もし北朝鮮のミサイルが飛んできたら保険は役に立つか?


トランプ大統領の強権的な手腕により、にわかに朝鮮半島の情勢が緊迫を増しています。

色々な報道を見るに、もし米国が先制攻撃を加えることになれば、韓国、日本も反撃を受ける可能性が高く、最悪のケースでは核弾頭を搭載したミサイルが都市部を狙うようなことまで言われています。

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考えたくもないことですが、もしこのような事態が発生し、多くの死者と、多くの建物の損壊が発生した場合、保険はどのように役に立つのでしょうか?

ポイントは戦争免責です。

ほとんどの保険会社は戦争による被害に関しては支払いに応じない可能性がある、としています。

これは、予想を上回る被害が出て、保険会社の存続も危ぶまれるような時を想定したもので、戦争以外にも地震、つなみ、噴火が免責項目として列挙しています。

実は過去にも、大きなテロや災害が起こる度にこの議論が出てきますが、結果としては、今までに免責になったことはありません。

一番有名なのは9・11のアメリカ同時多発テロで、この際には莫大な保険金を巡って一部の損害保険会社が支払うを拒むのでは?と言われました。

また国内でも阪神淡路の震災の際に、同じく損害保険会社が自然災害免責を検討したようです。

しかし、どちらも結局は支払いに応じました。

やはり保険会社の同義的責任、そして何より世論が許さない、という部分が大きいでしょう。

なお、記憶に新しい東日本大震災でも、

・死者 16894人

・行方不明者 2562人

・全壊 13万棟、半壊 27万棟

と、その被害は甚大でしたが、これに対し

生命保険の支払総額 1599億円

損害保険の支払総額 1兆2241億円

という保険金を支払っています。



つまり北朝鮮との戦争状態になり、何らかしらの被害が出ても、同じ程度の金額であれば支払いには耐えられるとも言えます。

しかし、どこまで信憑性があるのかは分かりませんが、様々なネットの情報を見ると、もし都市部に核弾頭が落ちれば

・死者は50万~100万人

・建物の被害は半径15km程度まで及ぶ

と、恐ろしい状況になります。

ここまでの被害が出てしまえば、正直なところどうなるは分かりません。

生命保険は加入していない人もいるので、全平均500万円(1人あたり)だとしても100万人が亡くなれば5兆円です。

業界で最も大きい日本生命の総資産が70兆円、半分官営のようなかんぽ生命が84兆円、その他、中堅どころの保険会社はどこも数兆から数十兆円の総資産を保有していますので、5兆円なら業界全体で払えないこともない気がします。(まあ、そこまで簡単な話ではないですけど)



問題は損害保険です。

9・11、阪神淡路、東日本大震災、常に生保の支払額より損保の支払額の方が数倍大きくなっていて、悲しいかな人の命よりも建物の方が高価ということなのでしょう。

あくまで「タラレバ」の話ですが、生保で5兆円であれば損保は30兆円を超えるでしょう。

そうなるとほとんど損保が支払いに耐えられず、戦争免責が宣言されるかもしれません。

少々暗くなる話でしたが、このような話が100%ない、とは言い切れないが今の現実。

不倫や下らない口喧嘩ばかりしていないで、今こそ政治家の皆さんに頑張って欲しいと切に願います。

abenomikusu



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4月 26th, 2017 by