タッキーは義経となってジャニーズを倒せるか?中小企業の内紛


タッキー辞めちゃうんだぁ

そう思っていたら、キンプリも辞めるらしい。

妻の話では、ジャニー喜多川氏の跡を継いだ藤島ジェリー社長が、を、自分が気に入っている松潤(松本潤)にキンプリのプロデュースをさせようとしたのだが、キンプリ本人が

「お断りします」

と拒否したことで、ジェリーが激怒。

「あんたたち干すわよ!!」

って感じで、それに嫌気をさしたキンプルが逃げたということだった。

このあたりは週刊誌の報道でもあり、正直良く分からない。

ただ一つ確実なことは、タッキーが辞め、キンプリがほぼ解散したということ。

ビジネス的に見れば、SMAP、嵐なき後のジャニーズで、キンプリはかなりの戦力だったはずで、それがなくなるのは相当痛いだろう。

但し、SixTONES、Snow Manも売れているし、いきなりアメリカに上陸したTravis Japanもこれから活躍するだろうから「今すぐどうこう」というわけではないだろうが、どのグループも「国民的」と呼べるほどではなく、往年の勢いを取り戻すことはもう難しいかもしれない。

今回の件、代替わりに伴い、先代の子飼いの古参幹部(タッキー)が会社を「割った」とも捉えられる。

タッキーが今後何をするのか分からないので、正確には「割った」かどうかは、今後の経緯次第だが、タッキーが育てた若手も辞めていることから(かつ今後も続きそう)、それらが今後、新勢力を形成していくことは想像に難くない。

この手の話は中小企業にも多い。

先代社長が生きている間は一致団結していたのだが、二代目が継いだ時から不協和音が大きくなり、古参幹部が社員の一部を引き連れて独立。

会社が割れる。

なお、このような場合、大抵は「独立した方」がダメになることが多い。

大義名分がないからだ。

中小企業は横の連帯感も強いので、不義理を働いたような会社には仕事は振らないので、結局、立ち枯れてしまう。

だが、今回の場合「不義理」というより、判官びいきで

「ジェリー憎し、タッキーかわいそう」

という論調の方が強く、ファンもタッキーの復活を望んでいるような印象も受ける。

 

なお「どちらもダメになる」ことも結構ある。

ある特定のニッチな分野に強い中小企業などの場合、そもそもがマーケットが狭い。

1社だからこそ潤っていたのに、そこに2社のプレイヤーが出てくる。

近親憎悪もあって、過当競争を繰り広げる。

結果、どちらもボロボロになり、その分野に近接する業界の大手資本にどちらも飲み込まれてしまう。

これもよくある話だ。私のお客さんでも過去に同様の事例があった。

 

で、今回のジャニーズ。

「ダメになる」かは置いておいて、私は後者に近い形になるのでは?という気がしている。

ジャニーズの主戦場である男性アイドルユニットというのはエンターテイメント全体から見れば「ニッチ」

アニメの市場規模が2600億円と言われているが、アイドルは男女合わせて1500億円。

1500億円のうち、男性アイドルがどの程度の割合を占めているのかを調査した資料は見当たらないが、どう考えても女性アイドルよりは割合は低いだろうから、500、600億円あたりではないかと思う。

ちなみにプラモデルの市場規模が320億円、フィギアの市場規模が310億円なので、男性アイドルのそれは

プラモデル+フィギアと同程度

なのである。

なお、余談だが私がいる「保険業界」と「不動産業界」の市場規模はそれぞれ45兆円、49兆円と桁違いだ。

つまり市場規模を語る上では、「兆円単位」がスタンダードであり、億円単位というのは、かなり小さいということになる。

さて、この分野を長年、寡占していたのがジャニーズだが、最近は韓流や、エグザイル、更には男性地下アイドルのような人たちもいて、好みが細分化されている。

とは言えジャニーズは未だに圧倒的に強い。

例えば、昨年(2021年)だけでも1300万枚のCDを売っていて、これはジャニーズでも「過去最高」だったらしい。

CDが売れない時代に何故にこれほど売れるのか?

その理由は、まずジャニーズの新曲はオンライン配信されておらず、聞くにはCDを買うしかないということ。

またコロナ禍により、CD特典としてオンラインでのコンサート映像の視聴券などをセットしている。

しかも、

「同じCDのジャケット(写真)違いの3種類、全てを買わないと特典を貰えない」

というようなマーケティングをしているので、一人のファンが同じCDを何枚も買うという現象が発生し、それが全体の枚数を底上げしたそうだ。

このあたり、商売が上手い。

CD一枚が3,000円だとして、1,300万枚ともなれば、単純計算で売上は390億円。

先の市場規模と照らし合わせれば、やはり「圧倒的」な存在と言える。

だが、それでも天井は「5、600億円」ということになり、マーケットとしてはそこまで大きいものではない。

また、このマーケットの消費者(ファン)は「移り気」も激しい。

男性アイドルの賞味期限は女性アイドルより息が長いと言われているが、それでも新しいグループが出てくれば、そちらに乗り換えられてしまうし、ちょっとしたスキャンダルも命取りになる。

仮にタッキーが今後、魅力的なコンテンツを出してくれば、男性アイドルのマーケットをジャニーズと二分することも十分あり得るのではないか?

と、適当なことを言っている。

あっ、そういえば先ほど「判官びいき」と言ったが、タッキーって昔、大河ドラマで義経やってたよね?(2005年「義経」)
注:判官びいきは、兄頼朝から追い詰められた義経(官名:判官)に同情し、弱い者を応援する日本人の気質を表している。

今年の大河で、菅田将暉が型破りな義経を演じていて話題になったが、やっぱりタッキー義経の方がイメージ通りであり、そのタッキーが若武者を引き連れてジャニーズに討ち入るのであれば、いやー、これは是非見たい。

ジャニーズ的なアイドルには興味はないが、骨肉の争いの企業の内紛は大好きなのだ。

本日のコラムでした。

 

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11月 5th, 2022 by