可愛い子には旅をさせよ!!子供だけで泊まれる宿を探せ!!


映画スタンド・バイ・ミー。

「死体探し」の旅をする子供たちの葛藤と友情を描いた名作だが、いつの時代でも旅は人を大きく成長させる。特に子供のころは。

本日はそんなお話。

 

先日、実家に帰ると、たまたま70代の親戚の叔母が遊びにきていた。

その叔母が私の顔を見るなり「相談がある」と言う。

こう見えて私、国家資格の中でも難関とされるFP1級技能士と宅建士を持ち(実際は高尾山レベルの資格)、そして比類なき保険への深い見識がある。

相続絡みか、はてさて税金か。

きっとそのあたりかと思っていると、叔母がこう言う。

「孫が京都に行く」

ほう。なるほど。

ちなみに、その「孫」は、私にとっては「はとこ(再従兄弟)」にあたり、法事などで何度か面識がある。

ちょっとシャイだが、なかなか意思の強そうな少年だ。

話を聞けば、彼は中学最終学年の3年生。

しかし、楽しみにしていた京都への修学旅行がコロナ禍により中止になってしまったそうだ。

そこで、彼は

「もはや学校になど頼らぬ。我々だけで京都に旗を立てよう!!」

と数人の有志で上洛(京都へ入ること)を目指すと言う。

学校が下した「中止」という決断に従わず、単独、京都へ赴く。

まさに現代の新選組ではないか。

さて?

で、私に出来ることがあるだろうか。



ああ、もしかして旅行保険あたりか、そう推測した。

中学生だけの旅行。何かトラブルがあった場合の保険はどうしたら良いか?そんな内容ではないかと。

しかし、そんな期待を裏切り、叔母はこう言った。

「あんた。どこか良い宿知らない?」

あまりの「相談」に絶句してしまったが、私は国家資格の中でも難関の(以下、省略)であり、JTB勤務でなければ、HIS勤務でもない。

しかも京都など、人生で5,6回訪れただけで、

・街が碁盤の目になっている

・下る、とか上るとか、やたらと住所が長い

・タクシーの運転手が『先の戦』と言うと、それは第二次世界大戦ではなく応仁の乱のことを指し、かつ、それを言った時のドヤ顔に腹が立つ(2度経験あり)

くらいの知識しかない。

それに「良い宿」であれば、私より一休か、じゃらんの方が詳しいのではないか。

ネットで調べてよ・・・

そう答えようとしたが、話を聞くと、そういうことでもないらしい。

中学生だけで泊まれる宿があるのか?

ということ。

特にこのコロナ。

引率者なしでも子供だけでも泊まれる宿を探しており、それを含めての「良い宿」ということらしい。

無論、私の專門分野でもなく、基本的には「知らんがな」という話ではあるのだが「頼まれごとは試されごと」というポリシーに基づき、調査してみた。

ネットの記事を見ると「ドミトリーなら大丈夫」というものが多い。しかし、今は違う。

各ドミトリーも「未成年だけの宿泊は不可」となっており、更にはコロナで臨時休業しているところも多い。

様々な国籍、人種の若者が交差するドミトリー。

コロナ対策にとっては天敵のようなものだろう。

いきなり手詰まり。

こういう時はローラーに限る。



しらみ潰しに電話する。それがローラー。

15分考えて答えが出なければローラー。

それも私の「ポリシー2」である。

経験上、とりあえず手足を動かせば、自ずと何かが見えてくる。

yahooトラベルで条件を入れ、そこに表示されたホテルに上から電話してみた。

1軒目。

「あのぉ、すいません。つかぬことをお伺いしますが、引率者なしで中学生数人だけで泊まることは可能でしょうか?」

「はあ、どのようなご事情でしょうか?」

「いや、実はこのコロナで京都の修学旅行が中止になりまして。で、子供たちだけで京都に『旗を立てたい』と・・・」

「そりゃ、立派な志ですなぁ(急に京都弁)本懐を遂げて頂きたいどす。(注:「どす」は「です」だった気もする。あくまでこちらのイメージ)」

なかなかノリの良い女性だった。

だが、実際には色々なルールがあり、即答は出来ないとのこと。

支配人に確認し、折り返し連絡いただくことになった。

そして、10分後。

「えらいお待たせしてすんまへん。確認しましたら、親御さんの同意書をお持ち頂ければ問題ないとのことどす(注:「どす」は「です」だったような、以下省略)」

なんということでしょう。

いきなり一軒目ですんなりOK。

やはりローラーは強い。

補足ながら、同意書というのは、これ(リンク)で、全国共通で使用できるとのこと。

ちなみに「遠まわし表現文化」の京都らしく、直接的には言わないまでも、

「コロナふざけんな(周辺の政策も含め)」

と静かな怒りを感じているのか、少年たちの「上洛」に控え目な拍手を送っているようだった。

その後、数軒電話してみたが、NG、OKは半々というところ。

以上、叔母に報告し、任務終了。

無論、中学生だけの旅行に賛否両論はある。

特にこのコロナ禍。

不謹慎かもしれない。非常識かもしれない。

でも良いじゃん。良いよね?(誰に同意を求めているのか分からないが)

もう我慢する必要はないと思うよ。俺は。

可愛い子には旅をさせろ。

昔の人は良いことを言う。

親や学校が教えられないこと。それは旅が教えてくれる。

全国の少年少女たちのスタンド・バイ・ミーに静かな拍手を送りたい。

泊まるところなら、何とかなることは調査済みだ。

本日のコラムでした。

 

 

 

 

 

 

 

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2月 21st, 2022 by