騙されてはいけない!!「ドルコスト平均法」の本当


金融商品を購入する時、セールス文句の一つとして

ドルコスト平均法

という言葉を聞くことがあります。

ご存知の方も多いかと思いますが、ここで改めて解説しておきましょう。

例えば、

毎年「〇月〇日」に米国ドルを1,000ドル買う

と決めて、10年間投資をします。

下記がその結果です。
(あくまでサンプル。実際の為替相場とは関係ない。また、ここでは為替手数料も考慮しない。)

6年目の1ドル120円を最高値、9年目の80円を最低値とした「波」があることが分かります。

10年間の平均取得単価は104.2円。

この単価で1万ドル(1,000ドル×10年分)を保有しているので、総支払金額は1,042,000円です。

この1万ドルを10年目に売却すれば、その時の相場は1ドル110円なので、

1万ドル × 110円 = 1,100,000円

を得ることが出来ます。

104万円を投資して、110万円のリターン。

約6万円の「儲け」です。

このようにタイミングをずらして同じ商品に投資することで、投資先の資産の価格を

「平準化(平均化)」

し、その平均値を上回った時に売却して利益を得る投資方法。

それがドルコスト平均法です。

非常に簡単な方法で、何となく説得力があるので、

「素人でも勝てる方法」

と、保険、証券などの分野でこの投資方法を勧められることが多いですが、これは本当なのでしょうか?

先日、知人に付き合って、ある投資セミナーに参加してきました。

会場には50代、60代の方が大勢いらっしゃっていて、その講演内容は主に「ドルコスト平均法」について。

投資信託AからCまでの価格の推移を表したグラフを見て、

「ドルコスト平均法でこれらの投資信託を買った場合、どれが一番儲かるか?損をするのはどれか?」

というクイズ形式で、周りは「ああでもない、こうでもない」と盛り上がっていました。

ちなみに、最も儲かるのはA(青い線)で、最も儲からないのはC(灰色の線)

この中には、

損をする投資信託はない

というのがセミナーの結論。

投資信託Aは大きな谷がある、Bは開始以来ずっと低空飛行、下がり続けています。そしてCは乱高下が激しいですね。

でもどれも儲けが出てるから不思議です。

このようなトークでドルコスト平均法の有効性を説き、かなり説得力があったのか、少なくない人数がその後の投資個別相談会に流れていきました。

ちなみに、このセミナーは某大手金融機関の主催なのですが、率直な感想としては

詐欺みたいだな

と感じました。

冒頭でも述べましたが、ドルコスト平均法の要は

「取得した平均単価より、売却時に高ければ儲かる」

ということで、それまでの価格の推移はあまり関係ありません。

結局のところ、

平均単価より上がるか?

という点だけが重要で、そういう意味ではこのグラフは巧妙に出来ています。

よく見ると投資信託A,B,Cの全てが、最後にグイっと上がっているのが分かります。

これで平均単価を上回っただけの話です。

「下がり続けている投資信託Bでも利益が出る」という説明には、思わず

「最後に上がってますよ。」

と突っ込みそうになりましたが、大人げないのでやめておきました。

ドルコスト平均法を使っても、下がり続ける投資信託や株式で儲けを出すことは出来ない。

という重要な点を理解せずに、ドルコスト平均法なら誰でも勝てる。という印象だけを植え付けている感じでした。

そもそも大前提として、投資をするなら、

「安い時に買って、高い時に売る」

のが最も効率的です。

しかし、それが何時なのかは誰にも分かりません。

だからこそ、高い時も安い時も、何も考えずに目をつぶって資産を購入する。

もちろん「高値掴み」もしてしまうが、逆に「安い時」にも買えるので、価格が平均化され大コケはしない。

そう、大コケはしない。

それこそがドルコスト平均法の本質です。

ドルコスト平均法はリスク回避の側面が強く、資産運用の本にはどれもそうはっきり書いてあるのですが、どうも金融機関のセールスの現場では必勝法として扱われているようで、何とも気持ち悪いものを感じてしまうのです。

本日のコラムでした。

 

 

 

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9月 18th, 2019 by