最近、お客様や友人などから、自身の勤務先について
なんかうちの会社ヤバそうなんだよね・・・
というような話を聞く機会が増えた。
コロナ禍真っ只中の時には、銀行も無利子、無担保でバンバン貸してくれたため、倒産の先送りが出来たが、しかし、ようやくコロナも収束。
銀行も金融引き締めに動いていることから、いよいよ問題のある企業が追い込まれてきたようだ。
20年以上も営業の仕事をしていると、悲しいかな「企業の死(倒産)」に立ち会うこともある。
そこで今回、会社が潰れる時にありがちな「サイン」についてまとめてみた。
なお、あくまで主観である。あまり目くじらを立てずに聞いて欲しい。
サイン1 トイレが汚い
一番顕著に現れる。
会社の業績が傾いてくると掃除がおろそかになり、それが如実に出るのがトイレ。
倒産間近の会社に所用(売上回収)で行ったことがあるが、そこのトイレは
ブロンクス(アメリカのスラム街)か!!
というほど汚なかった。(ブロンクス行ったことないけど)
会社のトイレなのに「◯◯(おそらく同僚)死ね!!」みたいな落書きが書かれており、ドン引き・・・
サイン2 派閥が跋扈する
業績低迷により社長が実権を失う。
結果、幹部社員たちがそれぞれ徒党を組み、好き勝手やるという現象が発生する。
要は「社長の言うことを誰も聞かない」という状態で、売上をちょろまかしたり、経費を不正利用したり。
モラル低下により、現場の社員に覇気がなくなり、更に業績が落ちるという悪循環となる。
実際、ある会社で役員がカラ領収書を経理に回して小銭を稼いでいる場面を目撃したが
「どうせ潰れるんだから今のうちだよ」
と笑っていた。
そしてその後、本当に倒産した。
サイン3 経理部だけやたらと忙しい&やたらと税理士が来る
会社の数字を把握しているのは経理部なので、会社の異常には経理担当者がいち早く気づく。
経理部の人間がやたらと多忙であったり、いつも社長とミーティングしているようになると末期である可能性が高い。
また、今まで年に数回しか来ていない税理士が「最近、やたらと来る」というのも相当ヤバい。
倒産まで3!2!・・・という感じだろう。
サイン4 社長の妻の退任
中小、中堅企業においては、社長の妻が取締役であることが多いが、倒産すると、会社の借入金の連帯債務者である社長の個人財産も取られてしまう。
つまり妻も一蓮托生。
「身ぐるみ剥がされる」
という表現がぴったりで、そうなれば夫婦ともども丸裸で放り出されてしまう羽目に。
それを回避するために
「妻に財産を移し、偽装離婚する」
という手法が古くからあるのだが、その前段階として、妻を役員から外し、会社と関係のない立場にしておく必要がある。
何の理由もないのに、社長の奥さんが退任する時には「何か」が起こる前兆かもしれない。
サイン5 コピー機が壊れる
社長の乗ってる車と企業の業績は連動するが、それと同じく、コピー機の性能も業績と連動する。
儲かっている会社は業務効率のために「高性能複合機」を導入し、かつそれらが故障して業務の妨げとならないように、しっかりとメンテナンスされている。
反面、業績が落ちると、いつまでも旧式のものを使い、かつ壊れても何とかごまかして使用し続ける。
いつの間にか、社内に「こういう故障の時はこうすれば良い」という謎のノウハウがたまり、普通の事務員が大塚商会のメンテナンス要員なみにコピー機に詳しくなっていたりする。
しかし、いよいよもって倒産を目前としたある日。
使命を終えたコピー機は「おじさんの時計」のようにその動きを止める。
「今は、もう動かないぃ~社長さんのぉコピー~」
誰もいないオフィスでコピー機は静かに寿命を終えるのである・・・
サイン6 未納通知書
潰れる会社の最終段階では「社保未納」や「消費税未納」を起こす。
金融機関向けの借り入れが滞ると「シャレじゃ済まない」が、社保、消費税などは多少は待ってくれる。(ホントは待ってくれないけど)
そのため、資金繰りに窮した企業では「未納」が発生しやすいのである。
当然、電話や通知書など、様々な催促が来るので、分かる社員には分かる。
特に郵送物の回収などは、若いOLなどがやっていることも多いので、税務署や社保事務所から「重要」などと赤字で書かれた封筒が多数届けば、「あれ?うち、もしかしてヤバい?・・・」と気づく。
そして、若いOLの口の軽さは半端じゃないので、それらの噂は光の速さで社員間に広がっていいく。
率直に言って、この段階になると、企業生存率は3%以下だと思って良い。
サイン7 社長の目つき、身なり
追い込まれた経営者の「目つき」というのは凄まじいものがある。
上手く表現出来ないが、それでも敢えて言うなら
よどんだドロ沼に、ギラギラ光るスーパーボールを散らしたような目
という感じだろうか・・・
連日の睡眠不足と、不安を解消するための安酒&深酒、それにより目は淀んでいるのに、一発逆転を狙ったギラギラ感はある。
ドロドロギラギラ、ドロギラー
そう表現するしかない異様な目。
また、これと似たようなことで「社長の身なりが汚くなる」というものもある。
今まではパリッとしたスーツを来ていたのに、急にダラシない格好になったり、髪がボサボサになったり。
私が会った倒産社長も、以前はおしゃれだったのに、最後は肩にフケが積もるくらい不潔になっていた。
「社長、最近なんか小汚いし、目つきやばくない?・・・・」
そう思ったら、自分の直感を信じるべきだ。
以上、「会社が潰れる時」の7つのサインをお送りした。
経験上、この7つのうち3つ、4つほど該当していたら、まず余命数ヶ月と思って良いだろう。
早々に泥舟から逃げるも良し、最後まで運命を共にし「会社都合退職」で失業手当を長めに貰う良し。
いずれにせよ、身の振り方を考えて欲しい。
本日のコラムでした。
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