真の豊かな老後とは?宮古島の漁師から学んだライフプラン哲学


随分前の話ですが、宮古島の漁師さんと商談をしたことがあります。

ある知人の紹介で、たった一度しかお会いしてませんが私はこの方から多くのことを学びました。

本日はそんなお話です。

お名前はトシさん(仮名)。宮古島では〇〇兄貴、という意味でトシアザ(アザが兄貴を意味する)と呼ばれ、慕われている方です。

ダイビングショップを経営しつつ、冬は尖閣諸島まで行って、大型のサメを捕獲する漁師さんで、宮古島では知らない人はいない有名人だそうです。

真っ青な海の高台に建つご自宅兼ダイビングショップに友人とお伺いすると、奥から歳のころは50歳中盤のTシャツ、短パンのおじさんが「やあ!!」出てきて、それがトシアザでした。

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見た目は沖縄の優しいオジサンですが、しかし一目で「ただものではない」というのが分かります。

長年海でサメと戦ってきた凄みというか、目が違うんですね。

東京でやり手の社長に何人も会ってきましたが、そういう方々とも違う独特なオーラを感じました。

「こちら私の友人の加藤さんです。」

簡単に紹介され、まず酒です。

ちなみに私の偏見かもしれませんが、宮古島ではいきなり本題には入れません。まず酒です。

この時も昼の3時から泡盛で乾杯。

1時間くらい経過してから、ようやく知人が話を振ってくれます。

「トシアザ。この加藤さんは保険の仕事をしている。もし良かったら話を聞いてあげて下さい。」

「へー、そうなの。どんな保険なの?」

本題に入ったので、

「はい。トシさんに万が一のことがあった場合のご家族を守るための保険。それと老後のための貯蓄の保険などを扱っています。」

と、宮古島の開放感、そして酒も入り、饒舌に説明をしました。

一通り話を聞いてくれてから、トシさんはこう言いました。

「保険は何か入ってると思うけどねー、でも俺が死んでも、この島の仲間と海が子供を育ててくれるから心配してないさー

更に老後についても

「元気なうちは船に。船に乗れなくなったら釣りで自分の食べるものくらい何とかなるさー」

とのこと。

結局のところあっさり断られたのですが、ただの断り文句でもなく、本気でそう言っている感じがしました。



保険とファイナンシャルプランニングのプロとしては

「いやいや、そうは言っても今は「死ねない時代」です。長患いになる可能性もあり、老後の備えは必要」

「お子様が大学に進学していたら、学費はどうするのか?」

など、言うべきことは色々あるはずなのですが、ヒロさんの話には妙に説得力があって、それ以上保険の話をすることはやめました。

そこからは深夜まで酒盛。

この経験は私に一つの示唆を与えてくれました。

何故、あの時、自分は何も言わなかったのか?トシさんのオーラにのまれた、南の島の空気がそうさせた。色々理由はあるのでしょうが、最も重要なのは、トシさんの言うことに「覚悟」を感じたからだと思います。

自分はこうやって生きていく

もし想定外のことがあっても人のせいにはしない

覚悟が決まっている人には何も言うことはないのだと感じました。



反面、都会に暮らす我々は何故こんな不安なのか?

会社勤めが満了すればお金は貰えない。歳をとれば再就職も難しい。だから今のうちにお金を貯めておこう。

それはその通りですが、私自身も含め、ほとんどの人が過剰に心配症であることは否めません。

何故ならば我々が住む街には糧を得るための海はないし、もし海があっても魚を捕るための技術がないからです。

要はマーケット(海)とスキル(漁の技術)がないのです。

そしてトシさんの覚悟もその2つを礎としています。だから説得力がある。

「会社のお膳立てがなくなり、歳をとった自分なんて何も出来ない」

私たちはそれを頭のどこかで認識しているからこそ、将来が、老後が心配なのかもしれません。

だったら、海のようにいつまでも枯れないマーケットを探し、そこで生きていけるスキルを身につければ良い。

病人がいる限り働ける医師、トラブルがある限り依頼がある弁護士、納税義務がある限り必要とされる税理士。彼らは都会の漁師と言えます。

老後のためにお金を貯めることも重要ですが、歳をとっても糧を得られるマーケットとスキル、それを磨くことが本当の意味でのライフプランニングなのかもしれません。

宮古島の漁師から私が学んだことです。



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8月 31st, 2016 by