目の前のマシュマロを我慢できるか?「我慢」「忍耐」の教育


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「4歳児はマシュマロを我慢できるのか?」

という有名な実験がある。実際に1960年代のアメリカで行われた。

実験の概要は以下の通り。

・複数の4歳児が小さい部屋に入れられる

・目の前にはマシュマロ

・15分我待つことが来れば「もう一つ」マシュマロを貰える

・途中でベルを鳴せばマシュマロを食べて構わない(しかし、もう一つのマシュマロは貰えない)

このルールを説明され、部屋には子供だけが残される。

ほとんどの子供は「待つこと」を選ぶが、「目の前のマシュマロ」からの誘惑を我慢するために、ある子は自らの目を塞いだり、部屋の隅に立って「対象を見ないよう」にする。

もしくは、机を蹴ったり、自分の髪をいじったりして「他に注意を逸らす」ことに注力する子もいる。

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その結果、15分間待てた子供は約25%。

残りの75%は途中でベルを鳴らしマシュマロを食べたが、その平均待機時間は「2分」

随分と早々のギブアップのように感じるが、子供の2分と大人のそれでは「体感的な長さ」が違うのだろう。

しかし結論としては3/4(75%)は目の前の誘惑に勝てず、1/4(25%)は耐える。ということになる。

この実験から12年後。

実験に参加した子供たちが16歳になった時点で再調査をしたところ、1分以内にベルを鳴らした子供は、他の子供より家庭や学校で問題を抱えている率が高いことが分かった。

逆に15分間待てた子供たちは、30秒程度しか我慢出来ない子供に比べSAT(大学進学適正試験:日本のセンター試験に似ている)のスコアが平均210点も上回っている。

更にこの実験は40年後のつい最近まで続いたのだが、それは「脳の前頭葉がどうこう」という専門的な話になるので、ここでは割愛する。ご興味があれば「マシュマロ実験」で検索頂れば関連記事が出てくる。

なお、15分待てた25%と、そうでない75%のグループに明確なIQの差は認めらなかったそうで、この実験の結果、

将来のSATの点数にはIQよりセルフコントール(忍耐、自制心)の方が重要」

と結論づけられている。

一般論として、世の中の成功には、我慢、忍耐、自制心が必要とされているが、それを裏付ける結果となっている。

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我々の仕事は業績が好調な企業の「節税」を手伝うこともあるため、「成功者」に接する機会も多いが、やはり忍耐強い方が多い。

仕事でも趣味でも、成功するまで諦めない。

が、同時に「我慢しない」部分も持ち合わせる。

何を言っているのか分からないと思うが、ある面では驚くほどの忍耐を見せるものの、別の面では、これまたびっくりするくらい「我慢出来ない」という子供のような一面を見せて、成功者にはこの二面性が同居している場合が多いように感じる。

一言で言えば、

欲しい物は必ず手に入れる(我慢しない)が、そのための努力(我慢、忍耐)は厭わない

ということ。

冒頭のマシュマロの実験で言えば「15分間我慢できる。」ということは、逆の言い方をすれば、

「1個(という結果)では我慢出来ない」

とも言えるので、「結果や目標」には我慢しないが、そこに至る「プロセスの大変さ」には我慢できるということだろう。

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しかし、私を含めた凡人はこれが逆になる。

大した努力(プロセス)をしないので、欲しい物(結果)を我慢と言うか、半ば「諦め」られる。

要はすぐにベルを鳴らしてしまう。

自分でも何とも情けなくなる話だが、世の中の75%がこれに当たる。と言われれば何となくそんな気もするし、子供の平均待機時間の「2分」が、大人の何週間か、何カ月に当たるのか分からないが、25%からすれば「随分と早く諦めるんだな」と感じるだろう。

そんな自戒の念を含め、我が家では「我慢」、「忍耐」の訓練のために、この実験の設定を丸ごとパクり、

「15分待てればおやつが倍」

ということをやっている。(この実験を思い出した時にたまに)

何だか犬の「待て!!」のようで少々かわいそうだし、「あと何分?」と30秒ごとに聞いてくるのは相当に鬱陶しいが、上の娘はヨダレを垂らしながら必死に我慢している。

対して下の息子は全く待てない。

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まだ小さいからというのもあるが、食べたいと思えば躊躇なく食べるし、時には子供の手が届かないテーブルの上にある「大元」のお菓子袋を探し出し、周りの椅子を使って器用にその上に登っては、袋を開けて勝手に食っている。

「コラ!!」

と言っても、本人としては自分の背丈より高い場所へ登りつめたこそが「努力だ!!」とでも言いたいのか、戦利品のお菓子を両手に、

「ウー!!!」

と勝どきを上げる。

親としては頭をはたくしかないが、こいつがマシュマロ実験に参加したら、一瞬でマシュマロを口にし、部屋を出てから裏の倉庫のストックを狙いそうで怖い。

結果にもプロセスにも我慢出来ないのはただの犯罪者だが、学生から若い時代は意外とこの手のタイプがうまく立ち回ったりする。

しかし、歳を重ねるごとにやっぱりダメになるから、同じような気質を持つこいつには厳しく「我慢」を教えなくてはならないと感じている。

そもそもが自分に忍耐力がないのに、我が子にそれを教えること自体に無理があるが、教育なんてそんな「自分は棚上げ」的な面もあるだろうと開き直り、日々「実験」にいそしんでいるのである。

今後どうなっていくのかは、追って報告したい。

本日のコラムでした。


5月 18th, 2018 by