金利が消えた国の未来


先日、古いお客様から過去の全契約の一覧と今後のシミレーションの作成を依頼された。

この世界に入った16年前からの顧客。

独身時代、結婚してから、お子さんが生まれてから。

その都度、追加してもらった全ての契約について、懐かしい思いで設計書を眺める。

その中の一つの商品。

契約日 2004年〇月〇日 ドル建〇〇保険 〇万ドル 予定利率4.5%・・・

えっ?4.5!!

思わず二度見してしまった。

いやー、この頃、こんな高かったんだ・・・

私がこの業界に入った2004年。

ドル建の商品に関してはそんな利率が当たり前で、60歳、65歳になるころの返戻率はほぼ200%近かった。ちなみに円建の商品でも1%後半くらいはあった。

今からは隔世の感があるが、そんな時代もあったのだ。

そこからはドルも円も利率を下げ、辛うじてドルに関しては現在でも3%台をキープしている商品もあるが、円建の商品に関しては目も当てられない。

その理由は国債の利回り低下。

リーマンショック以降、どこの国も紙幣を刷りまくり、金利を下げた。

金利=国債の利回り

なので、当然、国債のメリットも減り、その運用で飯を食っている銀行、保険に影響していく。

そして最終的にわりを食うのは顧客。

金利が消えた国

それが今の日本の現状で、普通の国なら、条件の良い定期金利程度の年2~3%程度のリターンを得ることすら、株、社債、為替どれかのリスクを負わないといけない。

ノーリスクで得られるとしたら「新規国債0.1%(個人向け)」くらいだろう。

金利というものは、国全体で見れば「第二の税金」のようなもの。

商売が上手い人、家や車などを買いたい人が負担し、それが巡り巡って、定期預金や生命保険など、小口資金を安定運用したい人の収益源となる。

「金利」はある側面としては強者から弱者への利益還元機能であり、庶民の武器でもあるのだ。

それが「消えた」

結果、本来はもっと金利を負担しないといけない強者(大企業や投資家)のところに溜まりまくっった金が、株式市場に流れ込み、このコロナ禍でも異常な株高を演出する。

金利が高い = その利益を社会全体で分ける

金利が低い = 一部の人にお金が集まる

このような構図がある以上、現状、株式市場を沸かせている「余った金」は、本来は「金利」として皆が(主にリスクを負えない弱者が)手にするべき金だった、とも言える。

無論、この話には私個人のポジショントークが含まれる。

今の低金利。

お客さんに自信を持って勧められる商品も限られる。

どの保険の利率も高かった

「あの頃に戻りたい」

そんな思いもある。

しかし、それは無理な話だ。

低金利に慣れてしまった家庭を思い浮かべれば分かりやすい。

0.5%で組んでいる住宅ローンの金利が5%になれば返済金額の上昇でその家は破綻する。

それは国も同じ。

昔のような利回りに戻せば、利払いだけで首が回らなくなるだろう。

下げるのは簡単、上げるのは至難。

金利が消えた国の10年後。

99%の人が貧しいのに、株だけが「最高値を更新」する。

そんな世界がわりとリアルに近づいている気がする。

本日のコラムでした。

 

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5月 12th, 2020 by