それで良いのか?ディズニーのプリンセスに見る理想の女性像


娘がディズニーのプリンセス達に浮かれている。

しかし、我が娘は親の贔屓目を通して見てもプリンセスというような美人タイプではなく、クレラップのCMのオカッパの子に近い。

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今日もトイザラスで購入したアナ雪のコスプレをして踊っているが、キノコの妖怪がクルクルと回っているようにしか見えない。

まあ、それは良い。

その熱のおかげて、父もやたらとディズニーのプリンセスに詳しくなった。

古くは、白雪姫、シンデレラ、オーロラ(眠れる森の美女)、ベル(美女と野獣)

近年ではラプンツェル、アナ、エルサ(アナと雪の女王)などだ。

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娘に付き合って、何度もこれらの映画を見たが、保険の営業という仕事を通して、多くの人生の悲喜こもごもを見てきた私すればどれも笑止千万な物語である。

まず、

「奇跡に期待するな」

と言いたい。それは娘にも強く言っている。

「奇跡ある!!トトが間違ってる!!」

と、抗議してくるが、父には馬耳東風。ないものはない。

まあ、それは良い。

多少の奇跡がなければドラマにならないので、そこは100歩譲ろう。



最も気になるのは、古い時代のプリンセスが定義する女性像である。
注:ここでは便宜的に「オールド」とでも言っておく。

白雪姫やシンデレラ、オーロラ、ベルなどの彼女達「オールド」世代は、基本的に何の能力もない。

ただ美人で性格が良いだけなのに、なぜか最後はハッピーになる。

容姿も正確も美人の子が、これまた尋常でなく性格の悪い奴らに苦しめられ、最後は王子様に助けられる。どの話もこの枠からはみ出ない。

しかもオーロラ(眠れる森)に関しては寝ているだけで、その寝姿を見て一目惚れした王子のキスで目を覚まして、幸せな結婚生活を送りましたとさ。となる。

なんじゃそれ!!と思わざるを負えない。

寝てる女にキスする段階で、そいつはただの変態だし、それがイケメンの王子なら許される。という価値感は小出恵介ですら謹慎する時代にはそぐわない。

そもそも美人で性格が良ければ報われる。という大前提が気に食わないのである。



現実は必ずしもそうではない。

綺麗なだけで若い頃チヤホヤされ、30歳過ぎて苦労している女性は掃いて捨てるほどいる。

性格が良くて、騙されて酷いめに合う子もいる。(それでも性格の良い子はそれなりに幸せになるが。。。)

人生はそんなに単純ではないであろう。

更には、

ブスなら幸せになれないのか?

性格が悪かったら良い伴侶に恵まれないのか?

そうミスターウォルトに問い詰めてみたいものである。

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むしろ娘がこんな話を真に受けて、

「美人で性格が良ければハッピーになれる」

などと勘違いして、勉学や精神の鍛錬を怠るようでは困る。

きっと私と同じことを思う人が多いのだろう。



近年のプリンセスはオールド達とはちょっと雰囲気が違う。

ラプンツェルは長い魔法の髪を使った多種多様な技を持ち、そしてエルサの氷パワーは半端じゃない。要は能力がある。

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エルサに至っては、世界の大都市を夏の訪れと一緒に移動してくれれば地球温暖化も解消するのでは?と思うほどの力である。

注:反面妹のアナはオールド世代を後継し、明るいだけで基本的には無能である。

が、ここでも辛口の父は突っ込まざるを負えない。

「魔法に逃げたな。ディズニーよ」

と。

魔法も生まれつき持っているもので、そこには努力がない。

結局のところ、見た目と同じことだ。



娘の教育的な観点で言えば、生まれも貧しく、容姿も冴えない。

しかし必死に努力し、何度も挫折し、それでも努力して高い地位に着き、弱者のためにその力を振るう。

そんな話が良い。

その物語の中には、魔法の保険屋が出てきて、

「100ゴールド払えば、冒険の途中に倒れてもご両親に100万ゴールド残すことが出来ますよぉ~」

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などと言ってくれると、職業柄グッとくる。

このキャラはなんだか悪役っぽいし、思いっきり騙されそうだが、保険屋なんて現実でも似たようなものだから、劇中でもそんな扱いで良い。出来れば、ここ一番で役には立って欲しいが。。。



話が逸れた。

時に悪い人に騙され、時に良い人に助けられ、前を向いて頑張っていく。

それこそが人生。

持って生まれたものだけで掴む成功の貧しいことよ。。。。

分かったか?ディズニー!!

父が言いたいのはそういうことである。

が、実はそれに近い話も実はある。

「プリンセスと魔法のキス」と、「メリダとおそろしの森」の二つ。

この両者の主人公であるティアナとメリダは、普通の子だし、色々と努力の形跡も見られる。

性格も多少ひねくれている部分もあり(特にメリダ)、物語の中で成長する姿も描かれている。

そして、失礼ながらあまり可愛くない。

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父はこの二つだけは、それなりに感情移入して楽しめる。

しかし、娘の評判はイマイチ。

それを象徴するように全世界の興行収入を見ても、アナ雪の1400億円には遠く及ばず、半分以下。

歴代の中でも「まあまあ」という評価らしい。

これも「生まれついて恵まれている者」には、普通の人は努力しても勝てない。という現実を表しているようであり、切ないところである。

そして、この一点のみは、父が見てきた人生観にも合っている。

やはり、スタートが有利な人間は強い。ひがんでみても、それもまた事実である。



しかし我が家は普通の家。

「お前はこの家に生まれてきた段階でプリンセスではない。容姿もブスではないが、美人でもない。だから努力を怠ってはいけない。」

娘に言いたいことも、要はそういうことである。

しかし、今は夢でも見させておいてやろう。

さて、明日は日曜日。

娘と妻、そして祖母の三人で今話題の「美女と野獣(実写版)」を見に行くらしい。

下の息子0歳児と父は、二人でヒトヒトピッチャン、ヒトピッチャンの子連れ狼よろしく、映画館周辺をウロウロと時間を潰すことになりそうだ。

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「ママとトトとどっちと映画見たい?トトと行くならアイスが付くよ!!」

と父母均等教育法で禁止されている「特別利益の提供」までチラつかせたが、0.01秒で「ママ!!」と言われた。

別にかまわない。

父は何の能力もない美人な「だけ」の女と野獣の恋などには興味はない。

辛いことがあっても前を向いて頑張る。

それこそが父の人生なのだから。。。。

なお、明日の件とディズニー批判には何の関連もないことを、最後に付け加えておく。

本日のコラムでした。


 

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6月 10th, 2017 by