地震頻発の今、ちゃんと備えてますか?保険のプロの地震対策


本日は少々お堅い話です。

最近、中規模程度の地震が続いておりますが、皆様、地震への備えはやっておられるでしょうか?

保険という仕事をしている関係で、災害のお話をすることも多いですが、意外と「何の対策もしていない」という方が少なくありません。

しかし、ここまで地震が頻発すると、近い将来発生が予想されている首都圏直下型や、南海トラフなども現実味を帯びてきます。

「地震で一人の契約者も死なせたくない。」

そう思い、日々、鬱陶しがられながらも啓蒙活動をしております。

さて、では今懸念されている巨大地震とは、一体どんなもので、どの程度の「規模」なのでしょうか?

内閣府の調査では、それぞれの巨大地震の被害は以下のようになっています。

首都圏直下地震

死者・行方不明者 最大11,000人

全壊家屋     最大17万5,000棟

 

南海トラフ地震

死者・行方不明者 最大23万人

全壊家屋     最大151万棟

なお、過去に発生した巨大地震の被害は以下の通りとなっております。

阪神淡路大震災

死者・行方不明者 6,437人

全壊家屋     10万4,000棟

 

東日本大震災

死者・行方不明者 24,582人

全壊家屋     12万2,000棟

比較するようなものではありませんが、首都圏直下地震は阪神淡路大震災の2倍程度。

南海トラフに関しては「過去に経験のないほどの災害」であることが分かります。

 

次に自身の性質を表す「縦揺れ(直下型)」、「横揺れ(海溝型)」についてです。

阪神淡路大震災はドン!!と床が抜けたような縦揺れで、東日本大震災はボワーンと長い間揺れる横揺れであることが知られていますが、この2つは地震による「死因」にも大きく影響しています。

縦揺れでは、建物全体が上下に揺れるため、古い木造などは簡単に崩れますし、場合によってはRC構造でも崩れます。

木で出来たドールハウス。

前後左右にいくら揺らしても壊れませんが、ちょっと上から持ち上げて地面に落とせば壊れてしまう。そんな場面を想像すると分かりやすいでしょう。

また屋内の家具なども転倒しやすく、地震対策の定番である「突っ張り棒」なども、縦揺れにはあまり効果がないとされています。(突っ張り棒のメーカーのプロモーションで流れる実験映像は大抵横揺れ)

そのため、地震発生直後に、建物の倒壊や家具の転倒で、その下敷きになって即死してしまう方が多く、実際、阪神淡路大震災でも被害者の9割が「圧死」によって亡くなられています。

反面、縦揺れでは建物の被害は軽微で、また家具の転倒なども突っ張り棒で防げます。

しかし、地震発生後の津波が広域に被害を及ぶすため、これによって多くの人命が奪われてしまいます。東日本大震災でも9割の方が津波によって命を落としており、当時の映像を覚えておいでの方も多いでしょう。

つまり、縦揺れの最大のリスクは建物損壊、家具の倒壊なので、まずはこれから命を守れれば生存確率が上がります。対して横揺れの最大のリスクは津波なので「すぐ高所に逃げる」ことが重要ということになります。

お住まいのエリアによっては、津波は関係ないという方もいらっしゃると思いますが、直下型に関しては日本全国どこでも起こりえることで、無関係の方はいません。

では、我が家はどうか?

東京に住んでいるので、正直、津波のリスクはあまり重視していません。

意外と知られていないのですが、南海トラフにおいて東京は「M5程度」に収まると言われており、また津波被害もそれほどの規模とは予測されていないため、基本的には首都圏直下型地震を想定しています。

そのため、まずやるべきは屋内の家具の転倒防止。

縦揺れの場合、効果は少ないですが、突っ張り棒は最低限やるべきで、後は家具の上の方に重い物を置かない、なるべく重心を低くすることも効果的です。

ですが、縦揺れに関しては家具の転倒を完全に防ぐ方法はない、というのが私の結論です。(もし有益な情報をお持ちの方がいたら教えてください)

そのため、地震が発生したら、家族には家の「ここ」にいなさい。ということを徹底して教えています。

そこにしゃがんでいれば最悪周囲の家具が転倒しても、他の家具(机など)が支えになってくれる。部屋の中でそのような場所を最低一つは確保し、子供達には常にそのことを伝え、時に訓練をしています。

まず、これで即死を防ぐ。

また、地震が発生した直後は家の中がガラスだらけになるため、ベッドの下にはスニーカーを用意してあります。

次に「避難」

地震発生直後の津波(可能性は低いにせよ)や大型火災から逃げるために電動自転車を2台。

過去の地震でも「自転車が一番機動力が高い」ということが実証されています。

バッテリーも予備を用意し、常に1つは満タンの状態にしているため、最悪の時には、何とか家族4人で安全な場所に移動できるようにしています。

最後に「備蓄品」ですが、これは多くのご家庭でもやっていることだと思うので、ここでは割愛しますが、一応、参考までにうちの備蓄品を列挙すると、

・水100リットル

・レトルト食品1週間分

・カセットコンロ&ガス

・モバイルバッテリー(常に充電フル)

・簡易版太陽光発電パネル

こんなところでしょうか。保険のプロが、などと大見得を切りましたが、やっていることはごくごく一般的な対策です。

もちろん、これらの準備をしていても最後の最後は「運」です。

その時にどこにいるか?それは神のみぞ知るところですから。

それでも後から「やっておけば良かった」と後悔しないために、出来ることはなるべく事前に準備するべきと考えます。

全てをやったとしても数万円レベルの話であり、その数万円をケチって大事な命を失うことだけは避けたいところです。

巨大地震発生は近い!!

怪しい新興宗教の教祖のようですが「気持ち」としてはそう思って準備をして頂ければ幸いです。

本日のコラムでした。

 

 

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5月 16th, 2023 by