営業マンは五者になれ!!(昔話)


さて、本日は昔話。

ネタがない時はこれにつきる。

今をさかのぼること、14年前。まだ、私が保険の世界に入ったばかりの頃。

ほぼ同時期に入った「小関ちゃん(仮名)」という同僚と支社で世間話をしていると、当時にして既に伝説と化していたKさんが近づいてきた。ちなみに社内でも「最強」と言われる強面である。

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「おい!!乞食二人で何くっちゃべってるんだ!!」

今だったらパワハラで一発アウトな発言だが、新人だった我々は生けるレジェンドのKさんの激しい言葉に凍りついた。

「お前らどうせ行くところもなくて、グダグダしてるんだろ。いいか、今日は特別に貴様ら『負け犬』に営業の極意を教えてやる!!」

普段だったら、話すらしてもらえない『カス』のような私たちに珍しく話しかけてきて下さったのは、怒っているわけではなく、どうやら機嫌が良かったようだ。

「はい!!お願いします!!」

と大きな声で答える若者二人に対し、こう言い放つ。

「営業マンはゴシャになれ!!」

まるで、アントニオ猪木氏の「バカになれ!!」というようなワンフレーズ。

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しかし、意味が分からない。。。。

ゴシャ?なんじゃそりゃ?

しかし、そこで反応できないようでは、生き馬の目を射抜く外資系では生きていけない。

即座にこう返した。

「英雄(ひでお)のことですね?」

私の解釈はこうだ。

『鬼龍院花子の生涯』や、『極道の妻たち』などの名作で知られる五社英雄監督(故人)

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そして五社監督と言えば、濡れ場である。

どんな清純派女優も、ベテラン女優でさえも、激しい濡れ場を演じさせ、一皮剥けさせる。

『鬼龍院花子の生涯』の夏目雅子も当時は清純派の代表格だが、作中で体当たりのヌードを披露し、

「なめたらいかんぜよ!!」

という名台詞と共に、演技派として台頭した。(どうでも良いが、仲代達矢の「鬼政」が渋すぎる。。。)

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つまり、

お前らももっと裸になってお客様と向き合え!!

というKさんなりの喝だと受け取った。

横では小関ちゃんが「かとちゃん、良く返した!!」と涙目で無言のエールを送ってくれている。

ちなみに怒られることが苦手な小関ちゃんはこの手のパワープレーに滅法弱い。

しかし、Kさんからは、

「それは『吉原炎上』だ!!バカ!!」

と返す刀でばっさり斬られた。

なお、吉原炎上も五社監督の代表作。名取裕子さん主演の名作である。

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「英雄」と言っただけで、即座に『吉原炎上』と返ってくるKさんはやはり凄い。。。

Kさんの解説が始まる。

「ゴシャは『五者』と書く!!」

「営業マンは『芸者』、『学者』、『忍者』、『医者』、そして『易者』の『5つの者』、つまり『五者』を演じなければいけない。」

と説く。

まず『芸者』として、相手を気持ちよくさせ、気に入られる。時にはバカになることも必要。言い換えれば人としての愛嬌とも言える。

そして、自分の専門分野に関して聞かれれば、『学者』のように答えられなくてはいけない。

更には表面的な情報だけなく、『忍者』のように様々な情報を知る。

そして表と裏から得た情報をもとに、相手の問題点を指摘し、その解決方法となる「処方箋」を出す『医者』となる。

最終的には「この人には未来が見えているのでは?」と思わせるような『易者(占い師)』のオーラを身にまとえ!!

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ということらしい。

これを聞いた私と小関ちゃんは素直に感動した。

確かにKさんには、その全てが備わっているような気がする。

時間にすれば5分にも満たない立ち話だったが、14年経っても覚えているのだから、やはり一流セールスマンのトークはどこか違うと言わざるを得ない。

この言葉を、ふとした時に思い出す。

「今の自分は五者になれているか?」

自問自答するに、到底そのレベルにはなく、せいぜい芸者と、保険関係の学者。あとはゴシップ情報限定の忍者要素しか持ち合わせない。

なお、この「五者」は、相手を分析する時にも非常に役に立つ。

成功している経営者は、この5つの要素を兼ね備えている人が多く、要はビジネスマンの5大要素とも言い換えられるだろう。

「この人は『学者』、『医者』タイプだな。」

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そう思えば、こちらが変に『学者(保険限定の)』を出してもバッティングするだけなので、ひたすら『芸者』で接し、時に『忍者』に扮して、相手の分野外の裏情報などを披露すると喜ばれる。

とは言え、そもそも勝負出来るカードが少ないので戦略は限られるのだが。。。。

 

話は14年前に戻る。

Kさん曰く、

 「一番難しいのは『易者』だ。それ以外の4つがトップレベルに達して、初めて未来を見通す力がつく」

らしい。まあ、そりゃそうだろうと思っていると、

 「や、やっぱりKさんクラスになると『易者』の能力は凄いんですか?。。。」

今までダンマリを決め込んでいた小関ちゃんが何故か口を開いた。

ギロッとKさんが睨む。

「当たり前だ!!お前の未来も占ってやる!!」

そう言って、震え上がる若者を鋭い眼光で透視する。数秒の沈黙。そして・・・

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「あと3ヶ月で死ぬ!!」

まさかの余命宣告。

そう言い残し、呆然とする我々を尻目に颯爽とオフィスを出ていかれた。

あの人に「死ぬ!!」と言われると本当に死にそうだから怖い。

そしてその3ヵ月後、小関ちゃんは会社を去った。

「『死ぬ』とは『退職』の意味だったのか・・・」

実際に死ななくて良かった。という安堵の気持ちと、言ったことにそれなりのオチがつくKさんの引きにびびった。。。。

そんな下らないことを思い出した本日のコラムでした。


1月 23rd, 2018 by