子育てに役立つセールステクニック その4 チンクロ


さて、最終回。

今回はチンクロというテクニックについて、その応用法を考察したい。

過去の記事は以下参照。

子育てに使えるセールステクニック その1 客だと思え!!鏡だと思え!!

子育てに使えるセールステクニック その2 加入資格を問う!!

子育てに使えるセールステクニック その3 ゴルディロックス効果

セールステクニック その4 チンクロ

「チンクロ」

そう言われてピンとくる人は相当なセールス通である。

正式名称は「沈黙のクロージング」

略して「チンクロ」

セールスの最終段階。買うか?買わないか?

そのような場面では、ゴチャゴチャ余計なことを言わず、

沈黙をもって相手の決断を促す

というテクニックで、優秀なセールスマンはだいたいこれを身につけている。

今まで饒舌に話をしていたセールスマンが、

「ご説明は以上です」

そう言って黙る。



商談において「沈黙」はキツイ。

しかし、それはお客様も同じで、その「間」のプレッシャーに「結論を出さないといけない」と感じる。

しかし、多くの場合、セールスマンの方が「間」に耐えられず、いかがですか?何か質問はありますか?などと余計な合いの手を入れてしまうのである。

 

要は喋り過ぎなのだ

 

子育てでも私も含め多くの親が同じく「喋り過ぎ」ではないか?そう思う。

普段のコミュニケーションでの「喋り過ぎ」は良いが、叱る時、諭す時、問いただす時、決断を求める時、「何で?どうしたいの?」と聞きすぎたり、逆に「こう思ったんだよね?」などと、子供の気持ちを代弁してしまったりする。

しかし、ここぞと言う時には親もチンクロをかますべきだ。

黙る方も辛い。

が、これは「心のにらめっこ」であり、先に喋った方が負け、というくらいの気概を持ってガマンしないといけないのである。



日頃、子供たちの接する学校の教師。

優秀な先生は、このチンクロを効果的に使う。

教室が騒がしく、静かに!!と注意してもダメな時。先生は檀上でひたすら黙る。

そのうち、「なんかヤベエぞ・・・」という雰囲気を感じ、全員が前を向き、部屋は静まりかえる。

そんな経験をした人も多いだろう。

沈黙にはそんな力がある。

まさに「雄弁は銀、沈黙は金」ということ。

「言って聞かせる」ということも大事だが「時には黙る」ということも同じくらい重要。そう感じている。



さて、書き始めると意外と興に乗ってしまい、こんなシリーズが4回も続いてしまった。

なお、全てのテクニックについては、私が日ごろ感じたことを綴っただけなので、これを元に「うちの教育は上手くいってます」などと言うつもりは毛頭ない。

我が子が悪い意味で「とんでもない大人」になってしまう可能性もあるし、そうなれば「何を偉そうに教育を語ってたんだ、俺は」と自嘲するしかないだろう。

その点では、私自身も「子育てに悩む親」の1人であることにはかわりなく、迷いながらの行動の根拠を求めた時、社会人人生を共にしてきたセールス理論に「答えらしき」ものを見たに過ぎない。

それとて「らしき」なのだから、何とも心もとない話。

結局のところ正解などない。と開き直るしかない。

本日のコラムでした。



 

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7月 5th, 2019 by