法人保険の全額損金事情 2018年


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最近、法人保険の中でも全額損金、いわゆる「全損」の問い合わせが増えています。

やはり景気が良いということなのでしょう。

多くの企業で利益が増え、節税のために

保険料の全額を損金処理できるものを

というご要望が多いのです。

また、保険会社からしても全損商品は売れ筋である上に、

儲かる

商品です。

全損は返戻率のピークが80%から90%程度(年齢、性別による)であるため、確実に10%から20%を保険料として得ることが出来ます。

長引く低金利の影響で、どこの保険会社も溜息しか出ない中、確実な収益を得られる全額損金商品には各社も力を入れており、一昔前には「外資生保」の独壇場だった全損マーケットに、最近では国内大手の保険会社も参入して、熾烈な競争をしています。

あくまで私の感想ですが、これらの商品が出てきたのは2017年の中旬ごろから後半あたりで、2018年は出揃った商品による本格的なシェア争いが発生するのではないかと感じています。

特に3月末は、多くのお客様の会社が決算を迎える上に、保険会社にとっても決算時期であるため、どこの保険会社も2月、3月は販売に力を入れてくるのではないでしょうか。

各社の商品を並べてみると、総じて外資系の商品の方がいまだに返戻率が高いですが、とは言え後発である国内生保の商品も年齢や性別などによっては、それらを上回る場合もあります。

さて、しかし、全額損金には絶対に注意しないといけない3つのポイントがあります。

本ブログでも何度もお話していることではありますが、

「全損保険で節税できる!!」

と安易に飛びつく前に、ご注意頂ければと思います。

注:その前に。。。
「何で、全額損金と1/2損金があるの?」と疑問に思う方はコチラ

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保険料の全額を損金で処理出来るため、これらの保険に加入すると目先の利益を圧縮することが出来ます。結果、法人税の節税対策になり得ますが、解約時には返戻金が

全額雑収入

として計上されます。

これは重々考えておいた方が良いでしょう。

全損商品はだいたい加入10年目で返戻率のピークがくるものが多いですが、例えば年間の保険料が300万円、ピーク時の返戻率が90%とすると、

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となります。

今まで全額損金で処理をしていた、ということは会社からすれば「無くなったお金」ということになります。

そのため、貯まっている簿外の返戻金2700万円は、会社に戻ってきた瞬間、全額雑収入で計上されることになります。

10年分の保険料の9割は結構な大金であり、簡単に処理できるものではありません。

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これらの「一気に戻ってきた大金」は、当然、法人税の課税対象になります。

先ほどの例で言えば、毎年支払ってきた300万円の保険料は、全額損金処理され、毎期の節税効果を生みますが、10年後には2700万円の雑収入に対して、法人税が課されるのです。

しかし、ここで注目するべきは、10年間で「10%」は目減りしていることです。

これは保険会社側の保険料です。

つまり、

・保険会社に10%取られて

・更に課税される

というダブルパンチになる可能性もあるのです。

そうなると、

「毎年、普通に納税しておいた方が得だったね。。。」

ということにもなりかねません。

そもそもが法人保険での節税は、本当の意味での節税ではなく「税の繰り延べ」でしかないのですが、この場合、繰り延べにすらならず、単に「トータルで損した」だけになりかねません。

実は、こういう事例はごまんと発生しています。

保険会社が言わない「都合の悪い事実」です。

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そうなると、やはり「出口」が重要ということになります。

解約した時に、どのように使うのか?ということをある程度は考えておいた方が良いということです。

しかし、これが難しいのです。

企業経営者にとって10年後なんて、

「そんなこと分からんわ!!」

というのが本音。

結局のところ、税金は一度支払ったら戻ってこないが、保険にしておけば、いざという時に返戻金が使えるだろう。というのが、多くの経営者が全額損金の保険を導入する理由ではないかと思います。

私も小規模ながら会社を経営する身なので、「課税を先延ばししたい」という、その気持ちは重々分かります。

しかし、重要なのは、そのために目減りしてしまう

10%から20%程度のコスト

を負担しないとけない。と認識しておいた方が良いでしょう。

また、実際に解約時期を迎えた時には、その解約時期を何度かにずらす(一部解約と言います)などの処置を行うことも出来ます。

例えば

9年目に30%を解約 800万円の返戻金を受け取る

10年目に30%を解約 800万円

11年目に残り40%を解約 1100万円

と、返戻金を数回に分けて受け取ることで、雑収入による急激な増益を緩和することが出来ます。

このような「出口時のオペレーション」は保険屋の腕が試される場面です。

本日は全額損金の「最新事情」と、注意点について解説致しました。

ご興味がある方は是非、みかづきナビにご連絡下さい!!

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1月 31st, 2018 by