金融空想話 もし4,630万円振り込まれたら、私なら・・・

田舎暮らしを満喫する一人の青年に、ある日、突然振り込まれた大金4,630万円。

「世にも奇妙な物語」のワンシーンのようだが、山口県阿武町で実際に起こった事件。

青年が住む阿武町が実施する困窮世帯463世帯への10万円の振込を、誤ってこの青年一人に全て振り込んでしまったのだが、その返金を拒んだことから連日ワイドショーに取り上げられ、挙句の果てには逮捕されてしまった。

街頭インタビューでは、路行く人が皆

「国の税金。返さないなんておかしい！！」

と正義面で言っていたが・・・・

本当か？

確かに人生を狂わせるには4,630万円は少額かもしれないが、もしこれが4億6,000万円なら？46億円なら？いやいや、460億円なら？

そう思うと想像力が広がってウキウキしてしまう。

そんなこんなで、最近、弁護士や税理士、経営者などに会うと

「もし自分だったらどうする？」

という話題で盛り上がっている。

そこで出てきた「色々な方法」をご紹介したい。

なお、あくまで「空想」の話。仮に誤入金があっても実行しないように。

 

1　埋める

シンプルイズベストな方法。

全てを現金で引き出して、自分しか知らない山中深くに埋める。

もちろん逮捕され、数年の刑務所暮らしを強いられるが、出所後にそれを掘り起こせば大金持ち。

これは誰でも思いつく方法だが、落とし穴がある。

まず出所後「拉致して、埋めた場所を吐かせよう」と企む反社会的勢力に狙われるリスクがある。

また、仮に自己破産をしても「不法行為による損害賠償責任」は免れないので、債権者、この場合は阿武町にずっと監視される。

なかなか不自由な人生になりそうで、金があってもなぁ・・・というところ。

 

2　足がつきにくいものに投資しちゃう

まず、現金で引き出す。

それを信頼出来る家族や友人に預け、その人名義で株や暗号資産に投資。

株なら配当7％以上で、あまり値動きがない銘柄5,6種に。

債権はアメリカ国債。

暗号資産はビットコインかイーサリアム。

これらに、分散投資して、平均7％以上のリターンを狙う。

4,630万円なら年間約320万円、4億6,000万円なら、約3200万円の利益。46億円なら3.2億円・・・

ゴクリ　思わずつばを飲み込んでしまう・・・

もちろん捕まっても「金の行方」は言わず「お金が憎い！！全部燃やしてやった！！」とか適当なことを言う。

当然、刑務所暮らしとなるが、4,5年も入っていればそれなりに増えている（はず）

出所後、元本を阿武町に返済し、増えた分の中から名義を貸してくれた方に「お礼」をして、残りを自分のもの。

返済はしているので、正々堂々と生きていけるが、刑務所に入っている間

「あいつ（お金を預けた相手）、ネコババしてないか・・・」

と疑心暗鬼に陥いり、精神を病みそうだ。

また、実際にブラックなお金なので、ネコババされる可能性も高い。

結局、出所後に無一文になってしまうかもしれない・・・

絶対的に信頼出来る相手がいて、しかもその人の根性がかなり座っていないとできない方法。

 

3　一か八かカジノで勝負！！

ここからはカジノ大好きなある社長さんの話（私は良くわからない）

オンラインカジノはあまりに怪しいので、やっぱりカジノは現地に限る。

近いところでは韓国。

警察の手がとどく前に軍資金を手に韓国に飛び、カジノで人生を賭けた勝負をする。

・ルーレットの赤黒（2倍配当）で一発勝負でも良いが、一瞬で人生が終了する可能性もある

・自分ならダブルココモ法でコツコツ勝負する
注：カジノの賭け方では、2倍配当の勝負に負けた場合、掛け金を売買にしていく「マーチンゲール法」が有名だが、ダブルココモ法はそれをより「ローリスク、ローリターン」にしたもの。3倍配当のゲームで使う（らしい）話を聞いたが私は良くわからなかった。興味がある方は調べて頂きたい。

・腕に覚えがあるならブラックジャックも良い。ブラックジャックは唯一、親より子の勝率が高いゲーム。多少ツキがあれば一晩で資金を1.5倍程度に出来る

増えた段階で手仕舞いし、帰国、空港で待ち構える警察、阿武町職員に素知らぬ顔で4,630万円を返す。

もちろんギャンブルなので、全額失う可能性もあるが、増える可能性もある。

ちなみにこの話をしてくれた社長は「今まででいくら負けたか？聞くな！！考えたくない・・・」と言っていた。

 

4　勝手に配っちゃう

阿武町の困窮家庭に勝手に10万円を配る。令和の五右衛門。

阿武町は人口3,000人程度で、世帯数は約1,500。そのうち463世帯が住民税非課税世帯なので（それもすごい話だが・・・）それらの世帯をバイクで回って現金10万円をポストに入れてしまう。

当然、町の職員は1軒ずつ「返金して下さい」と頭を下げて回らないといけないが、どうだろうか？

赤信号、皆で渡れば怖くない

の論理で、意外と返金に応じない人も多そうだし、ある日突然ポストに入っていた金なので、それが誰からのものなのかは立証しようがない。

どの程度の家が素直に返すのか見てみたいものだ。

なお、この10万円は国からの給付ではないので、阿武町は別途、困窮世帯へ給付せざるをえないし、これをやればあの青年もダークヒーロとしてもてはやされだろう。

もちろん逮捕されるだろうが、自分がお金を得ていないので執行猶予はつきそうだし、それがあけたら阿武町の町長くらいにはなれるかもしれない。

そもそも今回の件、阿武町がバカ過ぎる。

会見では何やら偉そうなことを言っていたが、463世帯にお詫び行脚をさせるくらいで丁度良いかもしれない。

以上、「私ならこうする」という空想話。

うーん、最後の五右衛門は面白そうだね。是非やって欲しかった。

本日のコラムでした。