億り人に必要なのはアホさ or 無欲


この数ヶ月で私の身近なところに、資産1億円を超える通称「億り人」が数人誕生している。

その理由はビットコイン。(を含む仮想通貨)

この1年間で10倍近く跳ね上がったため、一気に資産を億の大台に乗せたそうだ。

しかし、それらの友人、知人は率直に言って、経済や資産運用のことなど、

ほとんど知らない

なんかビットコインっていうのが激熱らしい。そんなノリで買って、あれよあれよと言う間に資産が10倍、20倍になった。

何とも羨ましい話だが、一方、ビットコインに投資をしても、さほどの利益も得れない人もいる。

100万円で買って、1ヶ月後に130万円で売った、30%ほど儲かった

そんな感じだ。

そして、そういう人こそ、株や為替など、投資に深い知識をもっていたりする。

もちろん30%もの利益が出ていれば、投資としては凄いことなのだが、それでも今の高値を見ると、結果的には早仕舞いし過ぎた感が否めない。



また、先日、こんな話も聞いた。

ある大手IT企業。

そこに10年前に入社し、ストック・オプションを得て、1年前に退職をした。

こちらも数億円の価値があり、一部は売ったが、今でも大半は持ち続けているそうだ。

そこにこの株高。

一気に資産が倍増した。

もちろん、この方の同僚でも、同じように資産を増やした方が多いが、そのIT企業の「ある部署」の人たちだけは、オプションを得た直後に全てを売却してしまい、その時の株価は今の1/10程度だったらしい。

その部署とは財務部。

内部の数字を全て知っているが故に「ここらへんが良いところ」と思ったのかもしれない。

何とも皮肉なもので、財務部の人たちだけが、自社の将来性を信じられなかったということだろう。

ちなみに、その方に「何で売らなかったの?」と聞くと、その返答は

「目の前の仕事が忙しくて、良く分からないから放っておいただけ」

と、何とも素っ気ないものだった。



ビットコインとストック・オプション

この2つの話には「一財産築くためには?」という点から多くのヒントを含まれている。

冒頭のビットコイン億り人も、ビットコインは1,000万円を超える!!と熱く語っていて、その根拠として、ビットコインが有限であることや、政府が発行するお金がいかに信用ならないか、などをまくし立てていたが、正直、仮想通貨を礼賛する記事から抜粋してきたような話で、一応はお金の仕事をしている私には納得出来るようなものではなかった。

その説を信じて、1ビットコイン=1,000万円になる!!と待ち続けられるのは、ある種の「アホさ(良い意味での)」が必要だ。

また、その当時ですら売れば数千万円になるストック・オプションを「良く分からない」というだけで、放っておける無欲さも凄い。

30%上昇での「売り」も、財務状況を見ての「売り」も、教科書的には決して間違っていない。

しかし、それを超えるアホさと無欲が、結果としては「教科書」の10倍以上の資産を築いたわけで、何とも愉快な話である。

ちなみに、下手に知っている私には、このようなことは到底真似出来ない。

だからこそ軽い嫉妬を持ちながら、アホと無欲を眺める他なく、それが「知識人」の限界でもある。

本日のコラムでした。

 

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2月 25th, 2021 by