あなたが死んだらあなたのマイルはどうなるか?


3年前。お付き合いでANAカードを作った。

「これでマイルが貯まるよ」

と言われたが、イマイチぴんと来ず、

「老後に夫婦で世界一周出来るくらい貯まるかな?」

とのん気に放っておいたが、何とマイルは3年で失効すると言う。

無くなるくらいならばと思い、今回の夏休みの旅行で初めてマイルを使ってみたが、このようなハイシーズンは通常料金は高いわりにマイルの消費量はそれほどでもないので、かなり得に感じた。

普通に買えば17万円ほどの航空券が2.8万マイル。

換算すると1マイル=6円程度。

周りに聞くと「国内線の夏休みならそんなもん」らしい。

それでもまだマイルは残っているが、ここでふと気になった。

「これ、俺が死んだらどうなるんだ?」

何事も「死」と結びつけて考えてしまう。保険屋の悲しい習性だ。



そこで各社の約款を調べてみると、航空会社によってかなり対応が違った。

まず私が持っているANAだが、ちゃんと手続きを踏めば「相続可能」とあり一安心した。

対してJALは「ファミリー会員のみ相続可」となっており、死亡する前に親族を登録して、会員にしておかないといけない。

海外エアラインは「裁判所の書類があれば可」、「生前の譲渡なら可」などマチマチだが、全体的に塩対応。中には「相続一切不可」も結構ある。

相続だけのことは考えればANAが一番優しい。



次に気になるのは「税金」

もはやこれも職業病だが、相続税の対象になるのか?ということ。

と言うのも、たかがマイルとは言えバカには出来ない。

個人事業主でよくあるのが、代表のカードで業務に関わる決済を行い、大量のマイルを貯める手法。

毎月数百万円、下手すれば1,000万円近くを決済するため、マイルに換算すれば年間何十万、何百万マイルにもなる。

航空券の時価に換算すれば数百万円の価値となり、相続税の対象になってもおかしくない。

が、これは杞憂で、今のところ対象外らしい。

「らしい」と含みをもたしているのは、過去に何度が議題に出ているものの、現時点では国税庁から「対象外」とも「対象」とも正式には言っていないから。

専門家の税理士の中でも意見が分かれているそうだが、その論点のポイントが

価値を算定するのが難しい

ということ。



冒頭で述べたようにハイシーズンであれば1マイル=5,6円の「価値」があるし、マイラー達が「最もお得」と言う、

「ビジネスクラス世界一周チケット」
(6.3万~30万マイル:移動距離により変動)

であれば、1マイル=10~15円くらいになる計算。

逆にローシーズンでは格安航空券も出回るため、それと比較すれば1マイル=2円程度になってしまうことも。

そして、これらの権利は「3年で消滅する」ため、この「時効性質」を価値にどのように反映させるのか・・・

価値がないわけではないが、いくらが妥当なのか分からない。

ということで、現時点では実務上、相続財産に含めていないそうだ。

いぜれにせよ、お金同様、マイルもあの世までは持っていけない。

まさか天国(もしくは地獄)までのフライトで「マイルでアップグレードを!!」というわけにもいかんだろう。

生きてるうちに有効活用を心がけたい。

本日のコラムでした。



 

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5月 18th, 2019 by