生保業界激震!!2019年2月の緊急販売停止!!


「半年かけて取り組んだ法人案件が飛んだよ・・・」

生保業界の友人がため息交じりに言う。

2月中旬。

国税庁が保険会社各社の担当者を集め、法人向けの商品について、今後大きく税制を見直す可能性があることを告げる。

法人向け商品には節税性を謳うものが多く、以前から国税庁が網をかけては、またそれをすり抜けるような商品が販売され、常に「いたちごっこ」の状態だった。

今回、主に槍玉に挙げられているのは「全損商品」というもので、保険料の全額を損金、つまり経費として処理できる。全額損金処理だから「全損」というわけ。

中小企業の節税商品として、ここ数年猛威を振るっていたが、国税庁として

「いい加減にしなさいよ」

ということなのだろう。

以前は国税庁から怒られると

「4月から改定しますので、3月一杯まで販売させて下さい」

と、保険会社と国税の阿吽の呼吸で処理していたが、今回はどうも様子が違う。

激怒り

という表現がぴったりで、あまりの剣幕に「今後どうなるか分からない」という恐怖を感じた保険会社が、恭順の意を示すために、続々と法人向けの商品の販売停止を決めている。

各社の対応は、3つに分かれる。

① 2/20即日停止

② 2月末日まで販売、3/1から販売停止

③ 3月末日まで販売、4/1から販売停止(今までと同じ)

弊社では7社の保険会社を扱っているが、ほとんどが①か②。つまり法人向けの商品は2月末日までで販売停止となった。

冒頭の友人もその騒動に巻き込まれ、決まっていた案件が流れた。

しかし、その中でも2社ほど「うちは3月末まで続けます!!」という会社があり、業界内では「男気あるねー」などと意味の分からない喝采を受けていたが、それも急転直下。

翌日には「やっぱり2月末まで」と態度が急変する。

どのような経緯でそのようなことになったのかは不明だが、

「諸般の事情を鑑みた高度な判断」

とのことで、そうなると前日までの男気は「軽率な判断」ということになる。

結果、弊社でも3月以降、法人向けで販売出来る商品がないという異常事態となっている。

こうなると、我々はお手上げである。

この業界に15年以上いるが、ここまでの混乱は初めて。

何の準備期間もなく「ある日突然販売停止」となれば、現場の人間は困る。

しかし、それが許認可事業の悲しいところで、お上には逆らえないということだ。(正確には国税庁から免許を貰っているわけではないが・・)

そして、何より一番迷惑を被るのはお客様。

3月末に決算を迎える会社は多く、決算対策として生命保険の利用を予定していたところもあるだろう。

まるで「不意打ち」のような仕打ちに「いくら国税と言えど横暴」と憤っている社長さんも少なくない。

とは言え、個人的には今回の件、保険会社にも非があるとも思う。

昨今の節税商品は少々度が過ぎていたことも事実で、それらの商品を案内されても、内心

「こんなもの。どこか保険なんだ?」

と思うものも少なくなかった。

某国内大手が「発明」して、爆発的に広がった「災害型定期」などはその典型で、初め10年間は死亡保障がない。

正確には「災害(事故など)で亡くなった場合だけ」保険金が受け取れ、病死では支払われないのだが、これでもルール上「保険」であるため、保険料の全額が損金処理となり、節税になる。

そして10年後には支払った保険料の80~90%(年齢、性別による)が戻ってきて、10~20%の「減った分」が保険会社の儲け。

ほぼ「保障」がないわりには良い商売である。

「保険会社という看板で経費になる代わりに高い手数料とり、お客さんの金を預かってるだけ。本来、国が取るべき税金を保険会社が奪っているのだから、そのうちガツンとやられるぜ」

ある税理士先生からそう指摘されたが、その通りとなった。

別に良い子ちゃんぶるつもりはないが、実のところ「来るべき時が来たな」とも思う。

しかし、全く問題のない、貯蓄性のない商品まで一緒に販売停止になることは理解出来ない。

節税に関係なく、純粋に保障を必要としている会社も多く、それを提供することが保険会社の存在意義のはず。

国税の強引なやり方にも腹が立つが、コソコソやっていた悪事を怒られ、ビビッた挙句「全商品」売り止めするような保険会社にも呆れるしかない。

保険屋のオヤジが怒ったところで微風すらおきないが、それがほとんどの現場の本音だろう。

本日のコラムでした。


2月 28th, 2019 by