LGBTの保険相談から 2017


弊社はチャットで匿名の保険相談が出来るため、LGBTの方からのお問い合わせをよく頂きます。

内容としては、

・死亡時にパートナーに保険金を残したい

・就労不能時に相手に迷惑をかけたくない

・医療保障に加入したい

などで、内容はその方のよって様々ですが、大きく2つの問題に直面することが多いです。

1つは受取人問題。もう1つはホルモン注射です。

前者は、保険の受取人として

同性パートナーを指定出来ない

という問題です。

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ong>「パートナーシップ証明書」などがあれば受取人指定が可能な会社も増えているため、あたかも問題が解決したような印象ですが、このような証明書を発行しているのは、最も有名な渋谷区や世田谷区の他には、

・兵庫県 宝塚市

・三重県 伊賀市

・沖縄県 那覇市

など、まだまだ数が少なく、実際にそれらの自治体で証明書を取得したカップルは全国でも100組に満たない、という状況です。

なお、このような受取人問題の本質は、保険会社の内部の規定で受取人として指定できるのは、

「二親等(配偶者、子、親、兄妹など)まで」

と定義されていることです。

対して、民法では保険金の受取人の規定はありません。

つまり法的には「誰でも良い」のに、保険会社のルールで「範囲が決まっている」ということになります。

そのため、実際の保険契約では保険金受取人を「親」としていても、遺言書等で「同性パートナー」を受取人に指定していれば、そちらが優先され、実際の判例でもそうです。

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そのため保険会社も、この遺言書が正式なものであると確認出来れば、そちらの受取人に支払うのですが、ここで新たに立ちはだかる問題が、「死亡診断書」

保険会社は死亡保険金の支払いに関して「死亡診断書」を求めますが、この死亡診断書は「肉親」にしか発行されません。

そのため、それらを入手出来ない同性パートナーが保険金を手にするのは、「法的にはOK」にも関わらず、「実務的には難しい」ということになります。

実際のところは、両親(もしくは親のどちらが)が同性婚のことを理解していて、我が子が亡くなった時には、そのパートナーに保険金を渡すための手伝い(死亡診断書の入手)をすることが必要になります。



色々ご相談に乗っていると、「親には言えない」などの意見もあり、そのハードルは低くはないようです。

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2つ目のホルモン注射ですが、このご相談も意外と多いです。

ご相談者はLGBTの「T」

トランスジェンダーと呼ばれる方々で、男性から女性へ、女性から男性へと身体を変えるためにホルモン注射を行います。

体調を崩しやすい、気分的な躁鬱が激しくなる、などの副作用があるようで、医療保険などの加入の相談を受けますが、残念ながらほとんどの保険会社で「治療中」という判断をされるため加入は出来ません。

そのような「思い」がある方は、治療の前に最低限の保険には加入しておいた方が良い、というのが本音です。

なお、よく聞かれるのですが「性転換手術」はお支払いの対象外です。

弊社のLGBTの生命保険に関する記事が検索にヒットするらしく、2年ほど前からこのようなご相談が増えております。

保険会社側の理解も進んでおらず、まだまだ難しい問題が多いですが、LGBTの方で保険でお悩みの方は是非ご相談下さい。

本日のコラムでした。



 

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11月 24th, 2017 by