営業マン3月締めの「お願い営業」。時を経て感じること・・・・


毎年3月末はどこの会社でも数字の締めとなり、その年の目標をクリア出来るか出来ないか、ギリギリの状況に追い込まれる。

以前いた保険会社も例外でなく、3月末になるとマネージャーの目が血走り、

「あと〇日だぞ!!」

と営業マンに発破をかける。

「3月締めの前ですから、もしお願いできるなら・・・」

今までの営業人生で何度このようなセリフを言ったことか。

もちろん「嫌だ」と言っている人にお願いするわけではなく、何となく先延ばしになっていた商談や、イマイチ決めて頂けないお客様に「3月末」を言い訳として頭を下げるのである。

お客様も、その方が営業マンやマネージャー、もしくは経営者であったりすると、

「加藤君も大変だな。よし!!分かった」

とご快諾頂けることが多かった。



そんなこんなで多くの方にご迷惑をかけ、そしてそのご厚意に甘えてきたのだが、そんな私も独立して4年。

一応は社長をやっているので、最近は「お願いされる」ことが多い。

なお、弊社自体は6月締めだし、個人商店のような会社なので、別に毎年増収増益を狙っているわけでもない。

そのため期末のプレッシャーとは無縁で3月も平常運転なのだか、お付き合いのある会社は3月締めが多く、例えば自社で扱っている保険会社の担当から、

「3月末までに〇〇万円だけどうにかならないでしょうか?」

とか。

その他にも仕事で絡んでいる様々な業種の方々から多種多様な依頼が来る。

自身もそんな生活を10年以上やっていたので、その気持ちは痛いほど分かる。

また、この手のものには、

「期末の数字合わせなので、半年だけお付き合いで」

と言うような一時凌ぎ的なものも多い。

要は企業が数字を「お化粧」するためだけのもので、そこには何の生産性もない。

大の大人が集まって一体何をやっているのか?と首を捻りたくなるし、この手の悪しき見栄はそろそろ止めた方が良いのではないかと思うが、しかし、現場の人間としては、上から言われた以上やるしかない。

末端の若い営業マンや担当者は大変だ。



自分もしてもらったのに、自分はやらない。それでは人間のクズになってしまう。

だからこそそれらの「お願い」には極力応えるようにしているのだが、保険会社から「3月末までに〇〇万円」と言われれば、それは単純に「販売してくれ」ということだから、結局は私がお客様のところに行って提案をし「お願い」することになる。

または、ある金融機関から3月末の予算の積み上げが足りないので、預金を増やしてくれないか?と言われれば、別の金融機関の数字を移すしかなく、今度はそちらの担当に「この時期に申し訳ないが、資金を移したい」と頭を下げる。

要は「お願い」はループするのである。

いざ自分が「お願いされる」立場に立つと、

「昔、俺の『お願い』を聞いてくれたお客様や社長さんたちも、裏では誰かに頭を下げてくれていたんだなぁ・・・」

と感慨深くなる。

親になって初めて分かる。という言葉があるが、まさにその心境で、今更ながら当時お世話になった方々に心の中で手を合わせている。(皆さん生きてるけど)

本日のコラムでした。



 

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3月 15th, 2019 by