台風被害で保険を請求する際の3つの注意点


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「結構、凄いですね。」

先週末に日本列島に大きな被害を与えた台風24号。

多くのエリアで停電を引き起こし、都心でも史上初の「JR計画運休」が実施され、夜の8時すぎには在来線全てがストップするという事態になりました。

一夜明けて損害保険会社の社員に今回の台風の被害に関して聞いたところ、冒頭の言葉が返ってきました。

台風の被害で最も多いのは、

・カーポートの破損

・屋根、窓ガラス、壁面の破損

・近隣の河川の氾濫による浸水

などですが、既に保険会社に多くの問い合わせや請求が殺到しているそうです。

さて、今回の台風の被害額がいくらになるかは、しばらく経ってからでないと分かりませんが、過去の被害に関しては以下のような表があります。

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単体の台風の被害としては、1991年の19号が別格で、特に東北地域に大きな被害をもたらしたことから「りんご台風」の通称で知られていますが、たった一つの台風で支払いが5680億円にものぼっていることから、その規模の大きさが分かります。

この時、ちょうど私も高校生でしたが、私の実家一帯も浸水し、最寄りの駅から膝上あたりまで水につかりながら帰った記憶があります。

そして、我々の保険業界で最も有名なのは「2004年の連続台風」

上記の表をご覧頂いても支払保険金の「2位」、「6位」、「9位」が2004年のもので、この年には8月、9月、10月と毎月のように大型の台風が上陸しています。

今年もこの2004年との類似点が指摘されており、実際、24号が去ったかと思えば、次に25号が控えていて、この週末にも九州に接近するのでは?と心配されています。

10月に入ってもまだまだ油断できません。

なお、もし台風の被害にあった場合、一般的には家の火災保険が役に立ちますが、その請求に関しては以下の3点にお気をつけください。



1 まず現場の写真を撮る

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被害を受けた際、すぐに「どうにかしないと。」と思って周辺を片付けられる方がいます。

そのお気持ちは重々分かりますが、出来ればその前に「そのままの姿」を写真に撮っておく方が良いです。

被害の状況を伝えるにには文章や口頭より、画像が最も説得力を持つからです。

この際、「近距離」、「遠距離」もしくは「角度を変えて」、また「大きさが分かるように」撮っておくと、後々状況の説明が楽です。



2 早めに請求する

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保険の手続きは色々と面倒なので、なんとなく請求を先延ばしにしてしまう方がいますが、保険請求の期限は「3年」と決まっています。

人によっては、そのまま忘れてしまってこの期限を越えてしまう場合もありますので、もし被害に合われたのであれば、なるべく早く請求した方が良いでしょう。

また、時間が経過すればするほど、保険会社としても

「台風によるものなのか」

「経年劣化によるものなのか」

の判断が難しくなるので、この点からも迅速な手続きが重要になります。



3 「最低限度」に注意する 

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台風の被害のことを「風災」と言いますが、古い火災保険では風災に関して

「最低限度額」

が決まっていることがあります。

「20万円以上」というのが一般的ですが、つまりは

「被害が20万円を越えていないと請求出来ない」

というルールなので、支払い金額から一定の金額が引かれる「免責」とも違い、そもそもその金額に達しない被害は補償しない。というものです。

例えば台風によって、周りから飛んできたモノで壁面が傷付いた。

業者に調査を依頼して、

A社 19万円

B社 21万円

という見積もりが来たとします。

A社としては「良かれ」と思って値段を下げてくれたのですが、この場合、A社の見積書を添付して請求すると、

「20万円を超えていない」

という理由で保険金は支払われません。

対して、B社の21万円であればそのまま通ります。

何とも不合理な話なのですが、保険の現場では実際にある話です。

また、最近ではこのような事情に精通した悪徳業者が「わざと」20万円を超える見積りを作成して、「保険でタダで直せます」というようなことを言ってくる場合があります。

しかし、蓋をあけてみると作業も雑で、2,3万円程度の内容の工事でしかないことが多いようです。

なお、このような「悪い」工事業者は保険会社側でもリストアップしていますので、提出書類の中にこれらの会社の存在を知ると、請求自体に疑惑の目を向けます。

契約者からすれば、実際に被害は受けているのに、工事は雑だし、保険会社からは疑われるしで、踏んだり蹴ったりということにもなりかねません。

このような場合、良質な業者を見つけて「20万円以上」ということを念頭におきつつ、「盛り過ぎない程度」の正当な価格を出してもらうことが重要で、このあたりは多少のテクニックも必要です。

本日は台風被害における火災保険請求についてのお話でした。


 

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10月 2nd, 2018 by