お金持ちは長財布のウソ


ネットニュースや雑誌などで

「お金持ちは長財布を使っている」

という主旨の記事を見かける。

その中身は、

「お札の向きをそろえ、なるべくピン札を用意。財布をキレイに整理整頓して、お金が入ってきたい!!と思う財布にする」

「二つ折りの財布はお金に折り目をつけ、窮屈な思いをさせることになるためお金が喜ばない」

と「お金を擬人化」したような話で、説得力があるような、ないような・・・

仕事柄、お金を沢山持っている方にお会いすることが多いが、結論から言えば

「そういうのが好きな人もいれば、全く気にしない人もいる」

という感じ。

と言うより、私の周りでは長財布の方が少ない気がする。



特に若くして資産を築いたような方は合理的な生活スタイルを好むので「マネークリップ」や「名刺入れサイズの小さい財布」などを持ち歩いている場合が多い。

「小額ならスマホの電子マネー、高額なものはクレジットカード。現金を持ち歩く必要はないですからね」

そう言う。

「お金様」からすれば、マネークリップなんて「折り畳まれる」上に「プレス」され、窮屈きわまりないが、その方々の資産は増えこそすれ、減っている気配はない。

もちろん長財布を愛用する方もいる。

著名な風水の先生に「自分の色」を観てもらい、一年に一回、その色の財布に切り替えるという社長さんもいた。

「金色やピンクと言われたらどうするんですか?・・・(ちなみに男性)」

そう聞くと、過去に一度「銀」があったそうで、その時は1年間なるべく財布を出さずに生活していたそうだ。

何やら本末転倒な気もするが、

「お陰様で金運は絶好調」

とのこと。

ご本人がそう言うのだから、それで良い。

要は信じる心次第ということで、マネークリップにせよ、長財布にせよ「自分がこうだ」と思った物を使い続ける。

その姿勢を貫ける「思い」こそ成功の秘訣で、決して「長財布を持っていたから」成功できるわけではないだろう。



なお、「長財布でないと困る」という人たちがいる。

それは、夜のクラブ活動をする人たち。

もちろんカードも使えるが、お店としては現金が嬉しい。

水商売のカード手数料は尋常でなく高いし、その手数料が「店持ち」のところもあれば「客持ち」のところもある。

だいたいは客持ちだが、常連さんになると店持ちになるとか、そのあたりのルールは曖昧。

しかし、双方にとって無駄なコストであることは確実。

また、大きな声では言えないが、現金なら売上に計上せずに税金をうやむやに出来るという店側の「メリット」もあり、ある方によれば

「現金で払うから、5人で〇〇万円でやってくれと言えば通るよ」

とのこと。

店、客両者にとって現金が一番良いと言う「お金の電子化」を推し進める今の日本では稀有な業界となっている。

もちろん支払いは1万、2万では済まず、数十万円に及ぶことから、それだけの現金を持ち歩かないといけない。その額をマネークリップや2つ折りの財布というわけにもいかないので、必然的に「長財布」ということになるのだろう。

ちなみに、このような方はクラブだけでなく飲食店などでも現金払いをされる。

お店にとっても余計なカード手数料を支払わないため現金が嬉しい、ということを知っていて、あえてそうしているのである。

「俺は客だ」と威張るのではなく、支払いにまで店の都合を考え心遣いをする。

それも成功の要因なのだろう。

つまるところ、長財布だけを真似したところで、中身がなければ仕方ない。

人としての中身が増えれば、財布がなんであれ、そちらの中身も増えるのだろう。

本日のコラムでした。



 

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3月 4th, 2019 by