赤字が経営者を強くする!!


赤字

経営者が一番忌み嫌う言葉だろう。

何かしらの理由で赤字を出す。それは、1年間、頑張ってきた結果が、

「会社の資産を減らしただけ」

ということで、その事実は経営者の肩に重くのしかかる。

頭の中で、

「この額の赤字が続けば、あの〇年で倒産だ・・・」

というネガティブなシミレーションを繰り返し、気分は鬱々とし、寝れない、食べれないなどの症状が出る方も少なくない。

そんな苦しい心境の中、出血を止めるための手をうち、血の滲むような努力で事業を前に進める。

しかし、そんな経験が経営者を強くする。

過去に赤字を経験した経営者何人かにインタビューしたが、皆口をそろえて

「あの赤字転落が良いきっかけになった」

と言うのだから、ピンチはチャンスということなのだろう。

本日はそんな社長たちから聞いた「赤字脱出のヒント」をご紹介したい。



・まず自分の給与。社員の給与には絶対に手をつけない

V字回復させた社長は皆、これをやる。

赤字になって、まず一番初めに自分の給与(役員報酬)を下げる。

そして、従業員の給与には絶対に手をつけない。

赤字は経営者の責任。

現場は頑張ってくれている。

それには応えないといけないということ。

赤字と向き合い「全ては自分のせいだ」と認めることが第一歩なのだろう。

 

・無駄な経費を徹底して削る

経費節減は当たり前のことなのだが、平時(儲かっている時)には意外と「まあ、良いか」で支出していることが多い。

それらのコストを徹底期に見直して、安いものに切り替える。

しかし、本業の「質」が落ちるようなコスト削減はしない。

これをやってしまうと、目先の数字は良くなるが、長い目で見て悪い影響を及ぼす。

どれを抑えて、どれを抑えないか。

赤字の状態でのこの判断は、経営者の究極の判断が問われるだろう。

 



・仕事の不安は仕事でしかぬぐえない

儲かっている会社の社長は暇なことが多い。

自分が何かをしなくても事業がまわっているので、意外とやることがないのである。

しかし、その結果が赤字だということは、システムに異常があるということ。

だからこそ、赤字という局面を迎えた経営者は、その原因と改善策を突き止めるために、システムの中にどっぷり浸かって必死に仕事をする。

その結果、細かな改善を積み重ねただけで、黒字化することも多い。(と言うか、基本的にこれしかない)

「心配ばかりしているより、体と頭を動かしている方が良い。そのうち突破口が見えてくる」

ある社長のそんな言葉が印象的だった。

 

・家族と危機感を共有する

これも重要なことらしい。

赤字ということに対して、社長は社員に相談出来ない。

会社への危機感は経営者と「それ以外」ではもの凄い温度差があるし、たとえ幹部でも、社長ほどには真剣に考えられないもの。

会社が倒産しても、転職をすれば良い従業員と、全財産を失う社長とでは抱えているリスクが根本から違うのである。

そんな時、味方になるのは家族。

家族と危機感を共有し、

「迷惑をかけるが、しばらくは仕事に集中させてくれ。」

そうコミットメントして、サポートしてもらう。

何をするにしても、家族の理解が一番だということだ。

 



・勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし

元々は平戸藩主 松浦清の言葉だが、野村克也監督の座右の銘としても有名。

実力が伴わなくても、不思議と勝ててしまうことがある。

しかし、負けた時だけは理由がはっきりしている。

「今思えば、負けた理由はいくらでもあった。甘かった。」

過去の赤字を振り返り、そのようなコメントをされる経営者は多い。

そのことに気づけたことこそが、「赤字の財産」とも言える。

 

さて、本日はちょっと硬い内容をお送りした。

各社、毎年、毎期の必死の勝負。

私などはそれを外野席で見ているようなものだが、「勝ち」よりも「負け」からの方が学ぶことが多い。

赤字を乗り換えた経営者は強い。

そして、その話には多くのヒントが隠されているのである。

なお、余談だが弊社のお客様で倒産した会社は過去に1社もない。

瞬間的に赤字になっても、すぐにテコ入れをして業績を戻す優秀な経営者ばかりで、私はそれを秘かな誉としている。(うちは何もしてないが・・・)

本日のコラムでした。



 

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11月 28th, 2019 by