ジェネリック生保の功罪


我々代理店は複数の保険会社とお取引がありますが、お金の話に終始する少々下品な会社や、生命保険に真摯に向き合っている会社、それぞれにカラーというか社風があります。

しかし

御社は何で生命保険業をやっているのですか?

この質問に真正面から答えられる会社はほとんどありません。

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実は国内の生保で

「俺たちは生命保険業がやりたいんだ!!」

と創業した会社、言い換えれば生命保険業からスタートした会社というのは数をかぞえるほどしかありません。

明治期に創業した数社と最近ではライフネット生命くらいです。

では他は何か?

異業種参入組です。

損保、銀行、証券、リース、電機メーカー、IT企業などの巨大資本の子会社です。

言い方は悪いですが、「生保は儲かるみたいだからやってみるか」という側面があるように感じます。(色々事情はあるのでしょうけど)

業界に参入するにあたり、手っ取り早いのはモノマネです。

既に売れている商品を研究し、ほぼ同じものを安く提供すれば良い。

保険は目に見えないので、商品のスペックを表すのはパンフレット上の数字だけ。モノマネは簡単です。(金融庁の認可は別として)

私はこのような会社を「ジェネリック生保」と呼んでいます。

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商品は安くて良いのですが、オリジナリティもポリシーを感じない、という意味です。

「生命保険で社会に貢献したい。」「困った人を1人でも助けたい。」

義侠心と言うか、お節介と言うか、そんな生保魂は少ないように感じます。

私が前にいたプルデンシャルも130年以上前にドライデンというおじさんが「労働者のための保険を!!」と興した会社です。

業界では宗教法人プルデンシャルと揶揄されるほど生保魂が濃い会社で育った私からすると、時代遅れかもしれないけど、こういう熱い思いを大事にしたい。

だったらプルデンシャルにいれば良いじゃん。

そう言われるかもしれませんが、ジェネリックも大事なんです。だって効果が同じなら安い方がよいでしょう?だから参入組が悪いと言っているわけではありません。

むしろ適正な価格競争を促し、お客様のためになる良いプレイヤーだと思います。



でもね。トップランナーは絶対いなきゃいけない。

古くはプルデンシャル生命が始めたリビングニーズ(余命半年と宣告された場合、保険金の一部を受け取れる)

最近ではライフネット生命の同性受取。

どちらも各社が後追いしましたが、初めにやるのって本当に大変。

業界も古く、お上には金融庁。そのガチガチのルールの中で新しいことをやるのって想像以上にシンドイんですよ。

長らく変わらなかった生命保険業界も、ここ数年はネットや店舗型、銀行窓販の台頭で「お客様の選び方」が劇的に変わってきました。しかしメーカーである生命保険会社はまだまだ変わりきれていないように感じます。

ジェネリックは今まで知られている病気を安価に治すことが出来ます。

しかし、歴史上類を見ない少子化による人口減、良くも悪くも死ねない医療制度、フリーランス、副業解禁などの働き方の変化、性の多様化。

日本を取り巻く新しい課題には新しい薬が必要。

ジェネリックばかり作っていて良いのでしょうか?

薬なら新薬を開発したメーカーは20年間特許が守られる。だから苦労も投資も先行者利益で報われる。

でも生保はそんなことはない。。。。じゃあ、無理しないでジェネリックを。。。。

何で生命保険業をやっているのですか?

小さい代理店のおじさんの問いに答えられる保険会社が増えれば嬉しいです。



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4月 16th, 2016 by