「毎年、世界遺産を見せる!」結婚のマニュフェストがコロナで大ピンチ・・・


今から16年前の2004年。

その年の1月に外資系生保に転職し、同年の10月に結婚。

結婚をするにあたり、私は妻にあるマニュフェストを提示した。

それが

「年に1つ世界遺産を見せる」

ということ。

当時入った保険会社。

入社してからの2年間は、周囲から

「兵役」

と言われるくらい過酷な生活を強いられる。

別に腕立てや腹筋があるわけではないが、とにかく週に3件。毎週3件の新規契約が、ほぼノルマのようなもので、しかもそれを連続してやらなければいけない。

1週でも切れればゼロカウントでやり直し。

腕立て腹筋の方がナンボかましだ。

今までは上場企業のエリート社員。

それが一転して、しがない保険屋。

嫌われ、疎まれ、はじかれ、電話には出てもらえず、そして断られる。

それでも「3件、3件」と念仏のように唱えながら、来る日も来る日も商談を繰り返す2年間。

お客様が会ってくれると言うなら、朝6時、夜10時からの商談も厭わない。

「こんな暮らし、とても無理だ・・・」

そんな自分を支えてくれる、と言うか、単に寂しさのあまり「仲間」が欲しくて、入社3ヵ月後に当時付き合っていた彼女にプロポーズをした。

彼女からすれば事故に巻き込まれたようなもの。

この世界は完全出来高制。

給料も安定せず、将来どうなるのか?本当に続けていけるのか?全く分からない。

すでに同期入社の数人は戦死(退職)していて、自分もいつ死ぬか・・・

つまり人生を一緒に歩む伴侶としての格付けは「CCC(投資不適合)」と言ったところだろう。

そんな状況で、

結婚しよう

という申し出を快諾してくれた妻に対して、感謝をしたものの、別の頭では、

「この人、もしかしてアホなのか?」

とも思ったりもした。

「CCC」の信用力の低さはリターンで補うしかない。

経営が安定しない会社が発行する社債、その利回りが高いのと同じ。

それは当時の私も同様で、そこでこうぶち上げた。

「毎年、1回。必ず世界遺産を見る旅に連れていく」

と。

旅行好きの妻は喜んでいたが、そうは言ったものの、こちらは兵役中。

新婚旅行に・・・

などと言えば、上官殿の鉄拳を喰らうし、そもそも金もない。

と言うことで、2004年、2005年と2年連続で約束は反故され、ものの見事に空手形となった。

そして地獄の2年間を終了し、給与も安定してきた2006年。

ようやく新婚旅行として、エジプト・イタリアへ2週間の日程で出かけ、ローマのコロッセオやカイロのピラミッドを見学し、何とか第一回目の利払いを終える。

2年スキップしたので、なかなか豪華な旅行となった。

その後もヴェネツィア、モンサンミッシェル、アユタヤ、アンコールワット、キラウエア火山などを夫婦で旅し、子供が生まれてからは、主に国内、沖縄、京都、長崎、金沢などの世界遺産を巡ってきた。

その中には「おお!!これが!!」というものもあれば、「こんなもんか・・・(期待外れ)」というものまで色々あったが、今のところマニュフェストを守り続けている。

しかし、今年は大ピンチ

海外は言うに及ばず、国内の移動も出来ない。

緊急事態だから仕方ないし、小さい子供がいることを考えれば無理をするべきではない。

が、最後の手段がある。

こんな時のためにとっておいたとっておきの切り札だ。

実は、あまり知られていないが東京都内にも「世界遺産」が2つある。

1つは東洋のガラパゴスと評される「小笠原諸島」

しかし、今の状況では容易には行けないだろう。

そしてもう1つ。

世界遺産に登録されている正式名称は、

ル・コルビュジエの建築作品-近代建築への顕著な貢献-

そう、上野の国立西洋美術館である

2016年に登録された当時は多少話題になったが、今となってはほとんどの人が忘れているだろう。しかし、正真正銘の

世界遺産である(地方都市の図書館ではない)

我が家からもすぐ行ける。

しかし、なんとこちらもコロナの影響で現在閉館中。

年内、どこかでオープンすれば良いのだが・・・

しかし、形だけでも約束を果たしたいとは思うものの、妻も子供も喜ぶとも思えない・・・

ここまで来れば焦っても仕方ないだろう。

今の事態がいつまで続くのか分からないが、2004、2005とスキップして行った2006年のエジプト・イタリアは、それまでの我慢があった分、楽しかった。

我慢は調味料。そして世界遺産は逃げない。

今は、いつかは行きたいと思っている場所の写真を眺めながら、次の旅に思いを馳せるしかない。

本日のコラムでした。

 

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4月 16th, 2020 by