外資系で目の当たりにした『成功者を破産に追い込む魔法の一言』


ご存知の方も多いと思いますが、アメリカのプロスポーツでは選手の70%以上が引退後に自己破産しています。

実は保険業界でも、驚くほどお金を稼ぐ人が、実際はお金に困っているようなケースが多く、結果的に自己破産したり行方不明になる方もいて、本日は成功者が何故没落するのか?について考察したいと思います。

外資系生保に入社し、初めの1ヶ月間は、営業テクニックを徹底的に叩き込まれる地獄のブートキャンプに参加します。しかし緊張の初日は拍子抜けする話から始まります。

お偉方の挨拶の後に、今まで出てきた「いかにも外資系の役員」という感じとは違う、ややくたびれた印象の役員が登場し、こう言われます。



「皆さんが成功するための営業テクニックはこの後、嫌というほど教えられますので安心して下さい。本日、私がお話するのは皆さんが「成功した後」のお話です。

この役員の担当はコンプライアンス。

話の主旨としては、以下の3つです。

・残念ながらお金を持つと人間が変わってしまう人がいる

・頑張って稼いだのだから、高い家、早い車、派手なスーツもいいでしょう。しかし、気をつけないといけないのはクラブ活動。もちろんサッカーや野球ではない。夜のクラブ活動。これはほどほどに

・人間は一人では成功できない。常に感謝し、謙虚に過ごすこと。調子の乗って良いことは何一つない

特に強調していたのは「夜のクラブ活動」。これで身を持ち崩すケースが多いので、本当に気をつけるようにと念を押されます。



実際にこの世界に入ってみると、コンプライアンス担当役員の言うことを痛感します。

外資系は給料が完全歩合制なので、前職で年収400万円の営業マンが頑張り次第で1,000万円、2,000万円、人によっては1億円を超える年収を掴むことも夢ではありません。

そうなると、研修初日で言われたように「人間が変わる人」も出てきます。

着る物、持つ物が派手なブランド物になり、乗る車が高級車になる。分かりやすく言えば成金ですが、更に夜の遊びを覚えると使うお金は一桁増えます。

とは言え自分で稼いだお金ですから悪いことではありません。

また、「類は友を呼ぶ」で、そのような付き合いの中でお金持ちのアッパーとの人脈と繋がることもあり、そのような「世界が広がる」ことはメリットでもあります。

多くの人はこれを自分の稼ぎの範疇でやりますが、中にはその限度を大きく越え、

「1億稼いで1億5,000万円使う」ような人も出てきます。

そうです。後々の破産組です。

頭が悪い、金銭感覚が狂った、ちゃんと貯金してなかった、悪い仲間に騙された、おだてに弱い

色々な理由がありますが、基本的には全てが当てはまっていて、稼いでも稼いでも足らず、最後は借金まみれになる。多くのプロスポーツ選手と同じです。

理由の一つは孤独感でしょう。

ある人は「売れれば売れるほど辛くなる」と言っていました。



幸いなのか、残念なのか、私は孤独感を感じるほど売れたことはないですが、何となく言わんとしていることは分かります。

売れば売るほど、来年はより大きな数字を残さないといけない。という得体の知れないプレッシャーがかかり、精神的にも追い詰められていくということでしょう。

また、生保の業界とプロスポーツの共通することとして「ピン」であることが挙げられます。

仲間はいますが、あくまで評価は個人的なもので基本的には1人なのです。

そこが経営者と違うところです。

部下の成長、会社の成長という自分以外の指標がないため、常に自分とだけ向かい合う日々。寂しさを紛らわすために夜のクラブ活動は最適で、依存しているような人もいました。

中でも私はこの業界に10年以上いて、数十回聞いた言葉、罪作りな言葉があります。

それは

「使わないと入ってこない」

という魔法の一言。

いつ誰が言い始めたのか知りませんが、我々の生保業界だけに限らず、野球、サッカーなどのスポーツの世界、芸能界、または会社の経費を自分のお小遣いと勘違いした会社員なども言っています。

元々が注目されることが好きで、自尊心が強い人間には最高のフレーズで、ただの無駄遣いが未来の投資に正当化されるような響きがあります。

しかし、これは嘘です。実際は「使えば無くなる」という当たり前の事実。



外資系もプロスポーツも来年の年棒が保障されているわけではなく、運に左右される部分も大きい。必ず毎年大金を稼げるとは限りません。

引退して収入がなくなったり、仕事の調子が悪くて給料が下がればキャッシュフローが回らず、破産という憂き目に合います。

あんな稼いでいた人が困窮し、貯金額を聞いて「えっ?」と絶句することも少なくないのです。

とは言え、一線で長く活躍する人は意外としっかりしています。

使うべきは使い、締めるべきは締める。

大きなお金をコントロールするためには、その能力がとても重要で、そうでないとお金にコントロールされてしまいます。

期待を膨らまして外資系の門をくぐった営業マンに、あえて研修の初日にコンプラ担当役員が伝えたかったことはきっとそういうことなのではないでしょうか。

お金って怖い。そう感じる本日のコラムでした。



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10月 6th, 2016 by