子供の通院。整理番号を巡る父たちの悲哀


子供が生まれると、まあ病院によく行く。

しかも子供が二人体制になると、上が熱を出すと、翌日には下も熱を出し。

上が吐けば、その3時間後には下も吐く。

まるでエグザイルのchoo chooトレインのように時間差で同じ動きをする。

それぞれが幼稚園、保育園から持ち帰る「最新流行の風邪」が家族を席巻し、無限ループを生み出すのである。

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そしてその都度、病院へ行くことになる。

その他にも、目が赤い、虫に刺された、皮膚がかぶれた、とひっきりなしに病院に行っている印象である。

そもそもが大人と違い子供は我慢ができない。

どの程度の痛みなのか?どの程度の痒みなのか?

という「レベルの表現」が出来ないので、実は大したことがなくても「痛い!!」と言われれば親としては「一応先生に見せておこう」ということになる。

そしてタダ。

自治体にもよって対象年齢は異なるが、小さい子供の医療費は原則無料。

「タダだから。。。念のため」

という心理になり、そんなわけで、やたらめったらに病院に行く羽目になる。

我が国の保険制度を崩壊に追いやっているのは老人だけではないのである。

なんやかんやで週に1回ペースで通っているのではないか?

念のために言っておくが、うちの子供たちは別に何か大きな病気があるわけではないが、場合によっては内科と皮膚科で「はしご」するようなこともあり、妻もなかなか大変そう。

よし、ここは父が一肌脱いで、病院に連れて行ってやろう。

そうは思うが病院の付き添いははっきり言って苦手である。

どうにも子供の症状を上手く伝えることが出来ない。

「なんかお腹が痛いと言っております。」

oaa

と小学校レベルの報告しか出来ない。

更に

「昨日何を食べたか?」

「幼稚園で〇〇菌は流行っているか?」

と医師から聞かれても、

「分かりません。。。。」

としか言いようがない。

結局は子供の細かい補足情報は、飼育係 兼 観察者である妻には勝てない。

となると、父の役割は限られる。

そう、順番待ちである!!

朝8時前に病院に並び、8時30分の受付カードを持ち帰るのがその任務。

夏は暑く、当然冬は寒い。

こちらの具合が悪くなりそうだ。

看護師さんに聞くと、ネットの予約システムでは

「繋がらない」

「8時ちょうどにアクセスしたのに何で10番目なのよ!!」

という苦情が出るらしく、結局

「申し訳ないが、並んでもらった方がトラブルがない」

ということらしい。

はぁ?

ネットに繋がらねーわけねーだろ?自宅のWIFIが落ちてんだよ!!

8時ちょうどにアクセスしたって0.1秒遅ければ、それだけで順番は変わるんだよ!!

これだけからIT音痴は、ヘッ!!

元々バリバリのIT企業にいた父としては、予約システムに苦情を言うような無知な奥様には声を大にして言ってやりたい。が、実際目の前にしたら

「ですよねー、あの予約システム、ダメダメですよねぇー」

と同調してしまうだろう。何故ならば病院にクレームを入れるような奥様はだいたいヒステリーで怖いからだ。

勝てない者には挑まない。それが処世術というものだ。フッ

そんなこんなで、その無知のしわ寄せは世の父たちに来る。

本日も朝から並んでいた9人のうち7人がお父さんだった。

しかもそのうち5人が日経新聞を読んで時間を潰す(私も含む)という光景は、遠目に見ればラッシュ時の駅のホームでしかない。

8時30分。

婦長らしき女性から整理番号を受け取り、父たちの任務は終わる。

「お互い大変ですね。どうせ大した病気でもないのに。。。」

男たちの別れ際の会釈にはそんな無言の響きがある。

家に帰れば、

「ありがと。何番だった?

と聞かれる。

冒頭の「ありがと」はあくまで社交辞令、最も気になるのは「何番か?」ということ。

「当方08時00分に並びましたが、周りもさるもの。無念の5番であります!!」

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旧日本兵のように報告する。

「5番かぁ。じゃあ9時半過ぎかぁ。」

司令官殿は不満のようだ。

それを尻目に父はいそいそと会社に出勤する。

その日の夜、

「結局何だったの?」

と聞いてみる。

「うーん、よく分からないけど安静にして下さい。だって」

。。。。

そんな普通のアドバイス聞くために俺は朝から並んだんかい!!

しかし、心の声が口から出ることはない。

「そう、良かったね」

絞り出したその言葉には何の感情もこもっていない。

きっと来週も再来週も同じ会話が続くだろう。

取りも直さず、それは子供たちが健康ということだから、それに越したことはないのだが。。。。

 

 

 

 

 


7月 12th, 2017 by