返戻率58%?!もはや来るところまで来た・・ふるさと納税2018


皆さん、今年のふるさと納税はお済ですか?

元々は自身の出身地や、好きな地方を「応援したい!!」という主旨で始まったふるさと納税ですが、ここ数年は自治体同士の壮絶な「返礼品競争」が発生しております。

ついに、事態を重く見た総務省が各自治体に

1 返礼品は基本的に地場の物に

2 返礼品の金額は寄付金の30%以下くらいに抑える

という指針を出すことに。

しかし、どこの世界にも「跳ねっ返り」はいるもの。

総務省の「指針」に対して、「従う気がない」と回答した12の自治体が真っ向から対決する姿勢です。

何と総務省。その自治体を実名で公表しました。

・茨城県境町
・岐阜県関市
・静岡県小山町
・滋賀県近江八幡市
・大阪府泉佐野市
・福岡県宗像市
・福岡県上毛町
・佐賀県唐津市
・佐賀県嬉野市
・佐賀県基山町
・佐賀県みやき町
・大分県佐伯市

以上、12の自治体。

12のうち7つを九州勢が占め、中央政府に与しない気骨を見せております。


さて、この12の自治体を「寄付金ランキング」で並べかえると以下のようになります。(上位5まで)

1位 大阪府泉佐野市(135億円)
2位 佐賀県みやき町(72億円)
3位 佐賀県唐津市(43億円)
4位 静岡県小山町(27億円)
5位 佐賀県嬉野市(26億円)

1位はダントツ大阪府泉佐野市。

場所はこんなところ。

大阪の南部。関空があるあたりですね。

市役所のサイトを見ると、名物は全国シェアの半数を握る「泉州タオル」や、海に面していることから、シャコや穴子、タコなどの海鮮物です。

それを反映して、ふるさと納税サイトの泉佐野市には「泉州タオル」や「海鮮焼セット(海鮮缶焼5種セット)」などがランナップされています。

泉州タオルはもちろん泉佐野市産。しかし、海鮮焼セットの説明文を読むと・・・

ずわいがに(ロシア産) 約170g×2肩 ・赤えび(アルゼンチン産) 約25g×3尾 ・蝦夷あわび(韓国産) 約70g×3個 ・さざえ(日本海産) 約70g×3個 ・かき(広島産) 約1kg(15~20粒)  匠の目利きが厳選してお贈りする各地の絶品。

泉佐野市産が一つもない・・・・
それどころか、半数以上が外国産・・・・

他の返礼品を見ても、肉やイクラ、しまいにはコーラやビール、洗剤など、泉佐野市と全く関係のない物ばかり。

一部では「ふるさと納税界のスーパーマーケット」と言われているとか、いないとか。

そして、私が一番笑ってしまったのはこれ。

佐野餃子と濃縮佐野ラーメンセット 寄付金額 5,000円

佐野餃子、佐野ラーメン

へー、泉佐野市にもご当地ラーメンがあるんだ。

そう思ったのも束の間。

この佐野は「栃木の佐野」

あの有名な佐野ラーメン

もちろん泉佐野市とは何の関係もなく、ただ「佐野」が被っているだけ。

悪ふざけが過ぎるぞ!!泉佐野市!!



しかし、1位 泉佐野市を追う2位 佐賀県みやき町はさらに凄まじいのです。

今年の目玉がこれ

HIS ギフトカード 寄付金の50%(+Amazonギフトコード 8%)

10万円から200万円まで寄付が可能で、何とその「半額」がHISギフトカードとして貰える。

更にAmazonポイント8%のコードが発行されるというもの。

実に寄付金額の58%が戻ってくる計算。

なお、HISギフトカードは、金券ショップで90%から95%程度で買い取ってくれるので、旅行に行かない方は現金化も可能です。

ふるさと納税が始まってから、毎年どんな商品があるのかチェックしてますが、何と言うか・・・

来るところまで来たな

という感じ。

もうこれは「住民税の還付」でしかありません。

でも自治体からすれば、6割、7割キックバックしても、寄付金を集めれば集めるだけ儲かりますからね。

一度、味を覚えてしまうと麻薬のようなもの。

国が「ダメだ!!」と言っても、言うこと聞かないでしょう。

ちなみに昨年(2017年)のふるさと納税の総額は3,653億円。

そのうち4割が「返礼品」に消費されていると仮定すると、約1,500億円が実質的に「税収減」になっている計算です。

そのお金で地方の地場産業が盛り上がるならまだしも、旅行チケットにAmazonポイント・・・

だったら税金下げろよ!!

そう思わずにはいられない年の瀬でした。


 

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12月 20th, 2018 by