日大、ボクシング。権力者たちの「美味しすぎる」保険利権


我が母校、日本大学のアメフトの件が下火になってきたと思ったら、またまた強烈な人が出てきた。

そう、日本ボクシング連盟の山根会長。

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しかも、日大の田中理事長とも懇意であることから、この4月からは客員教授も務められているそうで、こんな珍獣ばかり集めて我が母校は一体何をしたいのだろう?と首をかしげるしかない。

大学にせよ、アマチュアボクシングにせよ、小さい世界の独裁者が強権をふるっているが、私が専門の「保険業界」もこの独裁体制にちゃっかり乗っかっていたりする。

例えば大学では学生が入る学生保険や、ボクシングでは試合の都度強制的に加入を義務つけられるスポーツ保険。

学生保険は、その学生が在学中に「死亡」、「入院」した場合や、器物破損などで「人に迷惑をかけてしまった時」の賠償責任保険などがパッケージされたもので、スポーツ保険はその名の通り「スポーツ中の事故」による怪我の補償となる。

これらは実質的に大学や連盟の関連企業が「独占販売」しており、外部の業者が入ることが出来ない。

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と言っても、大学や連盟が直接「保険」を提供するわけもなく、その裏側には保険会社がいる。

そのため、この手の商品が紹介されているパンフレットには、必ず

「引受保険会社:A社」

などと保険会社の名前が小さく書いてあり、要は大学や連盟は保険会社の「代理店」として、契約の取次ぎをしているだけなのだが、この手数料が意外とバカにならない。

手数料は保険料のおおよそ2割程度。

例えば、日本大学では毎年の新入生が1万7,000人くらいいて、全員がこの保険に加入することはないが、地方出身で「初めて東京に来る子」などは、親御さんが心配して契約することも多い。

仮に3割が契約したとすると、5,000人前後。

保険料は大学4年間分で5~20万円くらい。平均値を10万円とすると、その保険料の合計は、

5億円

ということになる。

その2割の1億円が「手数料」として大学に支払われるのである。

これが毎年発生する。

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保険会社からしても、引受会社に指定されれば数億円の保険料を得ることになり、そのため各社の営業が大学のお偉いさんを接待漬けにするとかしないとか、そんな噂も耳にしたことがある。

大学の場合、入る、入らないは本人の自由だが、スポーツの場合は原則「全員加入」。

例えば、アマチュアボクシングの試合の場合、スポーツ保険の保険料は1人1日500円くらい。

競技人口は5,000人程度らしいので、各々が年間3回試合に出るとすると、

500円 × 3回 × 5,000人 = 750万円

の保険料が集まる計算で、その2割の150万円が手数料となる。

大学のそれと比べると微々たるものだが、濡れ手に粟で手に入るお金なので、美味しいと言えば美味しい。

なお、大学にしてもボクシング連盟にしても組織上は学校法人や社団法人。

税金的に優遇されているため本業に関係のない事業は出来ない。

そのため関連会社を代理店登録するのだが、日本大学の場合は、例の「株式会社 日本大学事業部」がそれをやっていて、その会社の役員は大学の有力な理事数名で占められている。

日本ボクシング連盟の場合、あの規模では関連会社などはないだろうから、理事の誰かの会社でやっていたり、理事長の親族がやっている可能性が高い。(ただの憶測だが)

これらのお金は収支報告書には載ってこないので、使い道をうんぬん言われることもなく、一部の幹部のお小遣いになっている場合が多いのである。

「利権」

それは夢の権利。

寝ていてもお金が入ってくるのだから、日々、必死な思いで保険を販売している私などは羨ましくて仕方がないが、やはり罰はあたる。

例の会長は辞任をしたので、今後、一切美味しい思いは出来ないし、あのキャラでは「肩書」がなくなれば人も寄り付かないだろう。

この先は寂しい老後となる。

そう思えば一抹の同情がなくもない。

本日のコラムでした。

 


8月 8th, 2018 by