春の入学シーズン 学校が推薦する「学生保険」を大解剖


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「この保険、入った方が良いですかね?」

毎年、3月になるとお客様や友人からそう聞かれ、パンフレットを渡されます。

そこには、

〇〇学園 生徒相互扶助補償(商品名は学校によって色々)

の文字。

要はお子さんが新たに入学する中学や高校、大学から紹介される「3年間(もしくは4年間)の補償」で、ここでは便宜的に「学生保険」と言います。

その主な内容は以下の3つで構成されています。

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怪我や病気で「入院」や「通院」をした場合、1日あたり(もしくは1回あたり)、3000円~5000円を受取れる補償

死亡した場合、500万円程度を受け取れる補償など

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生徒が他人や物に危害を加え、賠償責任に問われた時の補償。

自転車で歩行者に激突。1級障害相当の後遺障害が残る。

→ 賠償費 1億3000万円。

学校からの帰り道、仲間とふざけていて、友人の一人が高所より落下。全治3ヶ月の怪我。

→ 治療費、慰謝料 150万円

部活動中に校内の窓ガラスや備品を破損

→ 修理費 30万円

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学費を負担する「親」に万が一のことがあった場合、もしくは病気が原因で収入が途絶えた場合に、「年間〇〇〇万円」という形で学費を支給する補償。

学業費用や育英費用などと言われる。

 

これらがパッケージされているのが、学校推奨の「学生保険」なのですが、それぞれを分解すると以下のような「パーツ」になります。

1 子供の保険(医療保険、死亡保険)

2 個人賠償責任保険

3 親の保険(死亡保険、就労不能保険)

1に関しては、そもそも本当に必要か?という議論があります。

子供が亡くなってお金を貰っても仕方がないでしょうし、入院することを想定するなら、「3年間だけ」の保険より、民間のしっかりした保険に加入した方が良いと思います。

県民共済や都民共済の「子供プラン」などは、毎月1000円程度で入院日額5000円を用意できますから、それで十分な気もします。

2の個人賠償は子を持つ親であれば心配なところですが、これも「親」がこのような保険に加入していれば、「同居の親族」も対象になります。

つまり親の保険の補償範囲に子供も含まれているので、わざわざ「子供単体」で加入する必要はありません。

個人賠償責任保険はクレジットカードの付加サービスで毎月150円くらいで付けられたり、車の保険や、家の保険でもオプションで付けられるので、知らずに入っている方も結構多いです。

3の「親の保険」は、これこそしっかりと親自身が自分で対策するべき項目で、お子様の保障と同じく「3年間限定」で学校に用意してもらう必要はないと感じます。

また、ほとんどの親御さんは既にしっかりした保険に加入しているので、更に上乗せする理由もありません。

そして、これらの保険料はだいたい1+2の補償で、7,8万円程度(3年分の保険料)

3の「親の保険」が入ると、15万円から20万円(同上)と高額になります。

毎月にならせば2000円から5000円程度で、それほど高額なものではありませんが、前述の通り、毎月1000円の「共済」と親の「賠償責任保険」で十分。

従って、このような事情をご説明し、

「別に入らなくても良いんじゃないですか?」

という結末になります。

ですが。。。。

結果的には皆さん入ります。

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よくよく話も聞くと、学校の入学説明会などで、

「何かあったら学校では責任は取れないので、基本的に入って欲しい

と言われるそうで、親も我が子が通う学校で

「自分の子供だけ入っていない」

となると、

「変わった親なんじゃないか?」

と、学校側から思われるのが嫌という心理が働くようです。

いくらでもないし、これから世話になる学校だから黙って言うこと聞いておこう・・・

ということでしょう。

kodomo

保険のセールスで長年苦しんで来た私としては、何と楽なセールスか。と驚きます。

「基本的に入って欲しい」

こんなフレーズで入ってくれるなら商談のたびに言いますよ。本当に。

ちなみに、保険会社の人間に聞くと、このような学生保険は新入生の8割以上が加入するそうです。

一学年200人の学校で、8割が加入すれば160件の契約。

一件 7万円だとしても、その保険料総額は

7万円 × 160件 = 1120万円

もちろん学校が「販売代理店」ですから、手数料も発生します。

おおよそ10%くらいと想定すると、1120万円の10%で112万円の手数料が入ってくるわけです。

そりゃ「基本的には入って欲しい」よね。と・・・・

販売が難しいと言われる保険も「先生」の手にかかれば簡単。

意地悪いながらも、そう思わざるを得ない本日のコラムでした。


3月 13th, 2018 by