ママと経営者に共通する「逃げない者」の覚悟


kodomo

「ママなんて何もやってないでしょ!!」

ある休日、朝から妻と娘が険悪なムードを醸し出している。

事情を聞くと、昨晩、妻が何かのことで注意したところ、娘からそう言われたらしい。

日頃から送り迎え、食事、お風呂、洗濯、勉強と、飼育係としてお世話をしている彼女からすると、とてもショックだったらしく、それが原因で何かと娘に冷たく当たっているようだ。

イライラする気持ちは分からなくもないが、とは言え少々大人気ない気もする。

「でもさぁ~」と気の効いたことでも言おうとしたが、

「あなただって、いつも批判しかしないし」

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と、灼熱の矛先がこちらにも来る雰囲気を感じ、早々に子供二人を連れて外に緊急避難をした。

下の1歳の息子を抱えながら、

「怖ぇ~、怖ぇ~」

と、父と娘がおどけながら忍び足で家を出る姿を見て、余計に腹が立ったのか、玄関を出た瞬間、ちょうど掃除をしていた妻の持つダイソンが、「ウォー!!」とまるで恐竜の咆哮のような音を立てていた。

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「ママ、プリプリしてるよね!!」

外に出ると、娘がそう言ってきたので、「貴様が余計なことを言うからだ」という本心を押し殺し、

「ウンコでも出ないんじゃない?」

と返すと、娘は大爆笑。4歳児はウンコネタで狂うほど笑う。

その後、3人で

・2つの公園をはしご

・コメダ珈琲でミックスサンドと名物「シロノワール」を堪能

・締めの公園

の4時間のフルマラソンを完走してきた。

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そんな休日の翌月曜日。会社に出社すると心底ホッとする。

何故ならば。。。。

仕事の方が100倍楽だからだ!!

子供たちは気ままで、言う事を聞かない。

ご飯をこぼし、走ってこけて、そして泣き、わめく。

偉そうなことを言うわりに、自分のことはほぼ何も出来ない。

もちろん、我が子は可愛いが

「週1,2度、数時間程度が丁度ええ。」

という塩梅で、それすらも疲れ切って

「やっぱ仕事は良いなぁ~、誰も泣かないし」

と本心で思うのだから、四六時中一緒にいるママも大変だろう。

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そもそもが母親は「面倒を見る」のと同時に「怒る」のが仕事のようなところがある。

子供は何をしていても、特に遊びやテレビなど、本人が楽しんでいる時には「次の行動」の移させるトリガーが「怒る」ことしかない。

「早くしなさい!!」

「もうダメ!!」

「いい加減にしなさい!!」

母親はこのような「嫌われ役」を演じ、我が子の壁となり鍛えていくのだが、体当たりされれば壁も壁なりにキツイ。

怒られて腹を立てた子供から冒頭の発言のような、内角をえぐるボールが来ることもあり、ついイラッとするのだろう。

後日、落ち着いた妻から話を聞くと、要約すれば、

「大変過ぎて、心の余裕がなくなる」

ということらしい。

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議論は少々飛躍するが、話を聞いていて「経営者に似ているな」と感じた。

職業柄、多くの中小企業の経営者とお会いし、「たまに来る保険屋」という気軽な立場から、従業員には言えない愚痴を聞く機会が多いが、いわく、

「承認」と「却下」全ての決断と責任が自分にある。

下は勝手なことしか言わないし、言ったことしかやらない。いや、言ったことすらやらない。

日々のプレッシャーや苦労を誰も理解してくれない。

そして、

「経営者は孤独」

と皆が口を揃えて言う。

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どうだろう?世のママさんが言うことに似てはいまいか?

結局、最後は自分しかいないという「逃げ場のない者の苦悩」は本人にしか分からない。

多くの中小企業で経営者が死ねば社員は路頭に迷うのと同様に、家族においても母親がいなければ、子供は生きていけない。

我が家も妻がいなくなれば、確実に3日で破綻するが、逆に私がいなくても問題ないし、たとえ死んでもゲップが出るほど保険に入っているから、「シロノワール25万個分」くらいのお金が入ってきて、逆に家族は幸せだろう。

コメダ珈琲のシロノワールが一個いくらで、25万個分がいくらになるのかは後で調べて欲しいが、つまりは経営者と同様、「ママも孤独」ということだ。

そして「逃げない」と覚悟を決めた人は強い。だから、どこの社長もお母さんも怖いのである。

ちなみに、我が家のピリピリムードは「4時間の外遊」が良かったのか、夕方には解消された。

やはり、何事も「一旦距離をおく」というのが有効だ。

フッ流石、俺。と言わざるを得ない。

良い話をしたと見せかけて、結局「子育てに協力的な私」をアピールしただけだった本日のコラムでした。



 

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11月 28th, 2017 by