森さん問題に見る男女老若の闘い


森さん、ちょっとかわいそうじゃない?

世間の感覚とズレているのかもしれないが、率直にそう思う。

がんだけでも辛いのに、週3の人工透析までやっていて、しかも無報酬だと言う。

もちろん裏には利権とか恩恵とかが山盛りにあって、実質的には「無報酬」ではないのだろうが、それでもあの年齢で金だけのためにやっているとも思えない。

確かに「発言(女性のいる会議は長い)」はよろしくないが、とはいえ83歳の爺さんが言ったこと。

しかも、既に終了した会議で、最後に司会が気を利かして「会長からも一言」と振った中での発言だそうで、その会議は40分で終了したのに、会長の「一言」はその後50分も続いたらしい。

あんたが一番話長いよ!!

と全員が突っ込むところで、本人も一応は謝っているのだから、そこまで目くじら立てなくても・・・とは思ってしまう。

まあ、その点、私も古い人間なのだろう。

自分では女性蔑視のつもりはないし、生保業界という「ガチで女性が強い世界」にいたので、女性の優秀さは骨身にしみている。

一回り以上年下の女性の営業に「ダブルスコア」で負けたこともあり、恥ずかしい思いをした。

だがふと考えると「恥ずかしい」と思うことが蔑視なのだろう。

年下だけでなく、女性に負けた。

負けは負けであり、その相手が先輩男性でも、後輩女性でも心の中で頂く感想は「同じ」でなくてはいけない。

それが真の男女平等ということなのだろうが「女性に負けて恥ずかしい」と思っている段階で、どこかで女性を下に見ているということになる。

女性の優秀さ、強さをまざまざと見せつけられ「ボコボコにされても」そんな感情があるのだから、我が事としても女性蔑視の問題は根深い。

そういう意味では、今回のことはかなり大きな問題提起になっただろう。

「この手の発言は大事になるんだな」

そう肝に銘じたおじさん達が、一斉に口をつぐむ。但し「本音」が変わるわけではないが・・・

男 vs 女の闘いはこれからも水面下で進んでいく。

ある種の権力闘争だけに、綺麗ごとではない。

ちなみに今回の騒動、男女の戦い以外にも老若の攻防があった。

森さんが、自分の後継として川淵さんを指名したことが「老害」、「院政」などと批判されていたが、これもある種の老人蔑視ではないか?と思う。

実際問題として、膨大な関係者たちと利益調整をし、「これは借りだ」、「ここは貸しだ」と丁々発止のやりとりをするには老人の方が向いている。

森さん、川淵さんなどはそれらの関係者と、長年の「貸し借り帳簿」があり、これは交渉の資本力のようなもの。若い人には簡単には真似できない。

「年寄りには年寄りの使い道があるんだよ」

と、昔、ある業界団体のボスが言っていたが、確かに一理ある。

そうだからこそ、当初は周囲から辞任を止められたのだろう。

だが、世の中の「老人は去れ!!」という声に負けて(本質的には女性蔑視と同じであるにも関わらず)、結局は転げ落ちるように身を引いた。

男、女、老人、若者。

それぞれのセグメントにいる者たちは、別のセグメントの者の心情を真に理解することは出来ない。

分からないからこそ敬意が必要だと思う。

森さんの発言も女性への敬意が欠けていたが、同時に森さんに対する「世間」の態度も敬意を欠いていた。

色々あるかもしれないが、病身で頑張ってきたのだから、せめて花道くらいは綺麗にしてあげては?と思う。

しかし、それも私が純粋な若者でない中途半端な中年で、どちかと言えば「老害」の入り口に立っているからかもしれない。

本日のコラムでした。

 

 

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします


2月 14th, 2021 by