iDeCoプラスは中小企業にうってつけのプチ退職金制度


1 掛け金が全額所得控除

2 運用益が非課税

3 60歳以降、受取時にも税優遇

などの特徴があることで、

お得な制度

として急速に広まったiDeCo(個人型DC)

今や131万口座が開設されています。

このiDeCoに「プラス」というものがあることをご存知でしょうか?

ほとんど知られていないのですが、2018年5月からiDeCoプラスという制度が始まっています。

その中身は、

社員のiDeCoに、会社が掛け金を補助出来る

というもの。



例えばA社の社員Xさんが、個人としてiDeCoで運用をしている、もしくは始めた時、A社が「5,000円上乗せしてあげる」というようなことが出来るのです。

但し、どんな企業でもこの制度を導入できるわけではありません。

主な条件は以下の通り。

1 従業員が100名以下

2 企業型確定拠出年金(日本版401k)、もしくは確定給付年金を実施していないこと

3 厚生年金基金を実施していないこと

4 従業員と労使合意が取れていること

これを分かりやすく言えば、

・中小企業で

・公的な退職金制度を導入しておらず

・本制度の導入にあたり、従業員の賛同が得られていること

ということになります。

仕組みとしては、会社が掛け金を給与天引きし、そこに補助分の掛け金を上乗せして納付するというもので、従業員が拠出した分の掛け金(加入者掛金)は「全額所得控除」、会社が拠出した分(事業者掛金)は「全額損金」となります。

注:iDeCoプラスのパンフレットから抜粋。



なお、会社の補助に関しては、

「Xは良く働くから+1万円、Yはイマイチだから+1,000円」

というような恣意的な補助にならないよう、以下のことを厳守するよう指導されています。

・役職や、職種ごとに補助額を変えるのはOK

・勤務期間で補助額を変えるのもOK

・しかし、同条件の社員間や、男女間で差をつけるのはNG

要は「公平・公正」を心掛けないといけない、ということです。

この点に留意した上で、「社員自身の拠出1,000円以上」、「合計5,000円以上」が必須です。

既に導入している企業では

「一律5,000円の補助」

もしくは、

「1万円を上限に社員が拠出した分と同額」

というルールが多いようです。

仕事柄、「従業員100人以下」の中小企業の経営者とお会いすることが多いですが、退職金制度が整備されている企業はごくわずか。

社員全員の数十年後の「退職金」を約束する退職金制度は、これらの中小企業には「重すぎる」のです。

「やってあげたいけど出来ない」

というのが経営者の本音でしょう。

その点、このiDeCoプラスであれば、あくまで従業員の自発的貯蓄(iDeCo)に会社として上乗せしてあげる。というものなので、制度としては「軽い」と言えます。

更に冒頭で述べたように税金面の優遇も大きいので、従業員個人としてもメリットがあります。

iDeCoは一度始めると、積立てたお金は60歳以降まで引き出すことは出来ませんから、老後の資金を貯めるにはうってつけ。

退職金制度のない中小企業にとっては導入しやすい制度なのではないでしょうか?

本日のコラムでした。



 

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします


9月 13th, 2019 by