お客様だけじゃなく保険屋にとっても厄介な「痔」のお話


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「痔なんです・・・・」

生命保険に加入し、お体の状況を記入頂く際、恥ずかしそうにそうおっしゃる場面があります。

日本人の3人に1人が

「痔が持病」

らしく、告知でも良く聞くので、こちらとしては何とも思いませんが、当人からすればそれを口にするのは嫌なものでしょう。

職業柄仕方ないとは言え、申し訳ない気持ちになります。

また、痔と言うと一般的には男性のおじさんが苦痛に顔をしかめているイメージですが、実は女性に多い病気です。

私の経験でも重症化するのは女性の方が多い気がします。



これは便秘と出産が大きく関係しているようで、両方ともイキみにより、肛門に高い圧力がかかり、切れ痔やいぼ痔になってしまうようです。

なお、保険に関しては、

「痔で死ぬ」

ことはないので、亡くなった時の保険(死亡保障)や貯蓄の保険(年金保険など)などには一切関係ありませんが、入院や手術の保険(医療保険)には条件がついてしまいます。

これらの条件は「不担保」と言われ、「痔が原因の入院、手術」に関しては加入後一定期間(2年から5年)は支払い対象外となります。

たかが痔で大げさな・・・

と思う方も多いかもしれませんが、痔は悪化すると最終的に手術を行う可能性が高いため、このような条件を了承してもらうことで、他の健康な契約者とのバランスをとっているのです。

但し、保険会社にもよりますが、既に手術をしていれば「完治している」と見なされて条件がつかないことが多く、逆に根本的な手術をせずに薬だけで対処療法をしている時には、ほぼ条件が付きます。

まさか「痔で条件が付く」と思っていないお客様にとってはショックなようで、しかも病気が病気なだけに女性が相手だと意外と神経を使います。



痔には、大きく分けて

・切れ痔(裂肛)

・いぼ痔(痔核)

・あな痔(痔瘻:じろう)

の3種類があります。

「たまに切れる」という程度の軽い切れ痔から、「座るのも辛い」という慢性的なものまで様々ですが、基本的には病院で診察を受けていれば、保険の審査上は「痔」でひとくくりになります。

このように患者数が多い事情から、実際に痔の手術給付金をお支払いする機会も多いですが、切れ痔やいぼ痔に関しては、大半が日帰り手術かごく短期の入院で済みます。

しかし、あな痔(痔瘻)は別格で厄介です。



あな痔は直腸のくぼみにばい菌が入ることでそこに膿が溜まり、その膿が徐々に深くなってトンネルを形成しつつ、体の外まで通じる「痔」です。

それが

「第二の肛門」

のようになってしまい膿が出ることから、外科的な手術でその穴をふさぐのですが、症状が酷くなった時の痛みと不快感は相当なものだそうです。

ごくごく親しい友人が、このあな痔で入院したことがありますが、あな痔の「新ルート」を防ぐために、そこまでお尻をパッカリと切開。(これだけでも痛そう。。。)

穴を縫合し、手術後は切開したおしりが「ずれない」よう、傷が塞がるまで数日うつ伏せ。

腰の痛みとおケツの痛みは想像を絶するようで、本人曰く

「まさに地獄。腰から下が痺れて感覚がなく、まるで他人のケツのよう」

とのことで、話を聞いているだけで、悲鳴を上げてしまいました。



切れ、いぼ、あな。どの痔も、手術をすると劇的に改善するようで、皆さん決まって

「もっと早くに受けておけば良かった」

とおっしゃいます。

とは言え、診察を受けるのも恥ずかしいので、ついつい我慢してしまう人が多いのでしょう。

なお、保険の手術給付金は入院日額の5倍か10倍です。

入院1日あたり1万円のプランであれば、5万円か10万円が受け取れることになります。

悩んでいらっしゃる方は早めの受診をお勧め致します。

まるで肛門科のCMのような本日のコラムでした。



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6月 22nd, 2017 by