある生活 毎月35万円

となっています。これは現在老後の生活を送っている方のデータも入っているので、ある程度は参考になるでしょう。

この基準で言えば、収入が15万円の場合、最低限の生活を送るだけで毎月7万円の赤字、ゆとりある生活の場合、20万円の赤字ということになります。

65歳で引退し、妻の寿命87歳まで約20年から25年程度。

老後をスタートする時に必要な貯金額は最低限の生活で、

7万円×12ヵ月×25年=2100万円

ゆとりのある生活で、

20万円×12ヵ月×25年=6000万円

となります。

FPの世界では

「老後に苦労したくなければ65歳までに金融資産5000万円以上」

とよく言われますが、これが一つの根拠です。

さて、それでは100歳まで生きるには、いくら必要なのでしょうか?

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老後の生活期間がほぼ2倍になるので、必要なお金も「2倍」になり、最低限の生活でも4000万円、ゆとりのある生活であれば1億円を超えます。

現在日本には資産1億円以上を保有する方が212万人いて、人口の約2%を占めますから、この方々は問題なく100年計画が実行できることになります。

そして、この人たち以外は「最低限」もしくは、それ以下の生活しか送れないということになります。

必然的に70歳、80歳になっても働く必要がありますが、今後爆発的に増える老人の大部分が職を望めば、まずは同世代での競争があり、更には単純労働は外国人やロボットと、高度な仕事も若者やAIと競うことになります。

人生100年計画がもたらす日本の将来は、仕事も、お金もなく、ゾンビのような老人たちがただ生きるだけ。

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そんな世の中を誰が望んでいるのでしょうか?

本日のコラムでした。


11月 8th, 2017 by