令和2年7月豪雨「超」異常気象を生きる覚悟




連日報道されている豪雨。

今回の災害は「令和2年7月豪雨」と名付けられ、大きな被害を受けた九州を始め、日本各地に大きな損害を与えている。

家やお店、工場、田畑。

それらが泥で覆われ、それだけでなく多くの尊い人命が失われてしまった。

お亡くなりになられた方々のご冥福をお祈り申し上げるとともに、被害にあわれた皆様が一刻も早く元の生活に戻れることを願うしかない。

本稿、タイトルに「異常な時代」と書いたが、私のように保険の仕事をしていると、ここ2,3年の災害はまさに『異常』としか表現のしようがない。

口で説明するより、以下のデータを見てもらった方が早い。

これは日本損害保険協会がまとめた自然災害での保険金支払事例トップ10、なお地震は含んでいない。

例外的に5番目に平成26年2月に関東で発生した雪害が入っているが、ほとんどが台風や豪雨によるもの。

そして、上の表で青い部分が「過去3年以内に発生したもの」で、過去何十年という災害、そして保険金支払という歴史の中で、2018年、2019年のわずか2年間に発生した災害がトップ10のうち5つを占めている。

2年前に9月に発生した平成30年台風21号においては、保険金の支払い金額が1兆678億円と、1兆円越えとなり、東日本大震災1兆2,833億円に次ぐ規模となっている。

とてつもない災害だったことが分かる。

そしておそらくは今回の令和2年7月豪雨もここに入ってくることになるだろう。



これらの災害が立て続けに起こる原因は地球温暖化。

私が高校生くらいのころから話題になっていたが、いまだ解決せずに悪化の一途をたどっている。

以下は環境省が公表している「2100年の天気予報」という動画で、その内容は衝撃的である。

注:ちなみにお天気キャスターとしてこじるり(小島瑠璃子さん)が起用されていて「そんな金があるなら他に使い道があるのでは?」とも思うが・・・以上余談。

この予測によると、このまま温暖化が進めば2100年には夏の東京の最高気温は43度(インドと同じ)にも達し、またその頃に発生する台風の風速は90メートルにも及ぶそうだ。

昨年千葉のゴルフ練習場の鉄柱を倒壊させた台風19号(2019年9月)が観測史上初の風速57.5メートルを記録したが、90メートルともなればその1.5倍以上。

木造の家など吹き飛んでしまうレベル。

この2,3年の災害の規模から思うに、このような未来の「スタート」が今なのだろう。

しかし、あくまで個人的な見解だが、こんな悲観的な未来が提示されていても、それでも温暖化は止められないと思っている。

その根拠は下記のデータ。

温暖化の原因だと言われるCO2の「各国の一人当たりの排出量」の比較資料である。
(出典) EDMC/エネルギー・経済統計要覧2020年版)

温暖化の戦犯のように言われている中国、インドも一人当たりの排出量では、それぞれ6.8トン、1.6トンと、日本の8.9トンより少ない。

むしろ、先進国のアメリカが、一人当たりの量に関しては「最も多い」という状態で、これで中国やインドに「CO2を削減しろ!!」と言ったところで説得力がないだろう。

もし私が中国人、インド人だったら

「『一人当たり』がうちを下回ってから言ってくれる?」

くらいにしか思わない。



だからこそ、グレタさんがいくら叫んでも、小泉進次郎がどんどんセクシーに進化しても、温暖化は止まらない。

もちろん「それで良い」などとは思っていないが、現実的な解がないのである。

このような背景からも、今後発生する災害の規模はどんどん凄まじくなっていくのではないだろうか?

今までとはレベルが違う

そう思って、普段から緊急時の行動プランを練っておく、そして大事な財産にはしっかりと保険をかけておく。等々の準備が重要になる。

今回の浸水被害に関しても、火災保険で「水災補償」を付けていれば、浸水被害(家財の被害、後片付け費用、家の修繕費用など)の保険金が払われる。

だいたいどの災害でも火災保険の加入率は8割前後と言われているので、被害にあっても8割の方々は何かしらの保険金を受け取れることになる。

逆に2割は無保険なので、全てが自費となってしまう。

同じ被災者でも天と地ほどの差がある。

また火災保険に入ってはいても「水害を付けていなかった」というケースも結構ある。

理由は保険料。

水害を外すと保険料がガクンと安くなるので、あまり深く考えずに外してしまっているようだ。(安易に同意してしまう売り手側も悪いが・・・)

火災保険に入っていないのであればまだ諦めもつくが、入っていたのに「対象外」では悔やんでも悔やみきれない。

このあたりのチェックもしっかりとやっておいた方が良いだろう。

いずれにせよ、今後は都市部でも地方でもいつどんな災害に襲われるか分からない。

異常な時代を生きている

そのことを念頭に置き、出来る準備をするしかない。

本日のコラムでした。



 

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします


7月 11th, 2020 by