寄付金と節税


みかづきナビです。

この仕事をしていると、社長様と税金についての話になることが多いです。

たまに

「こんなに税金払うなら、どこかに寄付したいくらいだよ」

とおっしゃる経営者がいます。

実際、母校の大学や部活動などに積極的に寄付をして支援されておられる方もいますが、今日はその寄付金と税金についてお話です。

寄付金はあくまで「寄付」するわけで、法人としての資産は残らず、また「何か良いことをしている」ような感じもするので、経理処理的には損金に認められる。

と勘違いされていらっしゃる方も多いのですが、実は寄付金。原則的には損金になりません。(法人の場合)



損金になるかどうかは「(寄付をうける)相手」によります。これは下記の3つに分かれています。

1 国や地方公共団体

これは文句なく全額損金になります。税金払うのと一緒ですからね。

2 特定公益増進法人等(公共法人、公益法人。日本赤十字や大学、高校など)

これらの団体も公共性が高いので一部損金になりますが、全額ではなく、下記のような計算式があります。

((期末資本金等の額×3.75/1000)+(所得の金額×6.25/1000))×1/2

例えば、資本金500万円、所得が1億の会社であれば約32万円です。それほど大きな金額は認められていません。

3 上記以外(但し、子会社や法人の関係者は除く)

こちらは更にシビアな計算式(下記参照)があり、上記と同じ条件の法人の場合、約6万円までが損金として認められます。本当に少ない金額ですね。

((期末資本金等の額×2.5/1000)+(所得の金額×2.5/1000))×1/4



少々小難しい話になりますが、寄付金については、税法で以下のように定義されています。

法人で定める「寄付金の額」とは、寄付金、拠出金、見舞金その他いずれかの名義を問わず次の価額をいう。ただし、広告宣伝費、見本品費、交際費、接待費及び福利厚生費を除く。

法人が金銭その他資産の贈与、経済的な利益の無償の供与をした場合

その金銭の額、資産の贈与時の時価、経済的な利益の供与時の時価とする

要は「寄付でも見舞金でも、名目は何でも良いけど、法人から無償で支払ったお金(またはモノ)を寄付金と言いますよ。でも広告宣伝費とか、交際費などは寄付金には含みませんから、そっちはそっちのルールで処理しなさいよ」ということです。

なんでもかんでも「寄付金」としてしまうと中身が分かりにくいので、まず「寄付金とはこういうものを指します」と厳しく定義して、更に寄付する先によって計算方法まで細かく分類しています。

国としても、本来は国が税金として徴収するお金を、法人の考えで他に分け与えられてしまうと「富の再分配」の原則が崩れてしまいます。

ということで、残念ながら意外と節税にはなりにくいんですね。



 

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6月 19th, 2014 by