コロナに罹患したら保険に入れないって本当?


つい先日、ある保険会社の担当者から耳打ちされた

「実は、コロナに罹患した方は完治しても原則加入出来ないことになりまして・・・」

それを聞いて耳を疑った。

「は?だって風邪の一つだぜ?」

「ええ、そうなんですが、予後(病気に罹患した後)がどうなるか、まだ分からないもので・・・」

だそうだ。

話を聞くと、ある数社が「コロナ加入不可」を打ち出し、他社がそれにならった模様。

実際、他の保険会社に確認しても「まだ検討中」という回答が数社あるだけで、ほとんどの保険会社がダメとのこと。



無論、理屈は分かる。

新型コロナにかかり、完治したとしても、その後、数ヶ月、数年の経過観察を見なければ、この病気が

・本当に重篤な後遺症を残さないのか?

・合併症などを引き起こさないのか?

ということは分からない。

仮に予後が悪く、保険金、給付金の請求が増えれば、それはすなわち「他の契約者」特にコロナ禍前から加入していた契約者にとって不利益となる。

契約者全体のことを考える保険会社としては「様子見」という態度は致し方ない。

が、保険業界で働くものとして、何とも情けない思いだ。

いくら何でも「今」ではなく、完治後も何かがあるという「事実」が分かってから決断しても良いではないか?

早々に逃げをうっているところが癪に障る。



一方、今回のコロナ禍で、保険業界は本当に良い取り組みをしたと思う。

コロナに罹患した場合、一律で給付金を支払う、という決定をした会社もあれば、解約返戻金の貸付に対して、当分の間、金利をゼロにするという会社もあった。

普段は何とも動きがノロい業界ではあるが、この非常事態に各社が「自分たちが出来ること」を真剣に考えて施策をうってきた。

しかし、反面、裏ではコロナ罹患者に対して加入を止める。

「保険業界」の二面性と横並び意識をまざまざと見せつけられた。

一度、コロナで入院した方こそ、保険の必要性を心から感じているはずだ。

コロナがどのような病気がいまだ解明できていない以上、保険会社が及び腰になるのは仕方がない部分もあるが、早々に科学的なエビデンスを得て、

「完治していればOK」

という方針に転換することを期待している。

本日のコラムでした。



 

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5月 4th, 2020 by