お通夜に参加して吐きそうになる保険屋


1回でも死亡保険金を届けて一人前

我々の業界でよく言われることです。

私もこの世界に入って3年目に初めての死亡保険金手続きを行いました。

突然知らない番号から電話が鳴り、出ると

「〇〇の家内です。実は一昨日主人が亡くなりまして、保険の件でご相談したいのですが。。。。」

いつかは来ると覚悟していたとはいえ、その時の私は思いっきり動揺。

「えっ?。。。。〇〇さんが?」

と絶句し、何も言えなくなりました。

奥様からすればさぞ頼りない男に見えたと思います。

それでも何とかその日のうちに書類をお持ちし、翌日のお通夜に参列。

亡くなったのは40代の会社員。小さなお子様が二人。

斎場で何も分からずはしゃぐ幼い兄妹の姿が切なく、参列者の涙を誘っていました。

40代の働き盛り。大手の会社に勤務し、顔も広かったのでお通夜のご焼香は数百人の長蛇の列。

そんな中、私はというと。。。

1人で吐きそうになっていました。

数千万円の死亡保険金の支払は初めてのことで、ちゃんと保険金が支払われるのか心配だったのです。

別に会社が支払わない理由は何もなく、やましいこともありませんでしたが、

「もし、何か告知していない病気があったらどうしよう。。。。」

「保険料の未納がないか。。。。」

などなど、ネガティブなことが頭をよぎり、突然亡くなられたお客様への悲しみと、残されたご家族、特にお子様の顔、それらと根拠のない不安がごちゃ混ぜになり、プレッシャーで「吐きそう」になったのだと思います。

しかし、無論そんな思いは杞憂に終わり、5日後には無事保険金をお支払い。

もの凄くホッとして、全身の力が抜けた記憶があります。



今思えば、あの時の私はプロではありませんでした。

お客様のご不幸に動揺し、何の力にもなれなかった。

保険に入る時は「私に任せて下さい!」などと格好つけてても、いざとなったらこれかよ。。。自分で自分にがっかりしました。

保険金を支払ってはじめて納品

これも我々の業界で語り継がれる言葉です。

そこから10年。残念ながら何人ものお客様が亡くなりました。

経験というのは恐いものです。

回数を重ねれば重ねるほど動揺することもなくなり、残されたご家族からの相談にも冷静に対応できるようになりました。

つい先日も大恩あるお客様が亡くなりました。

偶然にも、10年前に亡くなった方のご友人でした。

10年前のお通夜の席でも「お前大丈夫か?顔真っ青だぞ?」と心配をかけました。

3週間前にお会いした時にはお元気でしたが、ここ1,2週間で一気に病状が進んだようです。

生前親しいと聞いていた方々への連絡、そしてお通夜に参加。保険金も近日中に支払われます。

写真の中で微笑むお客様に

「10年前より随分慣れましたよ。。。これで納品です。お世話になりました。ありがとうございます。」

そう別れを告げ、足早に斎場を後にしました。

いつだってお客様が亡くなるのは悲しい。

それでも我々の仕事は保険金を届けること。

感傷的になることではないのです。

「悲しまなくても良いから、後は宜しく。ちゃんと家族にお金渡してね。」

毎回、お客様からはそう言われている気がします。

ちょっとセンチメンタルな本日のコラムでした。



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9月 13th, 2016 by