来年4月。いよいよ黒田総裁が日銀を去る。
次の総裁については「遣唐使(検討使)」岸田総理が決めるらしいが、総理自身も、政権のご意見番「マフィア」麻生副総理も、緊縮財政派らしく、今のデタラメな「異次元金融緩和」には内心こころよく思っていないそうだ。
しかし、かと言って急に方向転換すれば、下手すると急激なインフレ、金利上昇などを招きかねず、これも困る(多分、これが今の日本には一番キツイ。というか終わる)
つまり次の日銀総裁に求められるものは
・長い間染み付いた「日銀=マイナス金利」というイメージを修正しつつも
・実際にはそれほど大掛かりには変えない(変えられない)
・だけどいつの間にか正常化(プラス金利)に近づいていく
これをやれる人材ということ。
すげー難しそう・・・
つーか、無理だろ。
ではそんな無理ゲーのプレイヤーは誰になるのか?
各種報道を読み解きながら勝手に予想したい。
識者の意見を総括すると、有力候補は3人いるそうだ。
以下に私の「超主観」も交えつつ紹介していこう。
1枠 雨宮 正佳 (アマミヤ マサヨシ)副総裁
「何か見たことあるなぁ」という顔で、どこの家の親戚にも1人くらいいそうな雰囲気のおじさんだ。
なおこの写真は日銀のサイトから拝借してきたのだが、公式の写真なのにニヒルな笑顔を浮かべているところが小憎たらしい。
昭和30年生まれ 67歳
東大経済学部卒、昭和54年(1979年)日銀入行。2018年 副総裁就任。
日銀一筋の日銀マンで、今の黒田総裁の右腕的な存在とのことだが、ずっと国内にいたので、日本の政財界の方々とも太いパイプを持つらしい。
この人が総裁になれば、基本的には黒田路線を引き継ぎつつ、政界、経済界の要望を汲んで少しずつ路線を修正してくれそうな気もする。
だが、大きな変化はのぞめない。
勝手な予測ながら、任期満了の5年後には「えー、あの人何かやったか?」とか言われそうな気もする。
2枠 中曽 宏(ナカソ ヒロシ) 大和総研理事長
「優しそうだけど、怒ったら怖そう」
そんな印象。
私が通っていた高校の理科の先生に激似だが(いつも白衣着てた)、まあ、それはどうでも良い。
こちらも生粋の日銀マンで、先の雨宮副総裁の先輩に当たる。
昭和28年生まれ 68歳。
東京大学 経済学部卒。昭和53年(1978年)日銀入行。2013年 副総裁就任。
2018年に退任(雨宮副総裁と入れ替わり)
同年、大和総研理事長に就任。
国内畑の雨宮副総裁に対し、海外勤務が長く、ロンドンとかジェネーブなど金融の本場で仕事をしてきた日銀きっての海外通。
諸外国の中央銀行の要人とも仲が良いらしく、色々な意味で雨宮副総裁とは対照的な存在。
この人の方が「国際金融にならって大きく変えそうだな」という期待感は持てるが、記者のバカな質問に
「君ねぇ、ロンドンのシティ(金融街)では」
とか
「ウォール街では」
とか言いそうで、海外コンプレックスの強い日本では炎上の気配濃厚だ。
(もちろん勝手な推測)
3枠 浅川 雅嗣(アサカワ マサツグ)アジア開発銀行総裁
何かと話題の香川照之さんを「ちょいブサ」にしたような顔で好感が持てるが、この稿を書いている時に写真を盗み見した妻は
「海江田万里(立憲民主)の悪口書いてるの?」
と言っていた。
確かにそちらにもに似ている。
下馬評では「ダークホース」的な位置づけだが、こちらは元財務官僚。
昭和33年生まれ 64歳。東大受験に失敗し、早稲田に進むも、どうしても東大が諦められず仮面受験の末、東大経済学部に合格。
このあたり「執念深さ」も感じる。
2015年間から財務官を2019年まで過去最長の4年間務め、退官後、アジア開発銀行の総裁に就任した。
財務官と言えば、ミスター円と呼ばれた榊原さんが有名だが、財務省の中でも国際的な業務がメインのポストなので、この人も海外通なのだろう。
銀座で粗相をしないことを祈る。
以上3名がポスト黒田の候補なのだそうだ。
うーん、なかなか難しいな。
別に私が選ぶわけではないが、どれも甲乙つけ難い。
ただ個人的な好みで言うなら「雨宮は変化がなさそうだぁ」という気がする(最有力候補らしいが)
となると、中曽か浅川。
ただ中曽は名前がちょっと・・・
多くの日本人にとって、中曽とくれば「根」だ。
中曽根というゴロの良さがシミ付いているので「ナカソ」というのはどうにも生焼け感があって落ち着かない。
名は体を表す。
その落ち着きのなさが、金融にも波及しそうで怖い。(適当なことを言っている)
そうなると浅川か。
年齢も一番若いし、財務官で国際金融も分かっているだろうから、個人的には浅川推しである。
ふてぶてしい面構えも良いではないか。
だが、浅川にも弱点がある。
出自である。
財務官僚、財務官、アジア開発銀行総裁というルートは、実は今の黒田総裁と全く同じ。
もちろん別人格だから、関係ないと言えば関係ないが、黒田アレルギーの人には「なんかちょっと」という心象を持たれるだろう。
また、今まで日銀総裁ポストは、財務省(旧大蔵省)出身者と、日銀生え抜きで交互に担ってきたので、日銀内では
「10年、総裁を財務省に取られた。次は日銀で」
という悲願があるとかないとか・・・・
我々国民からすれば
「そんなんどうでも良いからさ。ちゃんとした人にやってもらってよ」
とは思うのだが、悲しいかな「組織」というのはそういうものだ。
しかし、ぶっちゃけ、誰がやっても同じだろう。
黒田総裁がありとあらゆる「弾」を撃ってしまい、今の日銀は空っぽだ。
今回の為替介入やインフレ対策でも露見した通り、何も打つ手がないのである。
そういう意味では、次の総裁は「暗澹たる敗戦投手」とならざるをえない。
本当は誰もやりたくないんだろうな・・・・
そんなことを思う本日のコラムでした。
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