65歳雇用の裏で。役職定年が下がってる?


みかづきナビ 加藤です。

08e52cdf6522eafd070571b437159297_s

2013年4月から高年齢者雇用安定法が改正され、企業は従業員の65歳までの雇用を義務付けられました。

詳しくはコチラ(定年延長、退職金制度も見直してますか?)

今までは60歳だった定年が65歳までになった、という話ですが企業にとってはかなりの負担増です。そのため現場でおこっていることをレポートしたいと思います。



バー22

この制度が改正されるまでも、多くの会社で雇用延長制度はありました。
が、義務化されているものではないので、会社と従業員はある程度「相思相愛」でした。

会社:「○○さん、ずっと会社に貢献してくれてたのでこれからも働いて下さいね」
従業員:「ありがとうございます。頑張ります。」
会社:「でも再雇用になるので、申し訳ないですがお給料は下がります。」
従業員:「年金もあるので大丈夫です。これからも宜しくお願いします。」

とこんな流れでした。(実際はお給料が減ることに相当な抵抗はあるようですが。。。。)

反対に会社からして「ちょっとこの人はご遠慮頂こう」という方は再雇用されず、60歳で退職してもらってました。

それが65歳までの雇用が義務化されたことにより、言い方は悪いですが「本来はそろそろ退職して欲しい、と思っていた人も65歳まで雇用せざるを得ない」という状況になっています。

色々な経営者の方と本音で話をすると「65歳までは長い。結構厳しい。」「切実な問題」とおっしゃる方が多く、経営の現場では早くも大きな課題になっています。

この65歳定年に関係して、最近良く経営者の話題にのぼるが「役職定年」という制度です。通称「ヤクテイ」と呼ばれ、データ上では50%を超える企業で採用されているので、ほぼ半数の企業で導入済みということです。

役職定年制度は、

「55歳までに部長になっていなければ、社内規定に準じて肩書き給与を見直す」
「60歳までに役員になっていなければ、社内規定に準じて肩書き給与を見直す」

というような、社内の階級に応じた制度です。



ちなみに、会社にもよりますが多くの場合、この役職定年に引っかかるとそれまでの役職も取り上げられます。それまで課長であっても、「55歳までに部長」という役職定年にかかれば、担当部長、部長代理、担当課長などという肩書きになり、実質的には部下を持たないプレイヤーになることが多いようです。

「都合の良い足きり制度」と言う方もいますが、実際のところそう言われても仕方ないかもしれません。

しかし、最近の65歳定年の流れから、この役職定年に関しても大きな変化があります。それが「役職定年の若年化」です。

以前は60歳で役員という条件が57歳に、55歳で部長だったのが53歳に。もっとも早い例では45歳というお話も聞いたことがあります。

この役職定年の大きな意味は「組織の新陳代謝の向上」つまりは「管理ポストの固定化を防ぐ」ということですが、その裏には「人件費の抑制」というテーマもあります。ほとんどの会社で給与水準は役職によって定義されていますから、役職を外すいということは給与を下げる、ということです。

企業からすると「65歳までの雇用」に備え、早め早めに中高年者員の給与を下げる狙いがあると思われます。今までは60歳までは厚く、そこから65歳までは薄く、という給与体系が50代前半から「薄く、長く」というふうに変わってきています。

これも「全員を65歳まで雇用義務」という制度の弊害かもしれません。

バー24

会社で偉くなりたいかそうでないかは人それぞれです。
肩書きに関しては「今までは責任ばっかり重くて、それから開放されてせいせいしたよ」なんて言ってる方もいらっしゃいますが(少々強がりだとしても)、給与に関しては「安くなってよかった」という方にはお会いしたことはありません。



余談ですが、某外資系コンサルでは2年11月ルールというものがあり、始めに「アソシエイト(助手)」として入社し2年11月以内に「コンサルタント」に昇格できなければクビ。さらに2年11月以内に「シニアコンサルタント(管理職)」に昇格できなければクビ。そして更に2年11ヶ月以内に「パートナー(役員)」になれなければクビ。

入社して9年以内に役員になれなければ退職を余儀なくされるという、猛烈なシステムです。

そこまでではないにせよ、多くの会社で似たような現象が起こっています。
バー25
一昔前は50代に入ってから、

「そろそろ子供たちの学費も終わるな」
「ああ、俺もあと10年で役職定年かぁ」
「老後のお金貯めないとな」

などと悠長に構えていても良かったのですが、前述の通り役職定年は早くなってきていますし、晩婚化で50代のころには子供はまだ高校生、中学生、などという家庭は沢山あります。

「会社が面倒見てくれる」などと甘いことを言っていると、50代になってから収入が激減し「本当にお金がない」「子供の学費のために借金しないといけない」などということになりかねません。

その後の老後はもっと悲惨です。

人生80年。20歳までが春、40歳までが夏、60歳までが秋、80歳までが冬。などと言われていましたが、今のご時世は20代が春、30代が夏、40代は秋で50代は冬です。
それ以降は厳寒と言わざるおえません。

そのためにも出来るだけ早く、30代、40代の頃からしっかりと貯蓄と運用をする習慣を身に着けることが重要です。

この記事を読んだ方はこの記事も読んでいます。

ライフネット生命の真実 岩瀬社長にお会いしました

外資系生保を北斗の拳に例えると

保険にもブームがある?!

勝ち組のつもりが意外と負け組。1,000万貧乏のワナ

ご実家への仕送りが給料UPに?!

保険で貯蓄はありか?なしか?



 

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします


6月 24th, 2015 by