下流老人の正体


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「都内〇〇区在住のAさん 68歳 年金8万円で家賃は3万円。持病の治療費もかさみ、生活はギリギリ」

最近この手のニュースをよく目にします。

「下流老人」

流行語大賞にノミネートされたことからお客様とも話題になりますが、毎度このような言葉のネーミングセンスには関心させられますね。

「下流」「老人」がセットになってなんとも哀愁があります。

本日は下流老人とはどのような人なのか?ということを探ってみたいと思います。

ちょうど先日(12月2日)高齢者の貧困率に関するデータが発表されました。

日本の高齢者の貧困率は19%とのことです。

老人の5人に1人は「貧困」ということになります。(経済協力開発機構 発表)

ちなみにお隣韓国は50%で1位、アメリカは22%です。

「50%ってなんだよ。。。」
「日本も格差の激しいアメリカとそんなに変わらないんだぁ。。。。」

というのが率直な感想です。



ではこのデータの「貧困」とはどのような基準なのでしょうか?

ざっくり説明すると「全国民の生活費の平均。その半分以下で暮らしている人」です。

日本の生活費の平均は年間240万円。この半分の120万円以下ということです。毎月にならすと10万円。

確かに10万円だと厳しい人も多いでしょうね。持ち家でない場合は大変だと思います。

しかし、これは「1人あたりの生活費」です。

夫婦2人なら20万円です。

こう聞くと「毎月20万円の生活費で貧困層?」そう思いませんか?

ですから貧困層と言っても相当な幅があると思います。

冒頭のような「年金8万円で家賃は3万円。生活はギリギリ」という方も「資産数千万、家を保有。田舎に暮らしているので生活費をほとんど使わない」という方も同じ貧困層になるからです。

また逆の見方をすれば高齢者の81%の人はそれ以上のお金を使って生活しているのです。

なので、今の老人達は総じて

「お金持ち」

です。

個人資産1400兆円のうち60%を高齢者が保有している、と言われていますが、実際にそれを反映しているわけです。



バー41別のデータを見てみましょう。

内閣府が出している統計を見ると、65歳以上の世帯で貯金が100万円以下というのは7%です。

この7%が貯蓄を持たず、毎月10万円以下の年金だけで暮らしている方々だと考えれます。

少々話が逸れますが、日本の社会保障制度は以下の3つをクリアした方にとても優しく設計されています。特に現在65歳以上の方には顕著です。

・会社勤め(厚生年金加入)

・60歳まで働く

・結婚

60歳まで厚生年金に加入していれば年金は20万円以上は受け取れます。
結婚していれば夫の死後も遺族年金が発生しますので、毎月10万円程度は維持できます。

つまり下流老人にはなりにくいのです。

この3つの中で最も重要なのは厚生年金です。

それに加入しておらず、国民年金のみ、更に健康上の理由などで働けない、結婚をしていない、これらが複合的に絡み合って下流老人になってしまうのだと思います。

国民年金は満額で8万円程度。その年金だけで暮らしていくのなら生活が楽なはずがありません。

また結婚に関しても、高齢者の単身生活者の貧困率は非常に高いというデータがあります。

男性22%、女性36%と全体平均19%を上回っていて、特に単身女性は3人に1人が貧困という状態です。非常に残酷な数字です。

「会社員、60歳、既婚」これが高度成長期の日本の模範的な国民の姿だったのだと思います。

それに合わせて社会保障の制度が設計されましたが、そこに当てはまらず、資産形成にも失敗した方が「下流老人」になってしまうのだと思います。



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しかし、これは今までのお話。これからはより厳しくなるでしょう。

理由は

・年金が下がる

・年金支給開始が上がる 65歳が68歳、下手したら70歳

・40代からの給与が伸びない。そして50歳の半ばで役職定年で給料ダウン

という3つです。また独身者が増えていることも影響してくるかもしれません。

年金は厚生年金を満額受給できても10万円程度、年金の支給開始も65歳から68歳くらいになる。そんな可能性も少なくはありません。

そして40歳ごろから給料が上がらない、というのは多くの方が実感していることだと思います。

本来は50代で子育てが終わり、そこから老後の貯蓄をするという流れですが、それも役職定年に引っかり大幅にダウンしてしまえば日々の生活だけで一杯一杯。貯蓄は増えないでしょう。

前述の3つの条件を満たしていて、今のところ良いお給料を貰ってる方でも「ちょっと油断すれば下流」という現実が迫っています。

防衛策は。。。。

「節約してお金を貯める。資産を作る」

「歳をとっても高い給料を維持できるようにスキルを磨く」

これしかありません。

国の制度も経済状況も1人の力では変えれない。

結局のところは自分の考え方を変えるしかない。

いやー、自分で書いてて暗くなっちゃった。。。。



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12月 4th, 2015 by