マネーの虎 名物社長たちの「倒産率」に見る飲食業の厳しさ


今から16年前。社会人3年目。深夜、家に帰りテレビをつける。

飾り気がない会議室が映し出され、並々ならぬ緊張感の中、個性の強い社長たちが若者の甘い事業計画を叱り飛ばす。

「ノーマネーでフィニッシュです。」

淡々とした口調でそう宣言する吉田栄作が憎たらしい。

マネーの虎。好きだったんですよね。

あの時、神々しいまでに輝いていた社長=「虎」たちですが、その後を追うと企業経営の現実、特に飲食業の難しさが分かります。

まずは今も事業を継続している方々から。

加藤和也 株式会社ひばりプロダクション 代表取締役

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昭和を代表する大歌手である美空ひばりさんのご子息。

ガラの悪さが目立ちますが、現在も堅実にひばりプロダクションの経営をされておられます。

やはり「版権・著作権」は強い、ということでしょう。



高橋がなり 株式会社ソフト・オン・デマンド 代表取締役

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ご存知ソフト・オン・デマンド 高橋がなり社長。

私の友人で、

「マジックミラー号を発明したSODにはノーベル賞を進呈したい」

と言っている者もあり、その功績は偉大です。(男性でないと分からない)

まあ、そんな話はどうでも良いのですが、高橋がなりさんは、ソフトオンデマンドを退任後、農業法人を立ち上げましたが、今はソフトオンデマンドの経営に戻り、陣頭指揮を執っておられます。

いつの世もエロは磐石なのです。

吉川 幸枝 株式会社よし川 代表取締役

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名古屋を中心にレストラン事業で成功。

派手で強烈なおばちゃん。でも人情派。

テレビではそんな印象の吉川社長ですが、現在も飲食業を中心に経営をされていらっしゃいます。



ここからは会社を倒産させた方々です。

川原ひろし なんでんかんでんフーズ株式会社 代表取締役

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なんでんかんでん。川原ひろし社長。

2012年になんでんかんでん本店が閉店した際にニュースをご覧になった方も多いと思います。

本業のラーメン屋さんからは撤退し、現在はタレントとして全国を飛び回っているそうです。

小林敬 株式会社小林事務所 代表取締役

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和食のお店「庵」をはじめ、複数の飲食業で成功。

しかし2005年10月に経営破綻。本人も20億の負債を負い自己破産。

その後、数々の企業で顧問的な役割を果たされているそうです。



堀之内 九一郎 株式会社生活創庫 代表取締役

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中古品の売買「生活倉庫」の店舗展開で成功。

2013年5月の経営破綻し、失職。負債総額15億円。

 

安田久 株式会社エイチワイジャパン 代表取締役

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刑務所風のレストラン「アルカトラズ」など、斬新なアイディアで成功。

2011年6月に経営破綻。

現在は飲食業界のコンサルタントとして活躍されています。



レギュラー出演者の7名のうち4名の会社が倒産しています。

うち3名が「飲食業」

虎7人のうち飲食業で今も会社を継続させているのは女性の吉川社長だけです。

中小企業庁などの各種データを見ると、創業後の倒産確率は

5年で85%(残存率15%)

10年で94%(残存率6%)

20年で99.6%(残存率0.4%)

となっていますが、特に「5年以内85%」の半分程度が飲食業との分析もあります。

虎たちを見ても、7人中4人で倒産率は57%。

飲食業だけに限れば4人中3人で75%です。

飲食業で成功されたある経営者も

「簡単に始められる分、続けるのが本当に難しい」

とおっしゃっておられ、この業界の浮き沈みがいかに激しいかが分かります。

あれほど成功していた虎たちでさえ、その波を超えられずに涙をのんだわけですから、他は推して知るべしです。

最後はこの方にしめてもらいましょう。

司会の吉田栄作氏。

2015年12月に離婚。

yosida

会社経営は甘くない。

自らの肝に銘じる。

本日のコラムでした。


 

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7月 6th, 2017 by