みかづきナビ 加藤です。
保険の売れ筋商品の中に「貯蓄系の保険」があります。年金商品や学資保険などです。
将来解約したり満期を迎えるとお金が戻ってくるものです。
この仕事も長いことやってますが、貯蓄が嫌いな人というのはほとんど会ったことがありません。そのため保険で資産形成をする貯蓄プランに関しても、わりと多くの方が好意的に聞いて頂けます。
しかし保険で貯蓄をすることの是非があります。
良く雑誌などで取り上げられていますが、否定派の主張は
・保険は死亡保障がついている。必ず数人は保険を使う。
その保険金は他の契約者が負担しているのだから、あなたも負担している。保険の運用利率はその分悪くなっている。だったら投資信託や株で運用した方が良い。
・元を取るまでに時間がかかりすぎる。
・保険会社の莫大なCM料や、営業人員の給与など、余計なコストが沢山乗っている
などです。
ちなみにこれは全て正しい指摘です。
まず、そもそも保険ですから、その分のコストは乗っていますし、利益が出るまで時間もかかります。但し、最後のCM料や営業人員、これは「どこの金融機関も大差ないんじゃないか?」とも思います。銀行も証券も広告費は凄いですからね。
なんにせよデメリットもある、ということです。
逆に保険での資産運用のメリットは
・亡くなった時の保障がついている
・保険会社が運用を代行するので、将来の利益が確定している
(そうでないリスク性の商品も一部あり)
・毎月、決まった金額をある程度強制的に貯めてくれる
といったところでしょうか。
私が個人的に保険で貯蓄をする際の一番のデメリットは「長い」つまり時間がかかる、ということだと思っています。
保険を使った貯蓄商品の場合、まず運用期間は最低でも10年程度は見て下さい。
出来れば20年程度が望ましいです。
もし「10年も待てない」ということなら、それは保険を使うべきではありません。
定期預金なり、株、投資信託なり他の手段を選ぶべきです。
20年の運用で考えると、日本円の商品(円で支払って円で帰ってくる)の最終的な返戻率は110%程度です。100支払って110戻ってきますから、+10%です。これは銀行の複利として計算し直すと年利0.5%程度です。
現在の定期預金で最も良い金利が年利0.27%程度(毎月積立タイプ)なので、それに比べれば倍近く良いということになりますが、それでも特段良い条件でもありません。
なお、これが外貨建て(ドルなど)の商品になると、130%程度まで伸びるので「おお!!凄い!!」と一瞬思いますが、為替リスクがあるためそのリスクをどのように分析するかは個々の判断になります。
なお、保険と比較される対象として、株や投資信託がありますが個人的にはこの2つを比較するのは少々無理があるのではないかと思います。
まず株や投資信託は自己責任です。プラスになる可能性もありますが、マイナスになる可能性も大いにあります。約2,000人のお客様に面談してきた経験則で言うと株は80%の人が負けています。投資信託は70%の人が損失を出しています。
余談ですが、株で負けた人は「自分が悪い。才能がない。」とおっしゃいますが、投資信託で負けた方は「証券会社に騙された。銀行の窓口で騙された」と人のせいにする方が多いです。個別銘柄のように自分で決めて買っているわけではなく、何となくよく分からないで投資しているので、誰かのせいにしたいのだと思います。
気持ちは分かりますが、やはり。。。。自分のせいですよね。
正直、私も株は苦手で、全体で言えば大きく負け越しています。
投資信託の結果はそれなりですが、一生懸命考えたわりには。。。と思う程度です。
私自身、決算書はある程度読めますし、金融知識もある方だと思いますが、それでも勝てないんです。はっきり言って才能がありません。
お客様のお話を伺っても、株や投資信託で勝っている方は、やはりちゃんと勉強してます。ポリシーをしっかり持ってそれに基づいて売り買いをやってます。基本的にマメな人が多いですね。
「勉強して努力しているから勝つ」当たり前なんです。やっぱりまぐれはないですね。
それに比べ保険は、勉強も努力も必要ありません。毎月支払うだけです。
しかも株や投資信託にない最大の魅力は保険会社がつぶれない限り「将来の利益が確定している」ことです。
これが最大のメリットです。
勉強と労力が必要で自己責任の株と投資信託。
勉強と労力は必要なく利益も確定している保険。
100%歩合の仕事と、それなりに昇給が見込めている給与固定制の仕事、どちらが良いですか?と言われても「性格と能力による」としか言いようがありません。それと同じです。
株・投資信託だけですと、財産を大きく増やすことも可能ですが、大きく損なう可能性もあります。しかし保険のような利益確定型の長期運用だけでも、それほど増えない。ですから、これはバランスよく配合するべきです。固定給+一部歩合って感じですね。
保険はその性格上、お子様の学資を貯めたり、老後の資金を貯めたりといった用途に向いています。株・投資信託は短期で高利回りを狙えることから、市場全体が上昇傾向の時にはやっておいて損をすることは少ないどころか、かなりの利益を狙えます。(但しどこで手じまいするか?終えるか?は重要です。)
私がお客様にお勧めしているのは「現金・保険7割(低利回り/元本保証)、株・投資信託3割(高利回り/リスク型)を目安」にして下さい。ということです。もちろんどうしても「株が嫌い」という方は保険多めでも良いと思いますが、それでも1割程度は投資信託は買っても良いのではないかと思います。
(但し、今は高いのであまりお勧めしません。2,3年のうち遅くとも2020年には下がるでしょうから、そこで一気に買う方が良いと思います。それまでお金貯めましょう。)
頑張って稼いだ自分のお金です。出来ればしっかり運用して、将来のために資産形成したいものです。
しかし資産運用には「これが正解」ということはありません。人それぞれだから悩ましい。お悩みの方は是非みかづきナビにご相談下さい!!
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