嗚呼、税理士稼業・・・命がけの3月


弊社の大事なパートナーとして「税理士」がいらっしゃる。

しかし、その先生方の機嫌が2月に入ると一気に悪くなり、3月にもなると

「話しかけないでくれ」

というオーラが漂う。

その理由は3月15日の確定申告。

更には日本には3月末に決算を迎える会社が多いため、その仕事もある。

要は無茶苦茶忙しいのである。

蕎麦屋の大晦日、お菓子屋のバレンタインデー、そして税理士の3月15日。

まさに「繁忙期」と言える。

そのため、2月に入るとちょっとした用事で電話をすることもためらうし、

「先生、軽く一杯どうですか?」

などと安易に誘うことも出来ない。

気軽にそんなことを言えば、

「今、何月だと思っているのか?」

というまるで仁王像のような炎が背中にメラメラと立ち、こちらとしても後ずさりするしかないわけである。

税理士の先生方と一緒に仕事をするようになったのはこの4,5年だが、誤解を恐れず言えば、

「こんな地味な仕事なのか・・・」

という感じ。



IT化が進んだとは言え、複雑な税制をチェックするのは結局は人。

パソコンの画面と書類とを睨み申告書を作っていく。

当然ながら「正しくて当たり前」で、ミスをすればそれはすなわち顧客が必要のない税金を支払うことになり、修正申告で済めば良いが、それも出来ない場合は下手をすれば訴訟沙汰。

もうちょっと華々しい仕事かと思っていたが、職人のような仕事と言える。

反面、

「最近は税理士の競争も激化し、何よりコミュニケーション能力が大事。」

と皆が口をそろえる。(どの士業も同じだが・・・)



昔のように「税理士」という資格さえあれば仕事がある時代ではないので、

「外では出来る税理士を演じるために雄弁に語り、戻れば黙ってコツコツ内職・・・温度差で風邪ひくわ!!そもそもそういうのが苦手だから資格とったのに・・・」

ある先生の本音は税理士という仕事の本質をうまく表現している。

そんな税理士が1年でもっとも忙しいのが3月15日前で、売れっ子の先生はすべからず「死んでいる」

本当のギリギリになると、

「睡眠不足が何日も続き、ゾーン状態に入る。すると大事な数字だけが書類から宙に浮かび上がってくる。その瞬間が喜び。」

と何やら不気味なことを言っていた方もいたが、それくらい大変だということだろう。

そんな3月が終わり、4月に入っても、今度は3月末決算の顧客の申告(5月末)があるため暇になるわけではない。が、それでも殺気は消え、先生方の口角もやや下がる。

久しぶりに一杯やり、3月の愚痴を聞くのも例年の風物詩として楽しみの一つ。

命がけの3月。何とか無事乗り切って頂きたいと、無責任に祈るしかない。

本日のコラムでした。



 

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3月 8th, 2019 by