連休中、親族や友人に車を貸す時に気を付けたいこと


今年のゴールデンウィーク。

都心も観光地も人でごった返している。

ようやく3年間の「コロナ懲役」から解放され、皆さん休暇を楽しまれているようだ。

このような連休中によく見られるのが、

親族、友人間での車の貸し借り

である。

息子(もしくは娘)家族が実家に帰ってきて、親や兄弟姉妹が車を貸す。

もしくは仲間とどこかへ出かけ、途中、運転を代わったり、出先でちょっとした買い物のために友人に車を貸す。

だが、このような時に車を「借りた側」が事故を起こし、後々大きなトラブルになることが少なくない。

弊社にも過去何度か相談があった。

車を借りた状態で事故が発生すると、原則的にはその車の持ち主が加入している保険を使うことになるのだが、そうなると、以下のような問題が起こる。

1 自動車保険の等級が下がり、翌年以降の保険料が上がる

2 軽度の事故(自損事故などで10万円、20万円程度の被害など)の場合、保険を使うと前述1の理由により、今後の保険料が上がるので、それらの将来的な累計より、自費で支払った方が良い場合もある。このようなケースで修理費を誰か負担するか?

3 自動車保険を使用した場合、あくまで契約者は車の持ち主であり、保険会社は契約者としか話をしない。そのため、面倒な事故処理を事故を起こした当人ではなく、契約者がやらなくてはいけない。

これらの諸問題は、場合によっては親族関係や友人関係にヒビを入れてしまうこともある。

実際にあった事例を紹介したい。

・友人に貸した車を傷付けられ、修理費を請求したが「今は払えない。ボーナスが入ったら」などとはぐらかされ、そのまま音信不通。

・帰省中の弟夫婦に車を貸したが、ドライブ中に運転を代わった弟の妻が人身事故を起こしてしまった。当初は平身低頭で謝罪していたが、時間が経過する中で「相手が悪い」、「そもそも車のブレーキの効きが甘かった」などと主張。弟も自分の妻の肩を持つので、兄弟仲は最悪に。この後、相続問題にも発展。

・息子に車を貸し事故が発生。親の保険で対応し、息子は「来年以降の増額分の保険料は負担する」と約束したものの、守ったのは1年だけ。親子関係が崩れるほどの事態には至っていないが、父親としては「あいつはいつまで親に甘えてんだ・・」と心のしこりになっている。

 

どのケースもなかなか厄介で、車を貸した方には何の責任をないのに、金銭的、精神的(むしろこちらの方が深刻)な被害を受けている。

このような事態を防ぐ方法は2つある。

まず車を「借りた方」が、自分で車を持っているか?という点。

自身の車があれば、自動車保険に入っているので、それに「他車運転特約(他車運転危険補償特約と呼ぶ保険会社もある)」が付いていれば、他人の車を運転して事故を起こしても、自分の自動車保険が使える。

当然、等級は下がり、保険料は上がるがそれは自分で負担することになるので、借りた車の持ち主に迷惑をかけることはない。

なお、他車運転特約は基本セットされていることが多いが、保険会社によってはオプション扱いになっている場合もあるので、各々が確認されると良いだろう。

だが、昨今の車離れによって、車を保有していない方も多い。

この場合に有効なのが1day保険。

プランにもよるが、24時間あたり1,000円程度でスマホから加入出来るので、万が一のことを考えれば絶対に入っておくべきだろう。

なお、そもそも「1日単位で自動車保険に入れる」ということを知らない方も多いので(特に車を持っていない人は知らない)、車を貸す方から「何かあった時に揉めるのは嫌なので1day保険には入っておいてね」と一言添えても良い。

もちろん「言いにくい」のは分かる。

だが、親しき仲にも礼儀あり。

借り手に「保険だけは用意させる」ことは、自分自身とその人との関係を守るためにも、最低限必要なことと言える。

本日のコラムでした。

 

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5月 5th, 2023 by