新型コロナ「軽症者」の経験談も参考にするべき


弊社のお客様でも「コロナになった」という方がぽつぽつ出て来た。

一番早い方では4月に60代、その後、6月に30代、そして7月に20代。

幸い皆さん「軽症」で済んでいる。

60代の方は3,4日ほど「熱(37℃~38℃)があって、多少息苦しいかな?」という程度。

一方、30代の方はやや重く、10日間ほど、毎夜熱と咳が出て「インフルのような症状」がダラダラと続き「結構つらかった」とのこと。

最後の20代の方は、流石の若さで熱が出たのはたった半日。

朝辛かったが、夜には下がったそうだ。




新型コロナの軽症の定義は、

・風邪と同程度の症状(熱、咳、倦怠感など)

・自宅療養が可能

という2つで、熱の高低によって決まるわけではないらしい。

37℃でも39℃でも「自宅療養が可能」なら軽症に分類され、そのため、このお三方も軽症となる。

これが

・入院し、鼻や口からの酸素吸入が必要

となると「中症」に。

更に

・人工呼吸器などを装着する状況

になると「重症」となる。

報道では8割が無症状か軽症と言われているが、しかしながら、その軽症の中にも多少の濃淡があるようだ。

個人的に非常に興味があったので、失礼ながら根掘り葉掘り色々聞いたが、基本的には普段から「風邪に強いか弱いか」が影響しているようだった。

60代の方は普段からほとんど風邪をひかないし、ひいても2,3日で治る。

20代の方に関しても「一晩寝れば治る」という感じ。

しかし30代の方だけは、一度ひくと、1、2週間は具合が悪い、と言っていた。

当たり前の話、新型コロナも「強い人には弱く、弱い人には強い」ということだろう。

なお、この3名とも

味覚がなくなる

という新型コロナの特徴は共通しており、これが「意外とつらい」とおっしゃっていた。
注:この症状があったため、皆さんPCR検査を受けた。




なお、通常の風邪を引いた時にも軽度の味覚障害は発生する。

鼻やのどに炎症が発生することで、匂いや味がよく分からなくなるのだが、お話を伺うと、これらとはレベルが違うそうだ。

「結構辛いチゲスープを飲んだが、お湯を飲んでいるようにしか感じない」

というほどで、何の味も匂いも分からなくなるらしい。

食事の楽しみがなくなる、ということ以上に、この「何も感じない」という初めての経験が、自分の身体に尋常でないことが起こっている。。。という精神的な恐怖を呼び起こす。

しかも、他の症状がおさまっても、味覚障害だけは後を引くようなので(1週間程度)、これが結構なストレスになるとのこと。

徐々に味覚が戻ってきて、

「カレーが辛いと感じて、こんなに嬉しいとは」

とおっしゃっていたが、五感(視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚)のうち、嗅覚と味覚の「二感」を失った生活は想像以上につらいということだろう。

なお、このような経験をされたので、

「最近は家で大人しくしているのですか?」

と聞くと、全然、そんなことはない。

流石に大人数の集まりや「夜の街(キャバクラ、クラブ)」は避けているものの、お三方とも元々が「結構出歩いているタイプ」だったので、今でも少人数の食事会やゴルフなどには元気に参加しているそうだ。

「確かに結構つらかったが、それはインフルエンザや普通の風邪だって同じ。治ったらちゃんと経済活動に参加しないと」

とのこと。

新型コロナのリスクと、過剰な自粛による経済の低迷リスク。

一度経験しているが故に、どちらが「本当のリスク」なのか答えが出ている様子だった。




マスコミやネットニュースは、重症者の壮絶な経験や後遺症を伝え「本当に怖い病気」だと言う。

それも事実だと思うが、一方で軽症者の経験も事実で、数としてはそちらの方が圧倒的に多い。

重症と軽症、どちらの話も同列で伝えるべきだと思うが、悲惨な方が受けが良いので、どうしても見聞きする情報は「怖い」の方に偏ってしまう・・・

もちろん、私自身たとえ軽症の経験談でも「嫌だな」とは思う。

しかし、

・つらさは普段の風邪の『倍』くらいで済むことが多い

・味覚障害はかなりの確率で発生するが、時が経てば治る

ということを知っていれば、何も知らないよりは恐怖感を和らげてくれる。

ならないに越したことはないが、なっても「まあまあ」という気分にしてくれるという点では、軽症者の話には意味がある。

先日、発表されたGDP -27.8%(第二四半期、前年比)も、皆がどこか他人事だが、実際に私が暮らす街でも「閉店のお知らせ」を目にすることが多くなった。

そして、それは過去のリーマンや東日本大震災の比ではない。

これら現象は一見自分には関係がないように思っても、時間をかけて巡り巡って自分たちの首を絞める。

無論、新型コロナが簡単な病気だとは言わないが、マスク、手洗い、消毒など、気を付けられるところは気を付けた上で、皆が「積極的」に経済活動に参加することを考えないといけない時期にきているのではないだろうか?

少なくとも私はそのようにしたいと思っている。

本日のコラムでした。




 

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8月 22nd, 2020 by