東京人口減少は本当か?東京の不動産の「今」


最近、コロナによるリモートワークの定着で、東京から地方への移住が増え、人口が流出しているかのような報道を目にすることが多い。

しかし、これはある面では本当だが、ある面では不正確である。

以下を見て欲しい。

国が発表している人口推計から、東京都の居住人口を抜き出した表だ。

 

コロナが始まった2020年1月の東京の人口は1395万1,636人。

2月が微増、3月には微減する。

しかし、これは企業の人事異動などで、東京から地方へ行かれる方々であり、例年、3月は微減となっている。

そして4月、5月にはそれぞれ3万831人、2万351人と、合計5万1,182人ほど増えている。

これらは、

・新入社員

・新入学生

などと思われるが、その前年の2019年にも4月+2万7,969人、5月+3万6,227人と、4月、5月だけで6万4,196人が東京都に新規で流入していることと比較すれば、約1.3万人ほど「東京に来る人」は減っている。

これは間違いなくコロナの原因で、新入社員や、新入学生に「自宅にてリモート」が命じられたことで、東京に出てこれなくなったことが影響していると思われる。

例年であれば、6月以降も微増が続き、9月には企業の半期の人員配置などの影響で減る(2019年もマイナス2019人)ものの、その他の月は概ね人口流入が上回る。

しかし、2020年は、6月、そして8月から翌年3月までは、常にマイナスとなっている。

やはり「東京を出ていく人が多い」というのは、ある意味では真実と言える。

これもリモート勤務などの定着によるものだろう。

だがそれでも、コロナ前と現在を比較すると、

・コロナ前 2020年1月 1395万1,636人
・現在   2021年4月 1395万7,129人
+5,490人

となっており、東京都の人口はほとんど変わっていないどころが、このコロナ禍にあっても微増しているのが現実だ。

しかし冒頭のような「地方移住」の報道を目にすることもあり、事実としては「減っていない」のだが、感覚としては「減っている」と思っている方が多いのだろう。

そうなると、こう思う方が出てくる。

「東京、人口減るなら、不動産も下がるのでは?」

と。

弊社は不動産の仕事もしているので、昨年の中頃から「良い物件があったら買いたい」というお話を頂くことが増えたが、お金がある人ほど、このコロナ禍での人口減(実際には減っていないが)を、「良い投資機会」だと考えるようだ。

が、不動産価格は全く下がっていない。

それどころか、都心部は逆に上がっている。

おそらくは、同じようなことを考える投資家が多く、また世の中にお金がダボついているため、資産バブルを形成しているという向きもある。

だが、不動産の中でもかなり苦戦を強いられている分野がある。

それが「ワンルーム」

先程のデータからも分かる通り、ワンルームの主な契約者である「若者(新入社員、新入学生)」が東京に入ってこなくなってきたからだ。

例年、「若者流入」のピークである4月、5月の流入。

2019年に約6.4万人が、昨年、5.1万人に減り、今年は更に落ち込むことが予想されている。

5月のデータはまだ分からないが、既に4月で1.5万人と、昨年の3万人から半減している。

これらの「若者減少」の影響をダイレクトに受けるのがワンルームであり、実際、足元の空室率も上がっている。

では東京のワンルームの値段が下がっているのか?と言うと、これも不思議なことにほとんど下がってはいない。(流石に上がってはいないが)

現時点では、

若者減少=ワンルームニーズの低下

という悲観論と、

コロナが落ち着けば若者は東京に来る

という楽観論がうまい具合にバランスが取れていて、値崩れを起こすまでには至っていないのだろう。

個人的にはワクチン接種が広まれば、秋冬には大量の若者が上京し、むしろ「良いワンルームが少ない」というような状況になるのではないか?とも思っている。

本日のコラムでした。

 

 

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5月 19th, 2021 by