実家の母が引っかかったプチ詐欺にご用心 その2


さて、前回(リンクはコチラ)はプチ詐欺の手口と、それに対する専門家の意見をお伝えしました。

しかし、グレーではあるが違法ではない商売。そして母が契約書にサインしていることも事実。

恐らく相手もこのあたりのことは重々承知しているはずです。

消費者庁からは「書面で」と言われましたが、今回はあえて電話してみました。

どんなヤツがこんなことやっているのか単純に興味があった

それと、ブログの良いネタになるな(笑)と思いまして。

名刺の電話番号に電話すると、携帯に転送され相手が出ました。

「はい、後藤(仮名)です。」

思ったよりも非常に物腰の柔らかいおじさん。という印象です。

冒頭からこちらがあまり熱くなっても良くないので、つとめて冷静に

母の契約を解除したい

と申し出ました。

しかし、

契約は契約。クーリングオフ期間も終了し、調査も完了しているので代金は請求する。

とのこと。言い方はソフト。

そんなに簡単に引き下がるとは思っていませんでしたが、あまりに堂々としているので、恐らく同じようなクレームがしょっちゅうあるのでしょう。

そこで、各専門家から聞いた話をぶつけてみました。

・ネットの書き込みをみても「詐欺だ」というものが多く、信用できるとは言いがたい

・本人は「土地が売れる」と聞いて契約している。消費者契約法に抵触している可能性

・御社を調べたところ建設業も宅建も免許がなく、土地を売る気があるとは思えない

・以上の理由から、成果物の受取を拒否し、当然支払いも拒否する

ここまで調べられていると流石に相手も不気味に思ったようで、

上司に相談してかけ直します。

と返してきました。

そして10分後「では今回はなかったことに」と連絡が来て終了。

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全ての交渉を文章にしてしまうと、私も脅したりすかしたり。言葉も汚く、お下品な内容になってしまうので要点だけまとめましたが、なかなかエキサイティングな交渉でした(笑)

しかし、今回は本当に良い勉強をしました。



私が学んだことは以下の3つです。

・ネットだけでも相手の情報は十分取れる。まずは何者か調べる。1cae83868811c002e5b6e6e235f302b4_s

社名検索だけだと人材紹介サイトの「この会社の人材募集」などの無駄なサイトが多く出てきて、目的の情報まで辿りつきません。

恐らくこれは、色々なサイトに偽登録をして、自社の悪評の検索順位を下げる工作でしょう。

「社名 詐欺」、「社名 被害」などで検索するとダイレクトに出て来やすいです。

また、法人の登記簿はネット上の「登記情報提供サービス」で簡単に取れます。

監督官庁のサイトでもその会社がどのような資格を持っているかも検索できます。(今回は国土交通省)



・専門家の意見を聞く

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頭に血が上ると「許せない!!」と感情的ロジックで相手と交渉しようと思いますが、それはあちらの思う壺です。

まずは専門家の意見を聞くことが大事です。

私はたまたま知り合いに弁護士がいましたが、国が運営している法テラスであれば無料で法律相談が可能です。

また消費者庁の方も大変親身に相談に乗ってくれました。

そして、消費者庁の職員が直接業者に連絡することも出来るというのは初めて知りました。(但し、本人から書面での意思表示のあと)




・(反省を含め)親ともっとコミュニケーションを取る

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今回のそもそものきっかけは母親が怪しい業者を家に招き入れたことが発端です。

そういう意味では自業自得でもあるのですが、わりとしっかりしている母が、あまりにあっさりと騙されたことに少々驚きました。

「何でこんなものに印鑑押す前に連絡しなんだよ!!」

と怒りましたが、親の方も「子供も忙しいだろう」と気づかって余計な話はしてこないものです。

被害金額が小さいプチ詐欺は「わざわざ相談するほどのものでもない」と思うようです。

しかし、親も歳を取り騙されやすくなっています。そして手口もどんどん巧妙になっているのです。

被害を防ぐには、サインや押印をする前に「ちょっと子供に相談出来る」関係作りも重要なんだと感じました。

電話がかかってきても、

何?今、忙しいんだよ!

はいはい、また後でかけるよ!

こんな反応では、「ちょっと相談」は出来ませんね。

これを反省して、最近、私は8日間隔で実家に電話するようにしています。

何故8日か?

それはクーリングオフの期限が8日だからです。

「また変なもの買ってないだろうな?羽毛布団とか」

「買ってないわよ!!うるさいわね!!ところで、親戚の〇〇ちゃんの子供がね」

と全く関係のない話を始める母。

「その話はそのうち聞く。じゃあ、ガチャ」

こんな程度の会話でも詐欺被害防止の第一歩なのです。

皆様もお気をつけ下さい!!



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8月 18th, 2016 by